「音みる(音のみるふぃ~ゆ)」ブログ...♪

100名を超える音楽教室「音のみるふぃ~ゆ」のレッスンノート。また3人娘の子育て日記。

集中と喜び

2014年02月26日 | 日記
2〇年前の2月終わり、私は頭を抱えていた。

音大受験2日目にして、失敗をしたのです。

間違いようのない、自信を持って臨んだ「ベートーヴェンのソナタ」だったにも関わらず
ミスをした。

その日は、この世の終わりだ、、、と。。。


付属の音楽教室に入れて頂いて以来、目指していたのももちろん、音大進学。

6年越しの思いを持って臨んだ、というあたり、オリンピック選手のそれとそう変わりはあるまい。。

私は、当時(今も?)演奏に相当のむらがあり(あれ?まるちゃん?)弾けるときと弾けないときの差が激しかった。。
コンスタントに100点満点の演奏しているかのように見える子も大勢いる中で
出来の悪かった時は、先生と二人で「どうしましょー」となるのでした。

それでも、受験に向けて「できる時の波に乗れたら大丈夫でしょー。できない時??考えない考えない。
出来なかったときはそれも人生と思って!」とお教室の先生に励まされてました。

当時の私は、もし無理だったときに「それも人生と思って!」なんて
もちろん考えられませんでしたから、相当、落ち込みました。

2日後のショパン演奏試験までに立ち直れるのか否か。。
(試験日程は5日間ありました。)

それこそ、浅田真央ちゃんの気持ちがわかる、、
当時を思い出した今回のオリンピック。


終わってからの3日間、私は混乱していました。

次を落としたら後がないにも関わらず
何故、私はこんな大事なところで失敗するの??と自分への腹立たしい気持ち。

ベートーヴェンよりテクニックの難しいと思われるショパンエチュードでうまくいくはずがないと思う気持ち。

試験前日、トリプルアクセル並の難しい個所をいくら練習しても、
焦る私には上手に弾けてないように感じる。。

いろんな思いが交錯し完全に行き場をなくした私は、先生に電話で泣きついたりもした。
「たぶん、無理です。どんなに弾いても全然うまくないんです…」

当時、お教室の先生とは別についていた教授には、
「あーた、明日うまくいかないかも、なんて泣き言言うために、この忙しい私に
わざわざ電話してきたの?当然、100パーセント力を出しきらなければ無理よ」と言われるにきまっていて
(実際はそんなこと言いませんが…オーラがね)泣きつくことすらできなかったのですが。。

その教授が私の弾く部屋に入るらしいという情報まで入り、すっかりおびえる私。
逃げ出したいと、散々練習したのになんでこんなことになってるのか、とひたすら考えました。

で、その後、結果どうだったかって?
それが…ものすごく良く弾けたのです。

よく晴れた日で。気持ちはしーんとしていた。
前日までの大きな不安の渦にのまれている感じはもうしなかった。

試験会場には、友人がいて。
私が試験部屋に入るその組のトップバッターに弾く子がその子だった。
私は最後から2番目だった。

腹をくくるっておそらくこういうことをいうのだろう。

直前に案内された練習室で、私は一度も試験曲は弾かず、ひたすら音階練習とイメージトレーニングに徹した。

試験の部屋に入り、先生の姿を確認。
張りつめた緊張感の中、友達が弾き始めたエオリアンハープをぼーっと聴いていた。
その音色と教室を照らす日差しの温かさに、不思議と気持ちが落ち着いた。

そして、自分の番。
弾き出してからその日差しの中に自分がいるんだと思ったら、嬉しくなった。
ひとつひとつの音を正確にきちんと。
と思う気持ちでものすごく集中していたと思う。

結果はいいや。

たとえ落ちても悔いはないや。

ここまで連れてきてくれた先生にいい演奏をしよう。

ピアノ、やってて良かった。

などなど、たった数分ですが、いろんな幸せなことを一気に思った。

たぶん、ミスはなかったと思う。

弾き終わり、部屋を出た途端、1番目に弾いた友人が私に駆け寄り
「感動して涙が出たよ。本当にびっくりした!」と言って来てくれたこと、
それも驚いた。

自分もかつてないほどに、集中して弾けたけど、聴いていた人にも伝わったのかな??

