ベッキーちゃんの話をします。
ベッキーちゃんは、勤めていたお教室の生徒さんです。
はじめて会ったのは、今から10年前。弟のJ君も一緒にパパとやってきたのでした。ベッキーちゃん、7歳、J君5歳のときです。
ベッキーちゃんはお母さんが病気で亡くなっていることをお父さんは淡々と話しました。私は、まだ子どももいなくて、結婚もしてませんでしたから、そんなに気構えず、おけいこが始まりました。
毎週毎週かかさず休むことなく通ってくれて、課題もしっかり取り組んでくれる模範的な生徒のベッキーちゃん‥、に対して、J君は楽しそうにしてるけど、ピアノに対してはどのくらいの気持ちがあるのか‥正直、よくわからないなぁ、と思って、ある日ベッキーちゃんに聞いたことがあります。
二人がピアノを始めようと思ったきっかけってなぁに?
すると、意外な答えが返ってきました。
「お母さんが、ここの音楽教室に通わせたいと思っていたんだって。」と。
私はそのとき始めて、なんとかピアノでしっかり一人前になってもらいたい、とどこかで思っていたのかもしれません。。。
ゆっくりでも、確実に上達していくベッキーちゃん、中学生になりたてでブルグミュラーに入った‥と言えば、ピアノを習ったことがある人からすれば、ゆっくりすぎるほどのペースです。
それでも、彼女のピアノの呼吸は人をひきつける何かがあって、よく別の先生からもことばをかけてもらっていました。
普段のレッスンでは、あたりさわりのない話題や学校のことを話したりして、特別お母さんがいない‥ということを感じることはなかったのだけど、一度だけ、あぁ、そうなんだなぁと思うことがありました。
ベッキーちゃんが「涙そうそう」を選んで弾いてくれたとき。
気持ちがとても入った演奏に、なんだか胸がいっぱいになったことがあります。
そうか、今一緒に暮らしてるお母さんはいないけど、今ここに見守ってくれてるお母さんは確かにいるんだなぁ、と思って。
今は、高校生2年生。中学3年生の卒業のとき、私がお教室をやめることになり、彼女は、ただただ泣くばかりでした。
私は、ベッキーちゃんは大人になって、別の先生でも充分楽しくやっていけると確信していましたから、なんの心配もなく、1年後の発表会は聴きにいくからね、と約束してお別れしました。
もちろん、その後、今年の3月に見に行き、はじめて観客席から彼女の演奏を聴いたのでした。弾き終わって、うまくいかなくって悔しい‥とまたうるうるしてましたが。。。
なんで、こんな話をしたかというと‥
うちの娘も今、7歳、5歳で、私はようやくベッキーちゃんのお母さんの気持ちになっていろんな事を考えられるようになったな、と思って。
お母さんは、二人のことがとてもとても心残りだったろうな、だから、いつもおけいこの時も一緒にいたんじゃないのかな、とか。私とベッキーちゃんの縁をつなげてくれたのは、間違いなくお母さんだった‥と思います。
ベッキーちゃんの弾くピアノの音色は、お母さんへの想いもぎゅうぎゅうに詰まっているし、お母さんからの愛情も深く感じることができるから、感動するんだろうとしみじみ思ってしまう。
今年度の発表会も、きっと見に行こうと思っています。
来年はもっともっと上手に弾けるようになるから、とメールをもらったので。
難関大学にチャレンジしようと思っている彼女にとって、もしかすると最後の発表会になるかもしれません。。
今から、とても楽しみにしてる私です。
ベッキーちゃんは、勤めていたお教室の生徒さんです。
はじめて会ったのは、今から10年前。弟のJ君も一緒にパパとやってきたのでした。ベッキーちゃん、7歳、J君5歳のときです。
ベッキーちゃんはお母さんが病気で亡くなっていることをお父さんは淡々と話しました。私は、まだ子どももいなくて、結婚もしてませんでしたから、そんなに気構えず、おけいこが始まりました。
毎週毎週かかさず休むことなく通ってくれて、課題もしっかり取り組んでくれる模範的な生徒のベッキーちゃん‥、に対して、J君は楽しそうにしてるけど、ピアノに対してはどのくらいの気持ちがあるのか‥正直、よくわからないなぁ、と思って、ある日ベッキーちゃんに聞いたことがあります。
二人がピアノを始めようと思ったきっかけってなぁに?
すると、意外な答えが返ってきました。
「お母さんが、ここの音楽教室に通わせたいと思っていたんだって。」と。
私はそのとき始めて、なんとかピアノでしっかり一人前になってもらいたい、とどこかで思っていたのかもしれません。。。
ゆっくりでも、確実に上達していくベッキーちゃん、中学生になりたてでブルグミュラーに入った‥と言えば、ピアノを習ったことがある人からすれば、ゆっくりすぎるほどのペースです。
それでも、彼女のピアノの呼吸は人をひきつける何かがあって、よく別の先生からもことばをかけてもらっていました。
普段のレッスンでは、あたりさわりのない話題や学校のことを話したりして、特別お母さんがいない‥ということを感じることはなかったのだけど、一度だけ、あぁ、そうなんだなぁと思うことがありました。
ベッキーちゃんが「涙そうそう」を選んで弾いてくれたとき。
気持ちがとても入った演奏に、なんだか胸がいっぱいになったことがあります。
そうか、今一緒に暮らしてるお母さんはいないけど、今ここに見守ってくれてるお母さんは確かにいるんだなぁ、と思って。
今は、高校生2年生。中学3年生の卒業のとき、私がお教室をやめることになり、彼女は、ただただ泣くばかりでした。
私は、ベッキーちゃんは大人になって、別の先生でも充分楽しくやっていけると確信していましたから、なんの心配もなく、1年後の発表会は聴きにいくからね、と約束してお別れしました。
もちろん、その後、今年の3月に見に行き、はじめて観客席から彼女の演奏を聴いたのでした。弾き終わって、うまくいかなくって悔しい‥とまたうるうるしてましたが。。。
なんで、こんな話をしたかというと‥
うちの娘も今、7歳、5歳で、私はようやくベッキーちゃんのお母さんの気持ちになっていろんな事を考えられるようになったな、と思って。
お母さんは、二人のことがとてもとても心残りだったろうな、だから、いつもおけいこの時も一緒にいたんじゃないのかな、とか。私とベッキーちゃんの縁をつなげてくれたのは、間違いなくお母さんだった‥と思います。
ベッキーちゃんの弾くピアノの音色は、お母さんへの想いもぎゅうぎゅうに詰まっているし、お母さんからの愛情も深く感じることができるから、感動するんだろうとしみじみ思ってしまう。
今年度の発表会も、きっと見に行こうと思っています。
来年はもっともっと上手に弾けるようになるから、とメールをもらったので。
難関大学にチャレンジしようと思っている彼女にとって、もしかすると最後の発表会になるかもしれません。。
今から、とても楽しみにしてる私です。