小動物が媒介の可能性 青森・鳥インフルの1例目
食用アヒル(フランスカモ)を飼育している青森市の農場で高病原性鳥インフルエンザが発生した問題で、農林水産省は5日、1例目の農場に関する感染経路や原因について、「断言はできない」としながらも、ネズミなどの小動物が家きん舎内にウイルスを持ち込んだ可能性があることを明らかにした。今後複数の調査を行い、原因の特定などを進める。
都内で同日、疫学調査チームが11月29日に現地で行った調査の概要を公表した。
調査では、農場管理人らが家きん舎に出入りする際の長靴や、軽トラックなどの資材を消毒するなど、農場で衛生管理を実施していたことを確認。
家きん舎の周囲を二重の金網で囲んでいたほか、ネズミ対策のわなを仕掛けるなど、野鳥や野生動物対策を複数講じていたことも分かった。
一方で、アヒルが死んでいた家きん舎の近くにカモなど野鳥が飛来するため池や沼があり、家きん舎の基礎部分には、小型の野鳥や小動物が侵入できる最大幅約5センチ、長さ約40センチのひび割れがあったことが判明。舎内では、ネズミの死骸も見つかった。
鳥インフルエンザは一般的に、野鳥などがウイルスを持ち込んだり、人や物、小動物の媒介で感染したりするケースが多いことから、今回も同様の原因で発生した可能性があるという。
農水省は「飼養衛生管理基準には抵触しない」としたものの、「発生予防措置など各種対策は取っていたが、一部に不足があった」と指摘。近くの系列農場のほか、全国的にも高病原性鳥インフルエンザが発生していることから、複数の調査を重ねて原因を究明し、来夏にも報告書をまとめる方針を示した。
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