その夜、教授に試験の出来を確かめたくて電話したら
少し間があった後、あなた、とても良かったわよ、と言ってくれた。

それで確信したのです。あの時、確かに私は何かに操られるかのように弾いて、
光の中で弾いた気分で、そしてそれを聴いていた人も同じように惹きつけられるんだ!
ということ。

こういうことって起きるんだ。

その出来事は、私のその後の、到底楽じゃない「ピアノ人生」を支えてることは言うまでもないでしょう。

そういう経験をいつかしてほしい、と生徒さんの本番の度に思う。

本当に、あの時、「生きるってスゴイ!」と思ったよ。
あの感触を味わったら、次もまた!って思って。
(でも、そこまでの極限状態に自分を追い込むのは、至難の業なのでした。)

今回、まおちゃんのフリーの演技を見ながら、私とは次元が違いすぎるのわかっていながら
書かずにいられなかったのです。
思わずあの時の感動がよみがえり。。



・・え?土俵が違いすぎるって?(笑)
大目にみてやってください。(笑)


メダルと書籍

2014年02月18日 | 日記
葛西選手の銀メダルが文句なしに嬉しかった昨日。。

金メダルを逃したのが20年前って聞くと、うそーと思うけど、もうそんなになるのですね。

長―いながーい道のりだったろうな~…。

ついつい応援したくなるのは、いい成績を残しつつ自分の引き際をわかって、潔く引退してしまう選手よりも
いやまだできる!と、努力し続けてるこういう選手ではなかろうか・・。

ドラマ、ですね。

私、モーツァルトよりもベートーヴェン派です(笑)。

大器晩成。

さて、私はそんな葛西選手の足元にも及びませぬが・・。




選んでくださったヤマハミュージックメディアの方に感謝。


それにしても、日々鍛錬を積んでいるこんなに豪華な講師陣の中にうっかり迷子のように入っているわたくし。。

取材は、N先生と私で、ほぼ雑談、コントのように終わったのでした(笑)。

それを素晴らしくまとめてくださっていて、ホント、プロの技ってすごいわー。

去年、音大の大学院に行った生徒さんが
「先生と出会ったころと同じ年齢になりました」と年賀状をくれました。

暮れには、今年就職する元生徒さんと一緒にお酒を飲む機会があり、
2人で驚きました。

NYでアーティストとして活躍している元生徒さんも。

そっか~。。お教室を始めていつの間にか17年も経っているんだね。
(こりゃ時間だけは葛西選手とはれるね。)

こんな風に本の中にポンと入れていただいて、良い記念になりました。

2月20日発売だそうです^^。















雪とワークショップ

2014年02月11日 | 日記
今年は勉学に勤しむべし、
という神のお告げ通り(注:ただのおみくじ)、
本日は、あーちゃんと一緒に親子で参加できる脳科学的なワークショップへ。。

空間を意識して動く、というのは、リトミックさながら…でも音がないぶん、
五感を働かせてやってみた。

感覚を研ぎ澄ませるって、全神経を集中させてって難しい。

なんとなんと、目をつぶって、人にぶつからないように歩くのです。

でも、大人って慎重。
特に40代前後の年齢って自分のテリトリー、縄張りに侵入されることに敏感で、
人が入ってきた感覚を子どもよりも察知しやすいと。

でも、そういう時、私ってうっすら目を開けちゃうんだよね(笑)。
真剣にやんなさいよと自分を叱るも、ちらりとあーちゃんを見たら、
やっぱり、うっすら目を開けていた(笑)。

親子だね。。

さて、雪、積もりましたね^^。

どうしようかな~と悩んでいるうちに、あれよあれよと生徒さんはちゃんと来てくださって、
しかも、吹雪いているもんだから、みんな雪だるま状態(゜д゜)!。

さすがに午後は無理でしょー、振替日を設定してどちらでもどーぞ、とメール。

でも、みんな楽しそうにやってくる。
確かにあの日、まるちゃんとあーちゃんも学校があり、
帰ってくるなり、「いそがしいそがし」と完全防備ですたこら家を出て、
夕方まで帰ってこなかったけど…
生徒さんみんな、すごいガッツだ(笑)。

誰も風邪引いてないよね??

