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『5月17日』

2019-05-16 18:39:04 | 明日は誰の日

【誕生日】


☆ジャン・ギャバン Jean Gabin (1904.5.17~1976.11.15)



トーキー初期から頭角を現わし、フランス映画界のトップスターとして最も輝いた俳優です。
パリ郊外のメリエルで生まれ、父はミュージック・ホールの芸人で母は歌手という芸能一家で育ちましたので、子供の頃から
当然のようにミュージック・ホールでシャンソンやオペレッタなどのショー・ビジネスに参加していました。
やがてトーキーの時代に入るとともに映画界に活躍の場を求め1930年にハンス・シュタインホフ監督の "Chacun sa chance"
(誰にもチャンスが) の端役でスクリーン・デビュー、1934年のジュリアン・デュヴィヴィエ監督による『白き處女地』で
俳優としての頭角を現わし、デュヴィヴィエ監督の下で『ゴルゴダの丘』『地の果てを行く』『我等の仲間』『望郷』と
立て続けにフランス映画史に輝く作品群の主役を得て大スターの道を歩み始めました。その後もジャン・ルノワール監督の
『大いなる幻影』やマルセル・カルネ監督の『霧の波止場』などの名作に出演していましたが、第二次大戦勃発と同時に
アメリカに渡り2本の作品に出演しています。
戦後に帰国して1946年にジョルジュ・ラコンブ監督の『狂恋』でフランス映画界に復帰、映画の出来、不出来よりも共演者の
マレーネ・ディートリッヒとのロマンスが話題になりましたが、その存在感は圧巻でした。
その後も、マルセル・カルネ、ジャン・ルノワール、ジュリアン・デュヴィヴィエ、ジャック・ベッケル、ジャン・ドラノワ、
ルネ・クレマン、アンリ・ヴェルヌイユ、クロード・オータン・ララなどフランスを代表する名監督の名作群に恵まれ、中年
から初老の深みある渋さで長期に渡ってフランス映画界のトップスターとして君臨し続け、ギャバンの生涯はフランス映画史
そのものだとまで言われました。

ただ、トップスターとしてのプライドなのかもしれませんが、性格がかなり気難しく並の監督では対応しきれなかったようで、
若手監督や作家主義のヌーヴェルヴァーグなどからは完全に敬遠されていたようです。また、物語を映画化する類の作品には
本領を発揮しましたが、ジャン・コクトーやルネ・クレールのような映像芸術派の作品には不向きだったようで全くお呼びが
かからなかったようです。

【主要出演作品】
1933年『上から下まで』Du haut en bas
1934年『白き處女地』Maria Chapdelaine

1935年『ゴルゴダの丘』Golgotha

1935年『地の果てを行く』La Bandera

1936年『我等の仲間』La belle équipe

1937年『望郷』Pépé le Moko

1937年『どん底』Les bas-fonds

1937年『大いなる幻影』La grande illusion

1937年『愛慾』Gueule d'amour
1938年『霧の波止場』Le quai des brumes

1938年『獣人』La bête humaine
1939年『陽は昇る』Le jour se lève
1943年『逃亡者』The Impostor
1946年『狂恋』Martin Roumagnac

1947年『面の皮をはげ』Miroir
1948年『鉄格子の彼方』Le mura di Malapaga

1950年『港のマリイ』La Marie du port

1952年『愛情の瞬間』La minute de vérité
1954年『現金に手を出すな』Touchez pas au grisbi

1954年『われら巴里っ子』Touchez pas au grisbi
1954年『フレンチ・カンカン』French Cancan

1955年『筋金を入れろ』Razzia sur la Chnouf
1955年『首輪のない犬』Chiens perdus sans collier
1956年『ヘッドライト』Des gens sans importance

1956年『殺意の瞬間』Voici le temps des assassins
1956年『罪と罰』Crime et châtiment
1957年『赤い灯をつけるな』Le rouge est mis
1958年『殺人鬼に罠をかけろ』Maigret tend un piège

1958年『レ・ミゼラブル』Les Misérables
1958年『夜の放蕩者』Le désordre et la nuit
1958年『可愛い悪魔』En cas de malheur

1960年『ギャンブルの王様』Le baron de l'écluse
1962年『冬の猿』Un singe en hiver

1962年『エプソムの紳士』Le gentleman d'Epsom
1963年『地下室のメロディー』Mélodie en sous-sol

1965年『皆殺しのバラード』Du rififi à Paname
1967年『太陽のならず者』Le soleil des voyous
1969年『シシリアン』Le clan des Siciliens

1973年『暗黒街のふたり』Deux hommes dans la ville


【ご命日】

★ローレンス・ウエルク Lawrence Welk (1903.3.11~1992.5.17)



アコーディオン演奏者で「シャンペン・ミュージックの王様」と呼ばれたアメリカのバンド・リーダー。
主な演奏曲に『夢のカルカッタ』『子象の行進』などがある。