二年間経営難で運行を中止していた御岳2240ゴンドラが、今年から運行を再開したので、これを利用して御岳山登頂を目指す。お客様は女性ばかり6名様。JR塩尻駅で集合して、木曽谷へを南下し大滝村へ入る。
♪木曽は山の中です~、誰もきやしませ~ん、
だからあなたが恋しくて~、熱く~なるのです~ ♪♪
車を走らせながら、葛城ユキのデビュー曲なんか思い出したりして、ちょっとセンチメンタルな気分になったりした。たしかこの歌がヒットしたのは僕が中学生ころだから、かれこれ40年近く前になる。そんなに時が過ぎている割には、こころの成長は殆ど無いと感じるのはぼくだけだろうか?大人になるのは難しい。
木曽の家屋には何故かトタン屋根が多い。それも赤く錆止めペンキを塗ったトタン屋根だ。これがなんとも、木曽の景観としての統一感を醸し出している。我が住処の安曇野からさほど離れてはいないのだが、そのイメージは大きく変わる。木曽に感じる旅の風情というのはそんなところにあるのかも知れない。日本中が大手企業の看板やら建物やらに埋め尽くされ、まるで金太郎飴のようにどこに行っても同じ景観で、風情と言う物を感じられなくなってしまった今日この頃、木曽は変わってほしくない場所だとぼくは思う。
雪上訓練はまず2240スキー場の下部の旧ゲレンデへ。ここは以前はスキーゲレンデだったのだが、今はリフトも撤去されてただの丘になっている。訓練には最適のはずだったが、この日は気温が急上昇し、雪は最悪の状態となっていた。
ワカンで歩くのだがズブズブと潜るので、とても滑落停止とか、アイゼンワークとかができる状態ではない。埋まった足を抜くのも大変だ。ツボ足ならばおそらく、股下まで潜るであろう。
百メートルほど登ったが、そこで展望を楽しんで仕方なく下ることになった。霞はあるものの、御岳山がよく見える。下りも何一つ出来ない状態。まったく快適とは言えない訓練を終了して宿へ向かった。
翌朝目が醒めると外は曇り、ドンヨリと低く雲が垂れ込めていた。御岳方面は、今日の登山が全く期待できないほど濃いガスで覆われていた。食事を終え、2240スキー場のゴンドラに登山口の田ノ原へ向かう。
田ノ原からの展望は全くなくて風も強い。歩き始めると雨もぽつぽつ降り始めた。田ノ原を御嶽山へ向けて歩くが、風はますます強くなる。全員の心の中には、次第に同じ気持ちが芽生えていた。
「今日はだめでしょ?」
ハイその通り。これから傾斜が強まるところまで行って、あっさり撤退を決定した。帰り道は、不完全燃焼の気持ちを癒すがごとくに、ゲレンデを歩いて下山する。
温泉にて入浴、木曽平沢のていしゃ場にて粗挽き天ぷら蕎麦(ガイドのおごり)を食べ、塩尻駅解散。また来年。
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