前回はティターンズの基地に連れて行かれ、
連邦軍の鎮圧部隊を止めててくれと頼まれました。
今回は、小隊を伴って出撃いたします。
「こちらマラサイ1、チェックポイント306を視認、視界は良好。
敵影なし」
「マラサイ1、先行し過ぎだ─」
「Gリーダーへ、こちらVAリーダー。2番機の動力系が不調だ」
「ったく、だからバーザムは…」
左右を丘に挟まれた川沿いに細長く伸びる平地を、対地兵装のバーザ
ムが3機北へ進んでいた。キミの率いるグルンドゥール小隊がそれを
護衛する。小隊はキミの他にギャプランとキリマンマラサイ2機で構
成されている。キリマンマラサイとは、アナハイム社がエゥーゴにつ
いたため、マラサイのデータを失った連邦が残った機体を参考にして
開発した機体である。ティターンズにはそんな旧式機しか回されない。
敵影を求めて北上しつつある現在、エニグマは作動していない。小隊
各機はそれぞれのパイロットによって操縦されている。エニグマはフ
ルタイムの運用には耐えられないのだ。
第23機甲軍は、予定通りスウォンジーを制圧した。同時にティター
ンズのガルダで空輸されたモビルスーツ隊が周辺の街道を封鎖し、連
邦の鎮圧部隊の移動を阻止する。キミは、バーザム小隊を挟んで前に
ギャプラン、後ろにグルンドゥールを置き、左右3キロ離してマラサ
イを配し、側面を警戒させている。
「マラサイ2よりGリーダーへ!敵機が接近している」
左翼のマラサイからだ。興奮のためか声が上擦っている。
「機種はハイザック…ビームバズーカを持っている。もう2機程反応
があるな…旧式機の混成部隊だ、囮かも知れない」
・ギャプランを向かわせる:050
・自分で行く:056
・マラサイ2に任せる:055
・ギャプランと右翼のマラサイ1を向かわせる:030
どの選択肢も上手く行けば同じように進むのですが、
ギャプランのパイロットがアルマという女性であることが
書かれている文章を見るための選択肢を辿っていきます。
056:
キミは前を行くギャプランのパイロットを呼び出した。
「後を頼む。オレはマラサイ2を掩護する」
「了解」
ギャプランの女性パイロットが答えた。グルンドゥールは巨体を揺す
り、丘の斜面を登って行く。稜線越しに視界が開け、マラサイ2が川
の支流の流れる低地を挟み、敵の小隊と撃ち合っているのが見えた。
ハイザックがグルンドゥールに気づき、ビームバズーカを発射した。
しかし、ビームは機体の表面に張られた磁界で拡散し、グルンドゥー
ルには焦げ跡ひとつつかない。もっと距離が近ければ判らないが、こ
の位置ならばアウトレンジ攻撃がかけられる。グルンドゥールのビー
ムランチャーの一撃で、1機が右腕を吹き飛ばされた。マラサイ2が
Vサインを送って寄越す。おめでたいヤツだ。
それにしても敵の小隊の行動が妙だった。稜線越しに撃ってくるだけ
で、積極的な反撃に出ようとしない。マラサイ2のパイロットも同じ
ことを感じたらしい。
「Gリーダー、やっぱりこいつは囮だぜ!」
その時、右翼のマラサイ2から通信が飛び込んで来た。
「攻撃を受けた!くそっ、ビームが…」
「マラサイ1、落ち着いて報告しろ」
「Mk-Ⅲだ。グーファーが3機、畜生!何時の間にこんな近くに…」
グーファー─現在の連邦の最新鋭機である。モノコックボディのマラ
サイ、バーザムを経て久々に採用されたセミモノコック機であり、ガ
ンダム系の直線的なフォルムを持っている。地上における機動性を重
視しつつ汎用性を失わない設計で、ガンダムMk-Ⅱの正統な後継機
と言えた。連邦は様々な機種が入り混じったモビルスーツ隊の装備を
グーファーに一本化し、窒息寸前の補給態勢を整理しようと配備を急
いでいる。
・マラサイ1の掩護にギャプランを送る:205
