ANAグランコート名古屋のオーキッドガーデンで、偶然私の作品をご覧になって
このブログを見ていただいた方や、あらためてこの作家はどんな感じで作品を作って
いるのかな?と思われた方のために、今日は私が自宅アトリエここるぴあで
どんなふうに紙を漉いて作品を作っているのか、ご紹介します![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0198.gif)
まず、原料の楮(こうぞ・木の皮です)を水に2晩さらします。
その間、何度も何度もバケツの水を替えます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/19/be38f768a8aa26aae782d1f2e589403c.jpg)
そしたら鍋に入れて約2時間、ことこと煮ます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/59/acfd7ba0c3fe31254f0a14ae969eef64.jpg)
うちではパスタ鍋を使用しているので、1回に楮100gずつ煮ます。
煮上がったら鍋ごと新聞紙と毛布でくるんで一晩置きます。
翌朝、水にさらしてアク抜きをし1本ずつ水の中でチリをとります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/3f/9c66626c27631a8585b6acb757f84c5d.jpg)
↑ ココちゃんと(2007年) ↓ るーちゃんと(2012年)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/01/2f4ce7a62df3c0035b433eca0f5aa8d7.jpg)
カメラを向けられるのが気に入らないようで、どちらも少し不機嫌な表情ですね。
ちなみこの二人は会ったことがありません。ココちゃんが天国に旅立ってから、
約1年半ことりがいない時期がありました。その間にできた本が『ことりの
ココちゃん』で、それをきっかけにるーちゃんがうちにくることになったのです。
そのあと、繊維をほぐすため石の板の上で角材で叩きます。大体2,3時間くらい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/8c/eab337b8ff132628b0c131c02d56a68e.jpg)
ほぐしてホワーっと綿状になった繊維を水に混ぜ、たくさんたくさんかき混ぜ、
そこにトロロアオイの根から採った粘液を入れてかき混ぜます。それをアミや
竹簀に流しこみ紙を漉いていきます。トロロアオイの根は、前日には叩いて
水につけておきます。うちはそれをそのまま冷蔵庫へ入れてます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/e4/40216ca65e00b62fac800679c29e11f8.jpg)
↑ アミにボールから流し込んだり
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/bf/b4a1386c20a8870b45801cb571339d69.jpg)
↑ 混ぜた原料に竹簾を入れて何度もすくったり
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/c8/9a4a7f228f72896ed9e15511314484e8.jpg)
大きい網はベランダやお風呂場で漉きます。
うちでは仕事をしていると、いつもことりが飛んできて、じっと見ていたり、るーは
肩に乗って「なおちゃん大好き、なおちゃん大好き!」とささやくので大変です。
写真は撮れないけど、頭にぴあくん、左肩にるー、右肩にぷるが乗っていることも!
↓ これはぷるがヒナの時、左がぷるで右がるー
るーママにごはんをねだっています
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/81/a3869160a9055a09f11b9fb8fe0ba2e2.jpg)
色を染めるときは
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/cc/d4ce547bf29578e6007dc32a7c1f5473.jpg)
紅茶や、アカネや、スオウ、カモミールなどを煮だして染液を作り、叩いた楮の繊維を
入れて30分くらい煮込んでから、みょうばんの溶液に20分くらいひたして媒染し、
その後、染液に戻して火からおろし、冷めるまでそのまま置いておきます。
それを、トロロアオイの粘液と混ぜて上記と同様に漉きます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/95/b185cd28fdd8e1272939c6e4550364b3.jpg)
そして、ベランダや室内で乾かすのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/39/3ace947eeb7bbc5e39fecb06a6107b85.jpg)
大きい紙はある程度乾くまでは外に出しておきたいので、雨が降ると出せないため
急いでいる時は困ります。
乾いたらアミや、張り付けていた板から剥がして和紙のできあがりです。
「今日は天気がいいから紙でも漉こうか!」と思っても最低3晩の準備をしていないと
できません。そして、それぞれの工程に手間と時間がかかります。素材となる紙が
できるまでが大変なのです。
それを、切ったり縫ったり印刷したりして作品に仕上げます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/b1/99cfa57f6c8c0cf7260e59ef9dee1478.jpg)
これは今回のルイボスティーのバッグのあかりの部品を縫っているところ。
左腕にはるーちゃんが乗っています。
写真の作品などにする紙は、プリンターでの引っかかりを少なくするために
こんにゃく糊を表面に塗る時もあります。貼り付ける糊も自分で作るので、
今回の制作に追われている時には、右手で貼りつけるためのしょうふ糊を、
左手でこんにゃく糊を同時にかき混ぜたりしていました![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0199.gif)
印刷や製本などの仕上げの段階でアクシデントがおこると、はぁ~とため息が出て
しばらく茫然としてしまいます
また、紙づくりからやり直しです。
本を作る時は印刷の段階で3分の1がダメになってしまったこともあります。
余談ですが、キッチンがメインの作業場になるため、基本的にはその時期は
あまり凝った料理はできません。それどころか、食事は簡単なものを立ったまま
食べることも少なくない状態です。特に作品展の前や締切に追われている時は
緊張や興奮で食事がのどを通らなかったり、作品のことばかり考えてぐっすり
眠れなかったり、まさに身を削って作っています。
でも、やめられないのです
このブログを見ていただいた方や、あらためてこの作家はどんな感じで作品を作って
