山岳ガイド赤沼千史のブログ

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自家製味噌を仕込む

2017年03月19日 | 安曇野の暮らし

3月のある日、恒例の味噌の仕込みをした。

ずっとそうしているので味噌はやはり自分ところで仕込まないとと思っている。

市販の物は買ったことがないし、味が単純でどこか物足りない。

自家製味噌は発酵が止まらないので2年3年と経つとどんどん味や色が変わって複雑な味になって来るのも楽しいのだ。

 

味噌の仕込みはそんな難しいものではなくて、まずは大豆を煮て潰しミンチにしたら麹と塩を混ぜて樽につけ込んで放っておけばよい。

でも我が家の味噌仕込みはちょっと大変で、量が多いので友人達も巻き込んで味噌互助会を組んでみんなで一緒に作業をしている。

そんな仲間で無農薬大豆(ほったらかしなだけ?)の栽培から収穫、仕込みまでを全て手作業でやっているのだ。

 

ふた釜煮たりすることもあるが、今回は1回戦30㎏の大豆を巨大な専用羽釜でぐらぐらと煮る。

それと煮た大豆を潰すための味噌つぶし機を回すために、動力として発動機というディーゼルエンジンを据えなければならないからこれが大仕掛けで、我が家の味噌炊きは年間の一大イベントなのだ。

電動にでもすれば良いのに未だにコイツが動くもんだからずっと使い続けている。

50年以上前のエンジンで当時は色んな農作業に使われていたはずだ。

一人で移動させることは困難。

その重量はおそらく百数十キロはあるだろう。

大人2人がかりでやっと引きずり出して杭を打ち込み固定する。

先ずは試運転。

冷え切ったエンジンを暖めるためお湯をラジエターに入れ、しばらくしたらクランク軸にハンドルを突っ込んで腰を据え渾身の力でグルグル回す。

勢いに乗ったところでデコンプレバーを離してやると、最初黒煙を吐き出しながら単機筒エンジンは小気味良い音で回り始めた。

今年は一発始動!

エンジンの仕組みはよくわからないが、コンッコンッコンッコンッコンッコンッ!という排気音や吸気の音、細かいパーツがたてるカチャカチャ音も混じってなんともリズミックで心地よい。

多気筒エンジンにはないこの生き物のような躍動感もこの発動機を使い続ける理由なのだ。

たぶんこんなのを使って味噌炊きをやってるノは家だけだと思う。

うーん、かわいいやつ。

1年に一回だけ回してもらえるこのわずかな時間をコイツも楽しんでいるかのようだ。

発動期とミンサーはベルトで繋いで固定する。

大豆が煮えたらエンジンを回しこれをミンサーにかけて潰していく。

この潰したての大豆ミンチがまた旨い。

ホックホクで甘くて、この日にだけ食べられる懐かしい味。

時々つまみ食いをして作業は進む。

潰した大豆をシートに広げ、さましながら塩と麹を混ぜてひたすら混ぜる。

このままでは固いので大豆の煮汁も混ぜ込んで硬さを調整してね。

最後に練り上げた味噌のタネを木の樽にバンバン放り込んで空気を抜きながら仕込んでいく。

そして最後に古い味噌でふたをしてサラシを張って落としぶたを置き重しをすれば、これで仕込み終了だ。

おそらく開封するのは2年後かな?

美味しく育てよ!

と、手前味噌なお話でした。

 表面に古い味噌でふたをする、こうすることで発酵が進む

 


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