・この場をギャプランと交替し、マラサイ2の掩護に行く:168
205:
「アルマ、聞いての通りだ」
「了解。マラサイ1を掩護します」
ギャプランのパイロットが緊張した声で答えた時、バーザムが稜線か
ら頭を覗かせた。空かさずビームランチャーを発射する。目映いばか
りの光が丘の端を削り、バーザムを直撃した。
その時、敵のバーザムがちょっと珍しいバージョンであることに気づ
いた。シルエットは確かにバーザムなのだが、あの特徴のある胸から
腰にかけてのボリュームが少々足りない。全体的にすっきりと整理さ
れた印象を与える。
これは反応炉とジェネレーターを出力の低いものと換装したバージョ
ンに違いない。
わざわざ出力を落とすというのも妙な話だが、これにはちゃんとした
理由がある。エゥーゴやアクシズに対抗して次々と機体を配備した結
果、連邦のモビルスーツ隊は実に種々雑多な機種の入り混じった混成
部隊になってしまった。バーザムを配備された部隊がまだハイザック
を使っていたりする。
このため、それぞれにあったパーツを常に供給し続けることを要求さ
れた補給態勢は窒息寸前になってしまったのである。
そこで、配備機数を二分するマラサイとバーザムにパーツの互換性を
持たせようとする案が出され、一部のバーザムが動力系をマラサイと
同じモノに換装されている。
結果として火力やスラスター出力は低下したが、機体は軽くなり、ボ
ディの改造でバランスも良くなったため、機動性が向上した。元々、
機体に較べて大き過ぎる動力系を積んだバーザムの設計には、無理が
あったのである。バランスを崩す一因になっていた異様に膨れた胴体
もそのためである。
シェイプアップされたバーザムは、大振りで小回りの利かない以前の
バーザムを『腰がないモビルスーツなんぞに乗れるか』と言って敬遠
していた前線のパイロットたちにも好評だったと言われている。
グルンドゥールがあれば左翼は安心だが、マラサイとギャプランで3
機のグーファーを相手にしている右翼が心配だった。こちらを早く片
づけて応援に回らねばなるまい。
─やってみるか
「マラサイ2、エニグマをやるぞ」
「了解!」
キミはコンソールの右隅にあるスイッチを叩くようにして入れた。
その瞬間、キミの視界から総てが消えた。薄い靄の下で艶めかしいう
ねりを見せる緑の大地を映し出していたモニターが、機体状況を表示
していたコンソールが、コントロールパネルが消失し、サイケデリッ
クな色彩の乱舞に塗り潰された。
そして、その中でキミは明確なイメージの形で膨大な量の情報を吸収
した。マラサイ1の直面している危険が、それを狙撃しようとしてい
るグーファーの殺気が、高所を占めたグルンドゥールの有利が、解放
された五感に、否、全身に感じられる。
─これがエニグマ…シュペールサイコミュか…
そんな感慨さえ、エニグマの一部品と化したキミに取っては情報の断
片に過ぎない。
グルンドゥールをジャンプさせ、敵との距離を詰める。腰のターレッ
トが連続して火を噴き、横に走るバーザムの周囲にビームを降らせて
足を止めた。
土煙の中でライフルを構えようとするバーザムを狙い、ランチャーの
トリガーを引く。足下を掬うように延びたビームがバーザムの腰から
下を蒸発させる。
グルンドゥールにビームバズーカを向けようとしたハイザック目がけ、
マラサイ2が滑るように奔った。マラサイのビームサーベルが、棍棒
代わりに振り下ろされるバズーカごとハイザックの胴を叩き斬った。
キミはエニグマを切った。不思議な開放感と共に、正常な知覚が戻っ
て来る。頭に鈍痛を感じ、キミは顔を顰めた。肉体的な痛みではない。
何か生理的な嫌悪感のようなモノが全身を這い回っていた。
─何だ…、これは?
