ANAグランコート名古屋のオーキッドガーデンで、偶然私の作品をご覧になって
このブログを見ていただいた方や、あらためてこの作家はどんな感じで作品を作って
いるのかな?と思われた方のために、今日は私が自宅アトリエここるぴあで
どんなふうに紙を漉いて作品を作っているのか、ご紹介します
まず、原料の楮(こうぞ・木の皮です)を水に2晩さらします。
その間、何度も何度もバケツの水を替えます。
そしたら鍋に入れて約2時間、ことこと煮ます。
うちではパスタ鍋を使用しているので、1回に楮100gずつ煮ます。
煮上がったら鍋ごと新聞紙と毛布でくるんで一晩置きます。
翌朝、水にさらしてアク抜きをし1本ずつ水の中でチリをとります。
↑ ココちゃんと(2007年) ↓ るーちゃんと(2012年)
カメラを向けられるのが気に入らないようで、どちらも少し不機嫌な表情ですね。
ちなみこの二人は会ったことがありません。ココちゃんが天国に旅立ってから、
約1年半ことりがいない時期がありました。その間にできた本が『ことりの
ココちゃん』で、それをきっかけにるーちゃんがうちにくることになったのです。
そのあと、繊維をほぐすため石の板の上で角材で叩きます。大体2,3時間くらい。
ほぐしてホワーっと綿状になった繊維を水に混ぜ、たくさんたくさんかき混ぜ、
そこにトロロアオイの根から採った粘液を入れてかき混ぜます。それをアミや
竹簀に流しこみ紙を漉いていきます。トロロアオイの根は、前日には叩いて
水につけておきます。うちはそれをそのまま冷蔵庫へ入れてます。
↑ アミにボールから流し込んだり
↑ 混ぜた原料に竹簾を入れて何度もすくったり
大きい網はベランダやお風呂場で漉きます。
うちでは仕事をしていると、いつもことりが飛んできて、じっと見ていたり、るーは
肩に乗って「なおちゃん大好き、なおちゃん大好き!」とささやくので大変です。
写真は撮れないけど、頭にぴあくん、左肩にるー、右肩にぷるが乗っていることも!
↓ これはぷるがヒナの時、左がぷるで右がるー
るーママにごはんをねだっています
色を染めるときは
紅茶や、アカネや、スオウ、カモミールなどを煮だして染液を作り、叩いた楮の繊維を
入れて30分くらい煮込んでから、みょうばんの溶液に20分くらいひたして媒染し、
その後、染液に戻して火からおろし、冷めるまでそのまま置いておきます。
それを、トロロアオイの粘液と混ぜて上記と同様に漉きます。
そして、ベランダや室内で乾かすのです。
大きい紙はある程度乾くまでは外に出しておきたいので、雨が降ると出せないため
急いでいる時は困ります。
乾いたらアミや、張り付けていた板から剥がして和紙のできあがりです。
「今日は天気がいいから紙でも漉こうか!」と思っても最低3晩の準備をしていないと
できません。そして、それぞれの工程に手間と時間がかかります。素材となる紙が
できるまでが大変なのです。
それを、切ったり縫ったり印刷したりして作品に仕上げます。
これは今回のルイボスティーのバッグのあかりの部品を縫っているところ。
左腕にはるーちゃんが乗っています。
写真の作品などにする紙は、プリンターでの引っかかりを少なくするために
こんにゃく糊を表面に塗る時もあります。貼り付ける糊も自分で作るので、
今回の制作に追われている時には、右手で貼りつけるためのしょうふ糊を、
左手でこんにゃく糊を同時にかき混ぜたりしていました
印刷や製本などの仕上げの段階でアクシデントがおこると、はぁ~とため息が出て
しばらく茫然としてしまいます また、紙づくりからやり直しです。
本を作る時は印刷の段階で3分の1がダメになってしまったこともあります。
余談ですが、キッチンがメインの作業場になるため、基本的にはその時期は
あまり凝った料理はできません。それどころか、食事は簡単なものを立ったまま
食べることも少なくない状態です。特に作品展の前や締切に追われている時は
緊張や興奮で食事がのどを通らなかったり、作品のことばかり考えてぐっすり
眠れなかったり、まさに身を削って作っています。
でも、やめられないのです
このブログを見ていただいた方や、あらためてこの作家はどんな感じで作品を作って
