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本当に必要な構造改革~1 蔓延するインチキ取引

2016年07月02日 18時52分43秒 | 経済関連
※3日朝
さっき読み直してみたら、おかしなことを書いているな、という部分があったので、一部削除しました。



昨今の経済統計の信頼性の低下というのは、かなり危機的である。日本の統計処理についても、GDP統計の速報値などでは、いかがわしい操作が疑われる数字が出たりしたこともあるので、非常に嘆かわしい限りである。


中国の統計数字は、どうも怪しいとか言うレベルではなく、日本であろうと、米国であろうと、データの捏造疑惑というのは付いて回るだろう。
米中の統計に比べれば、日本はまだマシということだとは思う。


平成27(2015)年度の国際収支が出ましたよね。

>http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/balance_of_payments/preliminary/bpfy2015.pdf


速報値なので、まだ今後に変動するかもよ、ということだとは思いますが、過去の傾向と異なっていることがありますよね。
それは、何だと思いますか?


経常黒字の額はそこそこだったのに、外貨準備が減ったということですね。これは、円安だったものが巻き戻って、円高になった為というのが最も考えられるかと思います。ただ、円高になったとて、外貨準備が増加してきたというのが、傾向だったわけです。
それから、誤差脱漏の額が、異様に大きい。経常収支の4割が誤差だと、統計の信憑性ってどうなんでしょうね。

以前だと2兆円程度だったように記憶していたのですが、随分とワケの分からん資金移動が増えたということですかね?


あんなに、米国が資金移動の監視を厳しくやって、過去最強の監視体制を敷いているというのに、電子化された今の方が、「帳簿の記載漏れ」が増えたとでも言うつもりなのでしょうかね?


原因が、米国さまの裏取引が活発になって、帳尻が合わなくなってる、ということであると、監視役が帳簿記載漏れの原因を生みだしているなら、ああそうかと頷けるものですけどね。これはまあ、いいですわ。


それから、金融収支ですがね、巨額の「対外投資」増加ということになっていますよね。直接投資16.3兆円、証券投資約30兆円です。これらは、日本円を外貨建資産購入の為に外貨を買った、ということを意味しており、円売の純流出額が24兆円以上あった、ということです。海外からの対内投資(円買い)をはるかに超える、2倍程度の円売りがなされたにも関わらず円高になったのだ、ということ。





それから、対外資産の統計ですね。

>http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/iip/2015.htm


この一覧表も大変勉強になるわけです。

まず、2015年度は海外勢は株式を売り越していましたよね?東証把握のデータからでも、3兆円以上、日銀統計でも4.2兆円の「売り越し」だったはずなのですね。


ところが、です。
平成26年度と27年度の差額で見ると、海外勢の株式保有残高は、明らかに増加してますね。その額、何と17兆7560億円!

その主体は、銀行や証券会社(その他金融機関)などではなく、「その他」なんですよ!これって、誰だか分からないわけです。租税回避地ということなのかもしれませんが、正体不明の部分に、殆どを買われて、持たれている、ということです。ヘンだと思いませんか?


東証では売り越されているのに、その預かり知らない場所で、どういう取引がなされているのか不明なのに、もっと持ち高が増えているのですよ?海外市場で上場している企業とかの分が、162兆円分もあると言うのでしょうか?どんだけ巨額投資しているんだ!


