私の愛車。「ポルテ」
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TOYOTAのクルマだ。
何より助手席側の大きなスライドドア。ここから運転席だって後部座席にだって自由に行き来ができて最高に使い勝手が良いクルマだった。
手放す日が決まってから、何度お礼を伝えたことか。それほど愛着があるし感謝している。
時々イラついてクルマのドアを強く閉めることがあった。乗り込んだ瞬間大泣きしたことも。大声で歌ってみたり、独り笑いしたり。感傷的な朝はラジオからの音楽で涙をこぼし、悔しい思いをした仕事帰りに思い切り暴言吐いたり。プレゼンの練習だってクルマの中。
父の病院に通った月曜日、クルマを走らせながら見た景色のこと。毎朝大きな窓から見える煌めく海のこと。
一人でマックでバリューセットを買い堤防沿いにクルマを停めて助手席をバタンと前に倒すとテーブルに。極上の思い出。
それに国道がやけに空いていて思い切り走ってみよー!とスピード上げたら白バイが追ってきたこともあったよね。
不妊治療に通ったのも、産後病院に迎えにきてくれたのもキミだった。
今の家に引っ越す前、アパートに住んでいたときのことも知ってるね。
数えきれない日々を共に過ごしてくれた愛すべきクルマ。
今、別れのときがきた。
キミと走った距離。
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何と13年間一緒にいた。
この間私に起きたことをすべて知っているクルマだ。ありがとう。
愛犬、愛読、愛人、愛車。
愛がつくのは本人にとってかなり身近な存在でしかないわけなので、このポルテ号は私にとって間違いなく愛車だった。ありがとう。
cocchiy