夜の鴨川のほとりに君と並んで腰を下ろす
ぼくたちと同じような年齢のカップルが何組も一定の間隔を空けて座っている
京都の大学に入学してから付き合い始めた彼女
夏休みになれば君は実家のある長野県に帰省するからしばらくは会えなくなるね
川面を渡る風が汗ばむ肌に心地いい
風が君の髪をなびかせてぼくの頬をくすぐる
言葉はいらない
こうやって寄り添うだけでいい
君の息づかいを感じるだけでいい
見上げれば夏の夜空に浮かぶ薄く青みがかった色合いの満月
ふと気付くとぼくの横には彼女ではなく猫が座ってた
蒼い月明かりに照らされた真っ白な猫
君が白猫の姿になったことにぼくは少しも違和感を覚えなかった
何故だかそれはごく自然な当たり前の出来事のように思えた
白猫は君
君は白猫
猫の君はぼくの膝に頭を乗せて体をあずけてくる
ぼくはそのしなやかで柔らかな背中をそっと撫でる
鴨川に映る月影は川の流れによってゆらゆらと形を変化させひとときも同じ形を保つことはない
君はぼくの膝に頭を乗せたまま気持ちよさそうに目を閉じている
ぼくは小さな声で
大好きだよ
とささやいた
君は少し頭をもたげ
上目遣いにぼくを見上げて
にゃぁと鳴いた
カレーの日々 6/19更新~
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