しかも、円高になったにも関わらず、16兆円も持ち高が増えている!どうやって買ったの?どこで?
円高になった分だけ、買い越し額がないと、為替変動の分だけで10兆円以上は目減りする。株価値上がりがあったにせよ、日本企業でそんなに時価総額の大きい企業群はない。しかも、時価総額上位企業は、殆どが大幅に株価が下がった。

なので、為替の円高の分+株価下落分を、まるまる「日本株買い」に投入しないと、昨年度末より16兆円も増やすことなど不可能なのです。


円の巨額資金を海外に持っていて、円買いをすることなく日本株をこれほど買い越せる存在って、誰かいるのか?日本政府?(笑)
「その他」という、謎の覆面投資家が、日本株を160兆円以上も保有しているんだぞ?民間投資家を装った政府機関とか?
誰なんだよ、それは。


因みに、主に日本国債(短期、中長期、財投債等)を昨年度に最も購入したのは、海外の一般政府であり、約16兆円買い越している。


それにしても、海外金融機関の売った額がこの程度でしかなくて、こんなに巨額の日本株買い越しだったなら、相場がこれほど下がるというのは考えられないだろ。2013年に個人投資家や国内金融機関が数兆円を売っていたものの、海外勢が15兆円買い越したということで、株価指数が上がったんだぞ?

なのに、海外の謎の覆面投資家「その他」が20兆円以上は軽々と買い越しても、大幅に相場が下がるのはおかしいでしょう。市場外取引が、デタラメ級に存在してないと、あり得ないですね。しかも、日本の投資家達が、そのようなインチキ紛いの取引が海外で行われており、東京市場とは全く別の独立した価格形成となっている、ということで、その情報は全く閉じられており、あり得ない取引が可能、ということでしょうな。


それから、国際収支とは異なり、こっちの外貨準備高は、2兆5270億円のマイナスになっていますね。政府の損失が最大で、約2兆円のマイナスを食らいました、とさ。まあ円高になれば、そうなるわな。



あと、資金循環を見ると、やっぱり毎年海外への資金流出が観察されており、その規模は、

2011年  14兆円  
2012   26.9
2013   12.7
2014   23.3
2015   17

だった(日銀資金循環)。

つまり、対外投資がこれだけ毎年上回っていたということであり、日本株買い(円買い)要因というのは、どこにも見出せないわけである。


日本の統計がおかしいのか?

それとも、もっと別の何かが狂っているのか?


当然、疑われるのは、為替市場の不可解な動きである。
東証が大幅に下げた上に円高だったにも関わらず、株式資産残高が16兆円も増やせる投資主体が、どうやってそれを実現できたのか?株券を直接手渡しとか、株券を盗んだとか、それくらいしか思いつかないが。



世界の外貨準備高膨張は何故生じたか?

2016年06月17日 14時15分26秒 | 経済関連
国際収支の基本式が変更になってまだ日が浅いので、旧式の考え方で説明しますが、悪しからず。
お馴染みの式は、次のようになっています。

 経常収支+資本等移転収支-金融収支+誤差脱漏=0

かつては、

 経常収支+資本収支+外貨準備高増減+誤差脱漏=0

でした。


ここからは、例によって例の如くに架空の喩え話で考えてみたいと思います。
さて、全世界に2つの国だけがあるとします。甲国と乙国です。誤差脱漏は考えないものとしましょう。国際収支が次のようになっていたとします。簡単にする為に、貿易と直接投資のみがあるものとしましょう。

【第1期】

甲: 貿易収支100+(乙への直接対外投資-50)=外貨準備高 50(増加)

乙: 貿易収支-100+(乙への直接対内投資50)=外貨準備高 -50(減少)


この状態を10期継続したら、全世界の外貨準備高の残高はどれほどになっているでしょうか?
全世界の連結決算では、単年で見るとゼロにしかならないので、何期経ってもゼロのはずでは。


なので、恐らくはゼロでしょう。甲は残高が増加して500まで残高が増えますが、乙はマイナスが継続するので、-500となりますよね。外貨準備が大きなマイナスとなる場合、それは何を意味するのでしょうか?

甲は、乙に対し「債権500」分を有し、対外債権国となっているということでしょう。一方、乙は甲に対し対外「債務500」を抱える対外債務国となっているということではないでしょうか。
ただ、国際収支統計の性質からすると、合計はゼロになってしまうのではないでしょうか?

