今回のカナダ旅行の最大の目的はオーロラの鑑賞と撮影。
そのために一眼レフカメラを購入し半年前から練習を続けてきました。
通常、オーロラ鑑賞旅行は3泊4日程度のコースが多く、
市内の宿泊場所から観賞場所までガイド同行で移動し、オーロラの出現を数時間待つ というパターン。
メリットは経験豊富なガイドが「今日は見られそう」とか「今日は出そうもないから引き上げよう」などアドバイスをしてくれる事。
反面、外にいる時間が限られているので自由度が少なく、引き揚げた後にオーロラが現れる可能性もゼロではない事。
「一生のうちで一度は見てみたいもの」にオーロラを考えていた私は、
何が何でも、是が非でもこの目でオーロラを見たいと切望していたため、
旅行日程も1週間にカスタマイズし、宿泊したロッジから自由に何時でも外に出て待機できるプランを選択。
到着日,2日目は曇りで星空も見えず、3,4日目は昼間は曇っていて夜は快晴で満天の星空というパターンでしたが
オーロラは現れず星景写真撮影に時間を費やしました。
この時点で通常の3泊4日プランだったら、オーロラを見れずに帰国となるところでした。
オーロラは一般に午後11時~午前3時頃に最も見られやすいとされており、
肉眼で見えなくてもカメラで長時間露光すると写っている場合もあるため
何度もシャッターを切りましたが星と雲しか写っていませんでした。
また、夜空の雲は白っぽく見えるためオーロラで光っているのか、雲が白っぽく見えるのかが紛らわしく、
幻覚のように色がついて見えることも度々ありましたが、撮影してみると全てただの雲でした。
5日目、気温-15℃,湖の氷上で待機していたためかなり冷え込み、恐らく-20℃近くまで下がっていたと思います。
極地仕様の防寒着の下にも服を着込んでいましたが、体を動かさないとじっとしていられないほど体の芯まで冷え込み、
まつ毛も凍りつき、瞬きする度に目がショボショボして面白かったです。
待つこと約2時間、ついにオーロラが現れました。
始めはぼんやりと薄緑色に光り、段々と明るさと色の濃さが増し範囲も広がっていき、
肉眼でもはっきりと発光が分かるほどになりました。
寒い中一緒に撮影していた新婚さんのご主人と一緒に感動を分かち合いました。
滞在したホワイトホースは、ロッジにあったPCの「オーロラ予報」の図では
オーロラがリング状に出現する「オーロラベルト」の下限に位置しているため、
TVで見るような空全体に広がるオーロラは期待できませんでしたが、
それでもはっきりと目視でき撮影もできた感激はひとしおでした。
奇しくもこの日は自分の誕生日でもあり、思わぬバースデープレゼントとなりました。
(追記:後日旅行会社のパンフレットを見ると、ホワイトホースがオーロラベルトの中心に位置してる図もありましたので、
出現する範囲はある程度変動幅がある ということなのでしょう)
6日目、気温は若干高めの-10℃。
前日と同じ撮影ポイントでスタンバイしていると、山と空の境界辺りがうっすらと光り始めたため、
ズームレンズで発光している部分のアップの写真を撮影。
この日はこれ以上オーロラが成長することはなく終了。
仲良くなった新婚さんはこのまま明け方に帰りの迎えがきてお別れ。
短い間でしたがとても楽しい時間を過ごせて撮影に関するアドバイスももらうことができ、
別れが名残惜しく、旅先の出会いといった感じでした。
7日目、最終日。
一人寂しく湖の撮影ポイントでシャッターを切り続けていると、
肉眼では全く分かりませんでしたがある時点から画面が赤っぽく写り始めました。
赤いオーロラもある とは聞いていましたが初めはこれが何なのか分からず、
カメラの設定ミスで変な色に写っているのか?と思いましたが、どうやらオーロラだったようです。
市街地とは方角が異なり、街の上空は雲が明かりを反射してそこだけ発光しているので、明らかに違いが分かります。
市街地方向の様子:上空の雲だけが街の明かりを反射して光っています
撮影を終え荷物を整理し帰りの迎えと共にホワイトホース空港へ。
こうして目下のところ人生で最大の目的だったオーロラ鑑賞・撮影のカナダ旅行は終わり、
バンクーバーにて国際線に乗り換え一路成田へ。
・・・となるはずだったのですが、エアカナダの機材不調によりバンクーバーで足止めを喰らい、
不安な一夜を過ごすというハプニングがありました。
片言の英語しか喋れない私としては、見知らぬ外国で知り合いも同行者もおらず、一時はどうなることかと焦りに焦りました。
ホテルから見たバンクーバーの街明かり。もう二度と見る機会もないでしょう。
通りの向こうには、私を不安のどん底に叩き込んだエアカナダの建物がありました・・・
無事に帰って来れたので、今となってはいい思い出です。