いるのかな?と思われた方のために、今日は私が自宅アトリエここるぴあで
どんなふうに紙を漉いて作品を作っているのか、ご紹介します
まず、原料の楮(こうぞ・木の皮です)を水に2晩さらします。
その間、何度も何度もバケツの水を替えます。
そしたら鍋に入れて約2時間、ことこと煮ます。
うちではパスタ鍋を使用しているので、1回に楮100gずつ煮ます。
煮上がったら鍋ごと新聞紙と毛布でくるんで一晩置きます。
翌朝、水にさらしてアク抜きをし1本ずつ水の中でチリをとります。
↑ ココちゃんと(2007年) ↓ るーちゃんと(2012年)
カメラを向けられるのが気に入らないようで、どちらも少し不機嫌な表情ですね。
ちなみこの二人は会ったことがありません。ココちゃんが天国に旅立ってから、
約1年半ことりがいない時期がありました。その間にできた本が『ことりの
ココちゃん』で、それをきっかけにるーちゃんがうちにくることになったのです。
そのあと、繊維をほぐすため石の板の上で角材で叩きます。大体2,3時間くらい。
ほぐしてホワーっと綿状になった繊維を水に混ぜ、たくさんたくさんかき混ぜ、
そこにトロロアオイの根から採った粘液を入れてかき混ぜます。それをアミや
竹簀に流しこみ紙を漉いていきます。トロロアオイの根は、前日には叩いて
水につけておきます。うちはそれをそのまま冷蔵庫へ入れてます。
↑ アミにボールから流し込んだり
↑ 混ぜた原料に竹簾を入れて何度もすくったり
大きい網はベランダやお風呂場で漉きます。
うちでは仕事をしていると、いつもことりが飛んできて、じっと見ていたり、るーは
肩に乗って「なおちゃん大好き、なおちゃん大好き!」とささやくので大変です。
写真は撮れないけど、頭にぴあくん、左肩にるー、右肩にぷるが乗っていることも!
↓ これはぷるがヒナの時、左がぷるで右がるー
るーママにごはんをねだっています
色を染めるときは
紅茶や、アカネや、スオウ、カモミールなどを煮だして染液を作り、叩いた楮の繊維を
入れて30分くらい煮込んでから、みょうばんの溶液に20分くらいひたして媒染し、
その後、染液に戻して火からおろし、冷めるまでそのまま置いておきます。
それを、トロロアオイの粘液と混ぜて上記と同様に漉きます。
そして、ベランダや室内で乾かすのです。
大きい紙はある程度乾くまでは外に出しておきたいので、雨が降ると出せないため
急いでいる時は困ります。
乾いたらアミや、張り付けていた板から剥がして和紙のできあがりです。
「今日は天気がいいから紙でも漉こうか!」と思っても最低3晩の準備をしていないと
できません。そして、それぞれの工程に手間と時間がかかります。素材となる紙が
できるまでが大変なのです。
それを、切ったり縫ったり印刷したりして作品に仕上げます。
これは今回のルイボスティーのバッグのあかりの部品を縫っているところ。
左腕にはるーちゃんが乗っています。
写真の作品などにする紙は、プリンターでの引っかかりを少なくするために
こんにゃく糊を表面に塗る時もあります。貼り付ける糊も自分で作るので、
今回の制作に追われている時には、右手で貼りつけるためのしょうふ糊を、
左手でこんにゃく糊を同時にかき混ぜたりしていました
印刷や製本などの仕上げの段階でアクシデントがおこると、はぁ~とため息が出て
しばらく茫然としてしまいます また、紙づくりからやり直しです。
本を作る時は印刷の段階で3分の1がダメになってしまったこともあります。
余談ですが、キッチンがメインの作業場になるため、基本的にはその時期は
あまり凝った料理はできません。それどころか、食事は簡単なものを立ったまま
食べることも少なくない状態です。特に作品展の前や締切に追われている時は
緊張や興奮で食事がのどを通らなかったり、作品のことばかり考えてぐっすり
眠れなかったり、まさに身を削って作っています。
でも、やめられないのです
ことり達が覗き込んでる姿、かわいいわぁ。
そうです。できあがった紙は愛おしくてたまりません。
だから、切れ端さえも捨てられず、とってあります。
昨夜はまたあのことろ親子が夜になってもカゴに戻らず
困っちゃった。
なんにせよ、かわいくてしかたないんだけどね!