いるのかな?と思われた方のために、今日は私が自宅アトリエここるぴあで
どんなふうに紙を漉いて作品を作っているのか、ご紹介します
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0198.gif)
まず、原料の楮(こうぞ・木の皮です)を水に2晩さらします。
その間、何度も何度もバケツの水を替えます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/19/be38f768a8aa26aae782d1f2e589403c.jpg)
そしたら鍋に入れて約2時間、ことこと煮ます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/59/acfd7ba0c3fe31254f0a14ae969eef64.jpg)
うちではパスタ鍋を使用しているので、1回に楮100gずつ煮ます。
煮上がったら鍋ごと新聞紙と毛布でくるんで一晩置きます。
翌朝、水にさらしてアク抜きをし1本ずつ水の中でチリをとります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/3f/9c66626c27631a8585b6acb757f84c5d.jpg)
↑ ココちゃんと(2007年) ↓ るーちゃんと(2012年)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/01/2f4ce7a62df3c0035b433eca0f5aa8d7.jpg)
カメラを向けられるのが気に入らないようで、どちらも少し不機嫌な表情ですね。
ちなみこの二人は会ったことがありません。ココちゃんが天国に旅立ってから、
約1年半ことりがいない時期がありました。その間にできた本が『ことりの
ココちゃん』で、それをきっかけにるーちゃんがうちにくることになったのです。
そのあと、繊維をほぐすため石の板の上で角材で叩きます。大体2,3時間くらい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/8c/eab337b8ff132628b0c131c02d56a68e.jpg)
ほぐしてホワーっと綿状になった繊維を水に混ぜ、たくさんたくさんかき混ぜ、
そこにトロロアオイの根から採った粘液を入れてかき混ぜます。それをアミや
竹簀に流しこみ紙を漉いていきます。トロロアオイの根は、前日には叩いて
水につけておきます。うちはそれをそのまま冷蔵庫へ入れてます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/e4/40216ca65e00b62fac800679c29e11f8.jpg)
↑ アミにボールから流し込んだり
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/bf/b4a1386c20a8870b45801cb571339d69.jpg)
↑ 混ぜた原料に竹簾を入れて何度もすくったり
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/c8/9a4a7f228f72896ed9e15511314484e8.jpg)
大きい網はベランダやお風呂場で漉きます。
うちでは仕事をしていると、いつもことりが飛んできて、じっと見ていたり、るーは
肩に乗って「なおちゃん大好き、なおちゃん大好き!」とささやくので大変です。
写真は撮れないけど、頭にぴあくん、左肩にるー、右肩にぷるが乗っていることも!
↓ これはぷるがヒナの時、左がぷるで右がるー
るーママにごはんをねだっています
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/81/a3869160a9055a09f11b9fb8fe0ba2e2.jpg)
色を染めるときは
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/cc/d4ce547bf29578e6007dc32a7c1f5473.jpg)
紅茶や、アカネや、スオウ、カモミールなどを煮だして染液を作り、叩いた楮の繊維を
入れて30分くらい煮込んでから、みょうばんの溶液に20分くらいひたして媒染し、
その後、染液に戻して火からおろし、冷めるまでそのまま置いておきます。
それを、トロロアオイの粘液と混ぜて上記と同様に漉きます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/95/b185cd28fdd8e1272939c6e4550364b3.jpg)
そして、ベランダや室内で乾かすのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/39/3ace947eeb7bbc5e39fecb06a6107b85.jpg)
大きい紙はある程度乾くまでは外に出しておきたいので、雨が降ると出せないため
急いでいる時は困ります。
乾いたらアミや、張り付けていた板から剥がして和紙のできあがりです。
「今日は天気がいいから紙でも漉こうか!」と思っても最低3晩の準備をしていないと
できません。そして、それぞれの工程に手間と時間がかかります。素材となる紙が
できるまでが大変なのです。
それを、切ったり縫ったり印刷したりして作品に仕上げます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/b1/99cfa57f6c8c0cf7260e59ef9dee1478.jpg)
これは今回のルイボスティーのバッグのあかりの部品を縫っているところ。
左腕にはるーちゃんが乗っています。
写真の作品などにする紙は、プリンターでの引っかかりを少なくするために
こんにゃく糊を表面に塗る時もあります。貼り付ける糊も自分で作るので、
今回の制作に追われている時には、右手で貼りつけるためのしょうふ糊を、
左手でこんにゃく糊を同時にかき混ぜたりしていました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0199.gif)
印刷や製本などの仕上げの段階でアクシデントがおこると、はぁ~とため息が出て
しばらく茫然としてしまいます
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0202.gif)
本を作る時は印刷の段階で3分の1がダメになってしまったこともあります。
余談ですが、キッチンがメインの作業場になるため、基本的にはその時期は
あまり凝った料理はできません。それどころか、食事は簡単なものを立ったまま
食べることも少なくない状態です。特に作品展の前や締切に追われている時は
緊張や興奮で食事がのどを通らなかったり、作品のことばかり考えてぐっすり
眠れなかったり、まさに身を削って作っています。
でも、やめられないのです
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0150.gif)