貿易収支は、黒字国から相手を見れば赤字国であり、合計はゼロです。経常収支でも同じでしょう。また、対外投資も受け入れ側から見れば対内投資ということで、やはり全世界で見ればゼロにしかなりません。


では、外貨準備高の合計額が全世界の総量で増加してゆく場合には、どういうことなのでしょうか?
誤差脱漏の間違ってた部分が積み上がってしまった?
他には、何があるでしょう?


貿易や対外投資以外ですと、所得収支部分があるはずですね。
所得収支は、受取利息などの部分です。

となると、全世界の合計額を見た場合、外貨準備高が5兆ドル相当積み上がっている、という場合には、単年の経常収支や対内・対外直接投資部分は常にゼロになってしまうはずなので、フローで溜まることは考えられず、残されるのは所得収支の大幅なマイナスがどこかに積み重なってきてるはず、ということでは?

つまり、外貨準備高が増加した国は、どこかの国から受取利息などでプラスになってきた、ということであり、その増加期間中には、必ず5兆ドル分の支払超過になっていた国が存在しなければ、話が合わないのでは?

それは、誰か?ということなのですよ。
途上国はそんなお金を払えるはずがないでしょう?いくら何十国も束ねてみたって、中国その他に外貨準備高をそこまで増やせる支払能力がある国はないはずです。


要するに、アメリカなんじゃないですか?という話ですね。

1995年の外貨準備高は、日本は1724億ドルでしたが、05年には8231億ドルになりました。中国は、736億ドルから7690億ドルとなったわけです。米国は同期間では微減でした。大きな変化はなきに等しかったわけです。

では、中国以外にも香港、台湾、韓国、ロシアなどが揃って外貨準備を増加させることができた理由とは何でしょうか?


そんなことが可能なのは、米国しかないのではありませんか、ということです。
ユーロ圏では通貨統合に伴って、外貨準備をそれほど必要としなくなった背景がある為か、同時期には1千億ドルくらいは減少していましたが、ここ数年では違った傾向かもしれません。


世界中の全員が、外貨準備高を増加させるということはできません。
借金をする人がゼロの世界では、全員が貯金しても、利息を受け取ることができず、貯金が増えるということはないはずです。なのに、全員の貯金額が自然と増えているとすれば、それはどこかに異常なりインチキがあるのではありませんか、という話なのです。


95年1月時点で、全世界の外貨準備高は1.2兆ドルしかありませんでした。けれど、05年9月には4兆ドルにまで増加したわけです。しかも、2002年までの増加ペースは遅かったのに、2001年の9・11以降だと顕著に増加し、2002年1月からの約2年半で1.85兆ドルも増加しました。

まさしく、アメリカの戦争の時期ということです。イラク戦争は、このような経済上のインチキを覆い隠す為に実行されたに等しいわけです。FRBの徹底した緩和政策期間とも合致しており、日本にとっては悪夢の氷河期だったわけです。


では、その後、外貨準備高はどうなったでしょう?
リーマンショック後でも、膨張を続けたわけです。世界中で。
ならば、代わりに大幅に減った国はあったのでしょうか?
貿易も直接投資も各年毎の全世界連結決算なら、常に一定でゼロにしかなり得ませんからね。


結局は、米国が対外債権を握るべく、投資資金を国内で「貨幣創造」によって生み出し、これを海外市場の株や債券に多額に投資して利益を奪うと共に、経常収支赤字を穴埋めするべく外国からのファイナンスをやってきたわけだ。その債務の積み上がったのが、全世界中の外貨準備高のドル建部分になっている、ということでしょうね。
しかも海外からの借金の利払いをなるべく軽減しようと、低金利調達を心がけており、それが為替レートの支配で米国だけに有利な資金調達となっている、ということである。


今世紀に入って以降の、米国の異常な緩和策の連発により、全世界の経済上の歪みが度々顕在化しているものとしか見えない。
それは、必ず「イカサマ」的要素がどこかに存在している、ということだ。


