冬山の必需品、ワカンである。かつては芦峅寺カンジキに代表される様に籐製のものが主流であったが、最近はアルミ製のものが殆どである。同じような機能をを持つ道具としてスノーシューがあるが、日本の冬山を自在に歩くには不向きで、どうしても軍配はワカンに上がる。スノーシューは大きく、急斜面やトラバース、堅い雪面ではからっきし役に立たなくて、結局その重いお荷物をただずっと持ち歩かなくてはならなかったりする。道具は使い様だから、これから自分がすることに対応してその日の道具を賢くチョイスしなくてはならない。僕の場合登山は全てワカン、スノーシューは雪の日帰りハイキング用と考えている。
ところでそのワカンについて。上の写真は左が EXP OF JAPAN製、右は MAGIC MOUNTAIN製だ。そのEXP OF JAPAN製、これが問題だ。登山ショップでもよく見かけるこれ、というか、これしか置いてなかったりもする。僕はレンタル用にこれを4台所有している。購入してから5年ほどである。ほぼレンタル用だから使用頻度はさほどではないのだが、ふと気がつくとその全てがガタガタたになっているではないか。見ると前後の輪っぱを繋ぐカシメの頭が吹っ飛んで何本かなくなってしまっている。前後の輪っぱを繋ぐパーツはこのカシメのみだから、最も大事な部分だが、その強度がなさ過ぎるのが原因だ。4枚目の写真はMAGIC MOUNTAIN製だが、見るからにカシメの質が違うことがお解りかと思う。仕方が無いので見合ったボルトナットを取り付けて余分なボルトを金ノコで切断し、その頭を金槌で叩いてナットが緩まないように自分でカシメて修理をした(3枚目)。
この EXP OF JAPAN製を使っている友人ガイドがいるが20年近く使っていると言うことだが、全く問題ないという。だから、その全てがダメな製品とは言い切れない。僕がこれらをまとめて購入した時期の製品が特別粗悪なものなのかも知れないが、ご購入に当たってはよくそのカシメ部分に注目して頂きたいと思うのだ。
あまりにも貧弱すぎるカシメ
この後ボルトの余分を切断し頭を金槌で叩いてカシメて仕上げる
MAGIC MOUNTAIN製のカシメ、しっかりしている。全体の重量はこちらの方が重い。