次の日は、そこらじゅうに雪だるまがありました♪




あーちゃんも作る。

そして、私があーちゃんとワークショップで体張ってる間、
まるちゃんは、合唱部の最後の公演、遠出で府中まで。

帰りの電車は、貸し切りで。(うそ)



まるちゃんも、3年生からたくさんの舞台に立たせていただきました。
6年生の部員はこのたったの3人!…よく生き残ったね~(笑)。。

まるちゃんが、いきいきと大きな口を開けて歌っている姿を見るのは大好きでした(^^)

今日参加させていただいたクラスはとてもすてきだったけど、
みんなで歌ったり、楽譜追いかけたり、音楽することって、
一番、脳にいい気がする、けどね?






まるちゃん、今日も行く!

2014年02月06日 | 日記
次女まるちゃんは、よくいえばピュア、悪く言えば傍若無人、
自由奔放な性格は、考え付かないことをしでかし、
親である私たちは、そのたびに頭を抱え、人様に詫びたり
この6年間、いろいろとありました。。。

キッチンのおたまかかえて、公園の川の中でじゃぶじゃぶしてみたり(これ、つい最近)
家の中の綿棒の先についてる綿をぜーんぶ取ってみたり、
タオルかけにぶらさがり、破壊してみたり
うちの床にでかでかと女の子の絵を描いたりしたこともある。

ピアノのお稽古中は「眠くなったから(先生の前で)寝ちゃった」ことは度々あり、
学校でも1年生の時に、「いつの間にか校庭にいた。授業中だったから教室からみんなが呼んでいた。」と
びっくり仰天ニュースを聞かされたことも。

数々のエピソードをここでも披露しましたが。単学級で6年間、ここでは言えないようなことも数知れず…。

そして、お勉強、大嫌い。
やりたくないことはとことん「逃げる」まるちゃん。

4年生の時は保育園に通うあーちゃんを見て
「保育園っていいなー」「漢字テストなくってさー」と本気で言っていた。

今となっては、6年生のまるちゃんと1年生のあーちゃん、肩を並べる間柄。
外見は大きくなったが、たまにすごく幼いところがある。

誰みたい?そうだ、「リボンの騎士」に出てくる、いたずら天使のチンクだ!!
えーんえーん、地上に降ろされちゃったよー、羽がないから飛べないよう。

そんなチンク(注:まるちゃん)をいつも見守ってくださったのは、担任の先生たち、
お稽古ごとの先生たちだ。
毎年先生には恵まれて、どんな辛い目にあっても先生のお力添えでくぐり抜けてきた。


で、中学。

このままおねえちゃんと同じ地元の中学に進ませていいものだろうか。。
同じお友達とまた一緒。
3年後には、高校受験がやってくる。
内申でいい点とれるとも思えない。
下手すりゃ「高校行かない」と言い出しかねない。(言ってました。。受験中)

でも、私にはないものを持っていて、ハートマークや絵文字を使った作文を書いて、
これはまずいだろーと思ってたら、その作文が区の作文コンクールで入選したり
(もちろん赤がたくさん入りましたが)
「自転車載るならヘルメットかぶろー」というポスター応募に、はりきってせっせと描いて
ぎょっとするような不気味な絵を完成させたのち、「怖い」と思っていたら
なんだか公の場に飾られてたり、・・・・・・私にはちょっと、いや、まったくわからない。