参考:

2013年10月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/0bf8e08970c02a347fdd35eab731f22f




日銀・金融研所長に白塚重典氏就任記念~やっぱりアベノミクス批判

2016年06月13日 14時00分29秒 | 経済関連
たまたま目が留まりましたので。

>http://www.asahi.com/business/reuters/CRBKCN0YZ03E.html


どのような方か全く存知あげませんが、ご芳名だけは目にしたことがあり、この度初めて経歴を知りました。

かつて、翁―岩田論争が有名になりましたが、翁氏は金融研所長を務めておられましたよね。その同じポストに就くということで、時が経つのははやいものでした。

ブログを書くまで全く知らなかった世界でしたが、覚えやすい名前だったことと日銀のペーパーではよく見る名前でしたので、全く知らない方であるのに、何故か記憶に残る人物となったわけです。


拙ブログでは、お恥ずかしい限りですけれども、例えば以下のような記事を書いていたりしました。

10年7月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/e59b70c02bba1e12b7f15a0cea4180e1


他にもありますが、とりあえず(笑)。
これからも、研究、理論面で、是非とも頑張っていただき、日本経済の立て直しの為に役立てて行って欲しいと切に願っております。


さて、ここから本題に入りたいと思います。


>http://www.nikkansports.com/general/news/1661772.html


安倍政権の経済政策アベノミクスが始まった2013年から大手企業と中小企業の業績格差が急拡大し、経常利益の合計額の差は15年に19兆円と過去最大になったことが11日、大手シンクタンクの試算で分かった。12年の差は10兆円だったが、大手の利益の増加率は中小を大きく上回っており、15年の差は2倍近くに膨らんだ。売上高合計も大手が12年より増加した一方、中小は減少し、勢いの違いが鮮明だ。

 大規模金融緩和による円安で輸出中心の大手は収益が伸びたが、中小は原材料の輸入コスト増が重荷となった。政権が進めた法人税の実効税率引き下げや投資減税は、黒字で投資余力がある大手への恩恵が大きかった。

 14年の消費税増税も、国内事業が主力の中小はより深刻な打撃を受けた。政権は大手の好調さを中小に波及させるとしているが、現状の大きな業績格差を縮めていくのは容易ではなさそうだ。

 シンクタンクの三菱UFJリサーチ&コンサルティングが、財務省の法人企業統計を基に試算した。大手は資本金10億円以上の約5千社、中小は1000万円以上1億円未満の約100万社が対象。

 15年の経常利益合計は、中小が12年比で30・2%増の20兆7000億円となったが、大手は53・3%増の39兆7000億円と大きく引き離した。双方の利益の差は、12年の10兆円から13年には18兆3000億円に急増。15年は比較可能な1960年以降で最大となった。

 売上高合計も、大手が12年比1・4%増の557兆円だったのに対し、中小は1・3%減の504兆円にとどまった。売上高に対する経常利益の割合は大手が7・1%、中小は4・1%で、その差も過去最大だった。

 今年に入り円高が進み、大手の業績にも陰りが出ている。三菱UFJリサーチの小林真一郎主任研究員は「大手の好調さが波及しないまま、中小の業績が失速する恐れがある」と指摘する。

 地域経済を支える中小の収益が伸び悩めば、賃上げが広がらず地方の景気回復も遅れる恐れがある。参院選では人材確保や生産性向上などで中小を支援する方策も重要な論点になりそうだ。(共同)


=======


日本の経済に関係する方々というのは、本当に物事をよく見てないのか、考えてないのか、何かと後手後手になることが多いようなのです。
そうなるから、気を付けろよ、と警告しておいたのに、どうしてよく考えておかないのでしょうか。病状が悪化してから気付く、というのは、平凡であり、当たり前のこと。そうなる前から、対策をしておくとか、悪化させないような手を打つ、ということが、日本では全くできず、そのような思考も慎重さも欠如しているのは、どうしてなのでしょうか?

