「音みる(音のみるふぃ~ゆ)」ブログ...♪

100名を超える音楽教室「音のみるふぃ~ゆ」のレッスンノート。また3人娘の子育て日記。

本番の意味

2024年03月19日 | ある日のレッスン風景
昨年、ショパンの英雄ポロネーズを弾いて卒業した男の子の話。

2年間同じ曲を弾いた。なぜそこまで英雄ポロネーズにこだわったのかは、わからない。

これを弾きたいと言ったのは、高校1年生の夏だった。旋律が好きだと言った。
かなりテクニック的にも高度な曲だし、それに伴う練習量が必要な曲だから、最初は躊躇ったのだが、揺るがない意志。

…「自主性を持って曲を選ぼう、赤ちゃんの頃から知ってる君たちだから、私は知ってる、できない曲はないから。その土台はもう君たちに充分あるんだよ」と常日頃言ってるせいか、私の教室のお子達は、大胆な曲を選ぶ子たちが多く、本番でも失敗しようがしまいが、関係なく楽しんでくる子たちなのだ。

大胆不敵な難曲にチャレンジする子も多いけど、そんなことできるのって限られた時間しかないから、私は許すことにしている。

さて、その彼は、練習を始めて数ヶ月経ってその曲で臨んだ本番、そこそこうまくいったと思っていたので、私は勝手に胸を撫で下ろしたのだが、また次の年も弾きたい!と言う。えーっ?と私もそのこだわりに驚いた。で、その訳を話してくれた。

高校受験は、自分の思ったところに通らなかったのだと言う。
(・・と言う彼が通う高校は、滑り止めと言っても、かなりレベルの高い国立だ)

受けてきた模試の結果からも余裕の学力、塾の先生たちからも合格は間違いない!とお墨付きで受験をしたのに、なのに、通らなかったそのショックは、大き過ぎて、しばらく立ち直らなかったと。

何がダメだったのか?敗因を自分なりに分析した。

いつも受ける模試は、いつも講義を受ける塾の教室だった。
受験会場は、もちろん目指してる高校の教室で、緊張感がまるで違った。
要するに環境に適応できなかった、、
解いていく感覚がつかめないままに、テストを終え、時は既に遅し。。
なぜたくさんの本番をいろんな状況でこなさなきゃいけないのか、私がそれまで言ってきたことがよくわかった、と。

そうか!だから戻ってきたのか!

受験の最中は半年ほどお休みをしていたが、そのままやめてしまうかなぁと思っていた生徒さんでもあった。

高校に入っても、音楽室のピアノを借りたりして、ずいぶん頑張るなぁとは思っていたんだよね。

「一度成功体験をしないと、僕は大学受験に自信が持てない」と。

そんなわけで、高校2年生の時もさらに本番を2回こなして。。

徐々に良くなりつつもあったが、1つ言える事は、、頑固なんだよなぁ、私がこっちのやり方をやってきてと提示しても、どうしても自己流になりがち、まぁ、その話も本人にしたけど。

とにかく、同じ曲で3回本番をこなして、自分なりに納得して卒業した。

何でもそうだけど、いろんなことに気付く機会が大事。

本人が気づければ変われる。そのチャンスは若いうちに多い方が良いと思っている。

ピアノは、パフォーマンスだから、人前で弾く機会は大切なんだね。
時間芸術は水物だから、積み上げるのも大変なんだけど。

さて、春のコンサートまで残り1週間、今回の発表会は大きい子たちなので、演目も大きい。とにかく、やり切った、と思えるためには、試弾の場も必要。

写真は、一昨日のリハーサル風景。
一度、自分を信じて弾いてみる。できなかった事はまた手を加える。ただその繰り返し。

うまくいかない時もある。でも腐らずやるって言う。ただそれだけ。

明日は2回目のリハーサル、です。

1週間後は、桜が咲いてるかな?


















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