だから、可能性はあるんだよなー。きらりと光る何かを持っている。
環境を変えてあげたら何か変わるかもしれない。


そんなわけで、まるちゃんの進路。
一昨年あたりから、常にひっかかっていた懸案事項だったわけです。

 持論。 その子に合ういい先生にめぐりあえたら、子どもは伸びる。

うーん。うーん。とうなっていたら、去年、おねえちゃんの用事でいった高校説明会で、出会ってしまいました。

ある校長先生に。

おねえちゃんだったらここの学校は行かないだろう。でも、まるちゃんなら…!!!
とまさに、運命の出会いだったわけですが、・・・心配なことが。

今さら受験勉強、するだろうか・・"(-""-)"

やっと重い腰をあげたのが、11月。
うそでしょー?ここから間に合うのかなー。
半信半疑。

しかも、相当の勉強嫌いと来てる。
まぁいいか。やるだけやって、ダメもとで。

そんなわけで、私、自分はずっと公立で来たので、まったくやり方も知らないまま
チンク(注:まるちゃん)受験することと相成りました。

大人になった生徒さんに勉強を教えてもらったり(最後まで叱咤激励、本当に感謝でした~)
とにかく学校に通って、校長先生に名前を覚えてもらい(笑)
いきなり予備校に通ってみたり(でもやっぱり逃げ出しそうになったのでした)
3回受けた首都圏模試は、それはそれは散々な成績で、史上まれにみるすっごい点をはじきだし
(ホント、びっくりした。)親子ともども試行錯誤。

で、受験当日。思いもよらず緊張していたまるちゃんは、
1回目、2回目の試験、と見事に大破。ひゃー。

でも、発表見ても「番号なかったよー。」と明るかったので、そんなものかと思っていた。
「明日も受けに行くのやだー」とぶーぶー。

親の心、子知らず?

3回目の受験。疲れ切ってるまるちゃんを連れて行くのも、どうなのよ?私。
しかも、同じところに3度も。・・・なんだか受かる気がしない。

あれだけ勉強嫌いだというんだから、仕方ないのかな。。
でも、合うと思ったんだけどな。
環境を変えてあげることが大事だって、確かに思ったのにな。
それすらも、親のエゴかも。

悲しかった。自分だったら、自分のことなら、自分が頑張ればいいわけだが、
何せ、受験するのは子どもですから。

そういう状況を、仕事柄いっぱい見てきた。こんなに歯がゆいものなんだよなーって。

でも、発表までは気持ちを切り替えなくちゃと考えて。

そしたら、その午後の発表で。

自分でみつけました、やっと。自分の番号を!!
「あったよ~」って跳びはねて喜んでるまるちゃんを見て、
なんだ、やっぱり合格したかったんだー(T_T)。

家族でひとしきり喜んで、受験票をよく見たら、昨日は書いてなかった文字が。



すごく小さく書いてあった。合格の文字。
3回目の試験が始まる前に自分で書いたと。。
「よし!」と覚悟を決めたまるちゃんの絵が思わず浮かんだ。。。


2年生の時に算数のテスト中、さんすうきらいと小さく書いて消したらしい、
答案用紙を見て、その消したあとがまるちゃんらしくて、家族で笑った、その時と同じ文字で。


ほんと、コツコツやって向上心持って受験してっていう当たり前のことすらできないまるちゃんを見て、
うちの子は一体…と落ち込んだり、3人の中で一番ハラハラさせられる。
いつも崖っぷち、土壇場で難所を切り抜けるんだよね、この人は。

いやー、そんなわけで、無事に「春」を迎えました。

仕事ばかりで全然役立たずのおっかさんで、反省しきり、だけど、
この受験票、大切な私のお守りにします!
(おそらく当分チンク(注:まるちゃん)なので、やきもきすることは続くでしょうが、
これを見て元気を出そうっと。という意味で 笑)


チンク、まだ好きなようにやっていいんだよーと自由が許されていた日々の一枚。