「Gリーダー!マラサイ1だ。右翼は1機撃破したが苦戦している。
なんとか…」
キミはぼんやりとした意識をハッキリさせようとした。
・Gリーダーだ…、こっちは片づいた。今行く:103
ちゅーこって、キャラ名などを見るために指揮官としては
余り良くない作戦を採りましたが…。
次週は103から本格的にマラサイ1の掩護に向かいます。
連邦軍の鎮圧部隊を止めててくれと頼まれました。
今回は、小隊を伴って出撃いたします。
「こちらマラサイ1、チェックポイント306を視認、視界は良好。
敵影なし」
「マラサイ1、先行し過ぎだ─」
「Gリーダーへ、こちらVAリーダー。2番機の動力系が不調だ」
「ったく、だからバーザムは…」
左右を丘に挟まれた川沿いに細長く伸びる平地を、対地兵装のバーザ
ムが3機北へ進んでいた。キミの率いるグルンドゥール小隊がそれを
護衛する。小隊はキミの他にギャプランとキリマンマラサイ2機で構
成されている。キリマンマラサイとは、アナハイム社がエゥーゴにつ
いたため、マラサイのデータを失った連邦が残った機体を参考にして
開発した機体である。ティターンズにはそんな旧式機しか回されない。
敵影を求めて北上しつつある現在、エニグマは作動していない。小隊
各機はそれぞれのパイロットによって操縦されている。エニグマはフ
ルタイムの運用には耐えられないのだ。
第23機甲軍は、予定通りスウォンジーを制圧した。同時にティター
ンズのガルダで空輸されたモビルスーツ隊が周辺の街道を封鎖し、連
邦の鎮圧部隊の移動を阻止する。キミは、バーザム小隊を挟んで前に
ギャプラン、後ろにグルンドゥールを置き、左右3キロ離してマラサ
イを配し、側面を警戒させている。
「マラサイ2よりGリーダーへ!敵機が接近している」
左翼のマラサイからだ。興奮のためか声が上擦っている。
「機種はハイザック…ビームバズーカを持っている。もう2機程反応
があるな…旧式機の混成部隊だ、囮かも知れない」
・ギャプランを向かわせる:050
・自分で行く:056
・マラサイ2に任せる:055
・ギャプランと右翼のマラサイ1を向かわせる:030
どの選択肢も上手く行けば同じように進むのですが、
ギャプランのパイロットがアルマという女性であることが
書かれている文章を見るための選択肢を辿っていきます。
056:
キミは前を行くギャプランのパイロットを呼び出した。
「後を頼む。オレはマラサイ2を掩護する」
「了解」
ギャプランの女性パイロットが答えた。グルンドゥールは巨体を揺す
り、丘の斜面を登って行く。稜線越しに視界が開け、マラサイ2が川
の支流の流れる低地を挟み、敵の小隊と撃ち合っているのが見えた。
ハイザックがグルンドゥールに気づき、ビームバズーカを発射した。
しかし、ビームは機体の表面に張られた磁界で拡散し、グルンドゥー
ルには焦げ跡ひとつつかない。もっと距離が近ければ判らないが、こ
の位置ならばアウトレンジ攻撃がかけられる。グルンドゥールのビー
ムランチャーの一撃で、1機が右腕を吹き飛ばされた。マラサイ2が
Vサインを送って寄越す。おめでたいヤツだ。
それにしても敵の小隊の行動が妙だった。稜線越しに撃ってくるだけ
で、積極的な反撃に出ようとしない。マラサイ2のパイロットも同じ
ことを感じたらしい。
「Gリーダー、やっぱりこいつは囮だぜ!」
その時、右翼のマラサイ2から通信が飛び込んで来た。
「攻撃を受けた!くそっ、ビームが…」
「マラサイ1、落ち着いて報告しろ」
「Mk-Ⅲだ。グーファーが3機、畜生!何時の間にこんな近くに…」
グーファー─現在の連邦の最新鋭機である。モノコックボディのマラ
サイ、バーザムを経て久々に採用されたセミモノコック機であり、ガ
ンダム系の直線的なフォルムを持っている。地上における機動性を重
視しつつ汎用性を失わない設計で、ガンダムMk-Ⅱの正統な後継機
と言えた。連邦は様々な機種が入り混じったモビルスーツ隊の装備を
グーファーに一本化し、窒息寸前の補給態勢を整理しようと配備を急
いでいる。
・マラサイ1の掩護にギャプランを送る:205