専門でやっている方々が大勢いるのに、ワケが分かりません。


13年7月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/0495804169d616e3f98f2a9607a795cb

開始早々から、そんなことは予想できていたじゃないですか。3年前から言っておいたでしょ?


何度も言うけど。再掲も何回もしてるけど。

13年3月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/d5610ce97d98926d193a365c697ad56f

(再掲)


円安になったからといって、電機、自動車、金属・機械などの主力で輸出が伸びていない(むしろ減ってる、笑)ので、円安で輸入コストが大幅増となってしまうことの不利益の方が、今のところは圧倒的に痛いということになるだろう。
EUの経済問題とか不調によって、日本からの輸出が減少しているんだ、という見方もあるだろうけれども、それなら円安になっても輸出が増加するということにはならない(=世界需要の減退によって日本製品の売れ行きが左右されるということになり、為替要因はあまり関係ない、という見方となる)。その場合、輸入コストだけが増加するだけなので、日本には打撃となるだけである。
自動車、電機、金属・機械のクリーンナップが円安になったからとて、本当に輸出増加を達成し稼げるようになるのか、というのは若干の疑問がある。需要が消失してしまえば、リーマンショック後のような状態に陥るだけなので、例えば中国経済が大幅減速などという傾向が顕著になれば、やっぱり「円安なのに稼げない」というところに落ち着くだけだろう。せいぜいコスト率の若干の改善に寄与するかもしれないが、大した効果は得られない可能性もある。

すなわち円安を意図的にもたらすことで、わざわざ交易条件悪化に拍車をかけているだけ、ということになる。実際、03年までの貿易収支の姿というのは、輸出量が今ほど多くはなかったにも関わらず、交易条件は現在ほど悪化していなかった。

 (中略)

例えば、輸出企業がデフレ継続を後押しするかのように輸出物価の下落を招き、輸入商社などにおいては原油等の意図的な高い輸入価格としてきた、というようなことである。それら利益は、主にグローバル企業群へともたらされたであろう、ということが推測されるのである。
今後、輸出物価が改善せず交易条件悪化が続く、或いは円の恩恵を受けた企業群が思ったほど稼げず、単に「商品力」で競争に負ける(日本製品への需要がない)といったことならば、円安自体が日本国民への大打撃となる、ということは肝に銘じるべきであろう。
そういう意味においても、アベノミクスは両刃の剣である。


========


なので、金融政策をいくら頑張ってみても、金融政策は「万能薬ではない」(by日銀理論)ということに尽きるわけですわ。
で、効果のほどはどうだったか、考えてみたことがあります。
日銀が銀行と国債を競合して買う、という点から言えば、効果はその後も発揮されており、遂にはメガバンクが機械的な投資スタイルを回避しようかな(例のMUFGのPD返上?噂話)、という所にまで来たわけです。


13年8月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/f6275b926509976c5c424f489d342fb2


ですので、本来なら、政府と国会が「次のエンジン点火」を担うべきところ、無能で役に立たなかったということです。
しかも、何故失敗したのか、という反省が皆無なのです。「りふれは」なども同じ。アベノミクス大賛成しか言えない、データも満足に読めない煽動者しかいなかった、ということです。


資本のコストが例外的に低下し、「利潤」ばかりが独占的に奪われてしまった結果、賃金には波及が乏しかった、ということです。それを変えさせることができるのは、「政策」なんですよ。

更に、金融政策効果が出たとしても、これをマスクするような消費税増税ショックがあった為、効果の判定が困難になってしまいました。
かつて、これに似た状態に陥ったのを忘れたのですか?

