輸入パクチーやサラダで!腸に寄生するサイクロスポラ 米国で再びアウトブレイク
米国南部テキサス州では、2カ月近くの間で寄生虫サイクロスポラ症の患者が56人報告されており、州保健局(TDSHS)は「集団感染(アウトブレイク)」だとして感染源の特定を急いでいる。
今月2日、テキサス州の保健局は今年5月上旬以降、サイクロスポラ症を発症する患者が相次いでいて、これまでに56人の感染が確認されたと発表した。
日本国内ではあまり聞き慣れない病名だが、サイクロスポラとは寄生虫を含む糞便で汚染された水や野菜で感染する病気で、ヒトからヒトへは感染しない。
熱帯や亜熱帯地域で一般的な病気だが、米国やカナダでは、ベリー類や野菜などの生鮮農産物による感染が多く、2013年にはテキサス州やアイオワ州など25州で643人の患者が報告されたほか、2017年にもテキサス州で319人が感染。
感染すると、数日から数カ月間にわたって非常にゆるい水様性の下痢が続き、食欲不振、疲労感、体重減少、腹部のけいれん、嘔吐などの症状が現れる。
2013年の集団感染ではメキシコ料理のレストランで提供されたサラダに入っていた生のパクチー(コリアンダー)を使ったサルサソースが原因だと推察され、追跡調査の結果、このパクチーはメキシコから輸入されたものであることも判明したが、テキサス州の患者と、アイオワ州とネブラスカ州のレストランで食事した患者とでは関連した食品が異なっていたという。
国立感染症研究所の報告によると、米国のアウトブレイクは、春から夏にかけての発生が多く、さまざまな地域で作られた異なる生鮮農産物が原因になっているという。
米疾病予防管理センター(CDC)は先月19日、ミネソタ州とアイオワ州、ミシガン州など4州で78人がサイクロスポラ症に感染し、いずれの患者もデルモンテ社製が製造したブロッコリーやカリフラワー、ニンジンなどの生野菜が入ったサラダパックを食べた疑いがあると発表している。