・この場をギャプランと交替し、マラサイ2の掩護に行く:168
205:
「アルマ、聞いての通りだ」
「了解。マラサイ1を掩護します」
ギャプランのパイロットが緊張した声で答えた時、バーザムが稜線か
ら頭を覗かせた。空かさずビームランチャーを発射する。目映いばか
りの光が丘の端を削り、バーザムを直撃した。
その時、敵のバーザムがちょっと珍しいバージョンであることに気づ
いた。シルエットは確かにバーザムなのだが、あの特徴のある胸から
腰にかけてのボリュームが少々足りない。全体的にすっきりと整理さ
れた印象を与える。
これは反応炉とジェネレーターを出力の低いものと換装したバージョ
ンに違いない。
わざわざ出力を落とすというのも妙な話だが、これにはちゃんとした
理由がある。エゥーゴやアクシズに対抗して次々と機体を配備した結
果、連邦のモビルスーツ隊は実に種々雑多な機種の入り混じった混成
部隊になってしまった。バーザムを配備された部隊がまだハイザック
を使っていたりする。
このため、それぞれにあったパーツを常に供給し続けることを要求さ
れた補給態勢は窒息寸前になってしまったのである。
そこで、配備機数を二分するマラサイとバーザムにパーツの互換性を
持たせようとする案が出され、一部のバーザムが動力系をマラサイと
同じモノに換装されている。
結果として火力やスラスター出力は低下したが、機体は軽くなり、ボ
ディの改造でバランスも良くなったため、機動性が向上した。元々、
機体に較べて大き過ぎる動力系を積んだバーザムの設計には、無理が
あったのである。バランスを崩す一因になっていた異様に膨れた胴体
もそのためである。
シェイプアップされたバーザムは、大振りで小回りの利かない以前の
バーザムを『腰がないモビルスーツなんぞに乗れるか』と言って敬遠
していた前線のパイロットたちにも好評だったと言われている。
グルンドゥールがあれば左翼は安心だが、マラサイとギャプランで3
機のグーファーを相手にしている右翼が心配だった。こちらを早く片
づけて応援に回らねばなるまい。
─やってみるか
「マラサイ2、エニグマをやるぞ」
「了解!」
キミはコンソールの右隅にあるスイッチを叩くようにして入れた。
その瞬間、キミの視界から総てが消えた。薄い靄の下で艶めかしいう
ねりを見せる緑の大地を映し出していたモニターが、機体状況を表示
していたコンソールが、コントロールパネルが消失し、サイケデリッ
クな色彩の乱舞に塗り潰された。
そして、その中でキミは明確なイメージの形で膨大な量の情報を吸収
した。マラサイ1の直面している危険が、それを狙撃しようとしてい
るグーファーの殺気が、高所を占めたグルンドゥールの有利が、解放
された五感に、否、全身に感じられる。
─これがエニグマ…シュペールサイコミュか…
そんな感慨さえ、エニグマの一部品と化したキミに取っては情報の断
片に過ぎない。
グルンドゥールをジャンプさせ、敵との距離を詰める。腰のターレッ
トが連続して火を噴き、横に走るバーザムの周囲にビームを降らせて
足を止めた。
土煙の中でライフルを構えようとするバーザムを狙い、ランチャーの
トリガーを引く。足下を掬うように延びたビームがバーザムの腰から
下を蒸発させる。
グルンドゥールにビームバズーカを向けようとしたハイザック目がけ、
マラサイ2が滑るように奔った。マラサイのビームサーベルが、棍棒
代わりに振り下ろされるバズーカごとハイザックの胴を叩き斬った。
キミはエニグマを切った。不思議な開放感と共に、正常な知覚が戻っ
て来る。頭に鈍痛を感じ、キミは顔を顰めた。肉体的な痛みではない。
何か生理的な嫌悪感のようなモノが全身を這い回っていた。
─何だ…、これは?
「Gリーダー!マラサイ1だ。右翼は1機撃破したが苦戦している。
なんとか…」
キミはぼんやりとした意識をハッキリさせようとした。
・Gリーダーだ…、こっちは片づいた。今行く:103
ちゅーこって、キャラ名などを見るために指揮官としては
余り良くない作戦を採りましたが…。
次週は103から本格的にマラサイ1の掩護に向かいます。