コキュートスの記憶

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F90の備忘録 06

2019年08月13日 | MS & MA
□F90の備忘録
 06:ビークラブ71

MSジャーナル ダイジェスト版第2号(U.C.0122.9.15)
第1特集:総力取材『悲壮なるF90-2号機の歴史』

9月22日、連邦軍スポークスマンの公表した事実を要約すると、
F90の2号機は、火星に本拠を構えるテロ組織オールズモビルに
強奪され、独自の改造を施されていた。
我が連邦軍は、少数の艦艇を火星に派遣。
ごく小規模な敵の基地を壊滅させると共に、2号機の奪還に成功。

この事件が終結したのが、およそ18ヶ月前のこととされている。
連邦軍は、この事実を1年半に渡り、隠し続けていたのだ。
逆に言えば、連邦軍がこのような事実をよく公開したものだと言える。

その点について、軍事アナリストのケンス・E・バタン氏は、
簡単に言えば、頻繁するテロ組織への牽制と言うことでしょう。
例え、火星に基地を作ろうが、連邦軍は、それを叩き潰し、
尚且つ、奪われたMSを、無傷で奪還する能力を持っている。
連邦軍のテロ組織に対する無言の圧力という訳だ。

別の見方もある。政治評論家のケルビム・トフラー氏は、
強奪事件が起こって間もなく、宇宙軍作戦司令本部の主要メンバーが
交替しましたよね。この交代劇の裏には、軍内の保守派と改革派の
抗争が絡んでいたらしいんです。そして、旧メンバー(改革派)の
在任中の不始末を、新メンバー(保守派)が解決する。
これにより、旧メンバーの無能さを強調すると共に、新メンバーの
有能さを各方面にアピールする思惑があったと思います。
政治的な状況を経て、突然の事件公表となった訳だ。

しかし、未だ不明確な部分が残っている。オールズモビルの正体だ。
一般的には、旧ジオン軍の残党組織と言われているが、
連邦軍は、あくまで、その事実に関しては、口を閉ざしたまま。
尚且つ、火星の基地がどの程度の規模で、
派遣した艦隊の規模と損害についても公表はされていない。
この記事を執筆した本誌のA・K氏は、隠された真実があると見ている。

また、トフラー氏は、
あくまで噂ですが、オールズモビルの基地は、
かつてのルナツー並の設備と軍備を持っていたとの説もあります。
そこには、戦闘可能なMSが500機以上隠されていたとも。
さらには、火星から地球自体に攻撃を加える惑星間超兵器の実験を
行っていたとの噂もあります。
それが事実ならば、連邦軍は、永遠に公表することはないでしょう。
何しろ戦後40年も、そのような基地の存在を見逃していたなんて、
軍の存続に関わる大恥ですからね。

開発用CG図面を用い、濃紺の2号機の図が載っています。
1号機に較べ、写真が極めて少なく、
2号機が濃紺だということも、余り一般には、知られていない。

火星独立ジオン軍仕様の諸元や図版も掲載されています。

ネタ元は、明言されていませんが、機体についても書かれています。
改造の目的は、オールズモビル側が保有する整備部品との互換性を
目的とし、特に損耗率の高い各部装甲、駆動部を中心に行われている。
もっとも改造とは言っても、外装部分を取り替えた程度で、
内部の反応炉、ジェネレーターなどの動力系、
疑似人格型ニューロコンピューターなどは、そのままとなっている。

そして、気になる箇所がひとつ。両腕のハードポイント部である。
膨大な電力を供給するための接続マウントが設けられている。
普通に考えれば、小口径ビームガンなどのマウントと思われるが、
構造上、ビームシールドの取り付けが予定されていた節もある。
とすれば、オールズモビルの技術力は、連邦のそれを上回ることになる。

で、U.C.0122.11段階の資料として、
F90の2号機の改装図や諸元が掲載されています。いわゆる、F90IIです。

本体の60%以上が欠損していたが、反応炉、ジェネレーターなどの
動力部分と、制御コンピューターブロックが無傷だったこともあり、
まずは、完全に失われていた両脚部のフレームを刷新し、
さらにジェネレーターも、より効率のよい型に改められている。
基本設計が既に終了しているF91の長所を巧みに取り入れ、
構造上のバグが指摘された8000系ニューロコンピューターから
F91に搭載予定のバイオコンピューターに換装している。

その塗装だが、ガンダム系には珍しい赤色に纏められたのは、
1号機との視認性のためとされている。
F90FFで新たに設定された2号機の配色に影響してるのかも??

あとは、F90の単行本が宇宙世紀に発売されたものという体裁で。
架空戦記コミックとして、バンダイモデルクラフトから発売されている
『機動戦士ガンダムF90』では、オールズモビルが本当にジオン軍の
残党だったらという視点で描かれている。

と、書かれているので、旧ジオン軍のMS然としてるのは、
著者のレイナ・カハラ氏による前述の主題を受けたアレンジで、
実際は、RFシリーズだったのではないかと、私的に思っています。

第2特集と、トピックスは、割愛です。

今回は、少し長くなってしまいました。
次回の第7回は、72号からになります。

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