2000年代前半、ゼロ金利解除の失敗を受けて、量的緩和を30兆円超まで引き上げたわけですが、当時平行で行われた「政策デフレ」(=地方圧迫、診療報酬削減、グローバル化・オープン化進展、大企業優遇政策、非正規雇用拡大、労働市場流動化促進、等々、所謂「構造改革路線」だった)によって、収益源となるであろうエース級が自動車・電機・金属機械、等々にまさしく「選択と集中」によって、中央集権的な企業階層が出来上がってしまったわけだ。

その大きな反動を食らったのが、リーマンショックであり、その後の停滞期だったわけである。
集中させたことが、かえってリスクを高めてしまった、ということだ。昔ほどは稼げないエース級の3本柱となってしまった。


しかし、アベノミクスの恩恵を最大限受けたのが、これら輸出系大企業であったわけで、それを支持したい勢力は例えば、金属労協に集中しているというわけである。何たって、TPPも推進しろ、という政治勢力だからね。自分たちの懐具合だけが大事で、日本は二の次、という発想なのでしょうか。それとも、ほんの一握りの組合幹部の連中が、そうしたグローバリスト達だというだけなのでしょうか?


ま、円安で投資利益が多くなる人と、逆に損が増える人がいるから、意見が対立するのは止むを得ない面があるが、己のみが大事で、他の連中は沈んでもいい、というような発想が蔓延した結果が、今の日本経済なんだということは、自覚した方がよいだろう。


せめて、若者たちに、マイカー持たせて、家族や友達と一緒に出かけたり、楽しい時間を過ごせるように、そういう社会を残してやりたいとは思いませんか?それは、過剰な贅沢なのか?


その為に、するべきこと、これをよくお考え下さい。目先の欲望や小さな利益の為にではありません。
日本国民の為、です。
将来に渡る子々孫々も含めて、です。



アベノミクス批判で明らかになる「りふれは」の嘘と醜態

2016年06月02日 21時46分31秒 | 経済関連
安倍総理は、増税延期を決断した。
サミットでの「リーマンショック級」を巡る危機喧伝工作の失敗とか、すったもんだが色々とあったわけである。党内でも政権内でも、波風は立とうというものだ。


ただ、結論的には消費税増税は暫くは棚上げされることとなったわけである。引き上げで経済を破壊するよりはマシな決断であったことは間違いない。最悪の選択だけは、とりあえず回避された。


安倍政権の多くの部分において、到底許せるものではない。
しかし、政策批判という点においては、あまりに不公平な物言いとか、批判したいが為の見当はずれの批判ということに終始するのは、賛成できない。できるだけ意味のある批判となるようにするべきである。


総理会見では、増税延期の理由として、大震災級でもなく、リーマンショック級でもない、と宣言した。それは、策を弄してみたけれども、あまりうまくは行かなかったので、新たな見解なのだ、と正直に話したということだった。過去の自分の発言や答弁とも食い違っていることを隠しだてせず、逃げずに正面から総理自信が話すことで、これを認めたということである。

これには、ちょっと驚いた。

やることなすこと気に入らなかったが、安倍政権が増税回避したことで、取りあえず国民生活の破壊の淵から救ったに等しく、しかも、過去の前言を翻すことを闡明した上で、この決断をしたと語ったのである。

その心意気やよしである(笑)。


愚かな経団連や経済同友会や日商会頭などが、増税しないことを批判していたが、彼らにはその資格などない。そもそも経済について、語るべき知識も経験も積んでいるわけではない。ただの井戸端会議の主婦の愚痴レベルである。


アベノミクスが失敗だ、と言えるなら、どんな批判をしたっていい、ということは間違いである。

安倍総理が、珍しく、自分から失敗を認めた上で、それでもなお、消費税増税を回避するのが総理大臣として正しい決断なのである、と素直に語ったことは、本当に国政を預かる最高責任者としての自覚において、賞賛に値する。


ネット上でも、全く自分の失敗として認めない連中をよく見かけるが、そういうのから比べれば、重大な決断をしたのは正しかった。野田元総理のような、「上げると合意してたんだから、上げるべきだ!」みたいなことしか言わない奴は、総理大臣としての資質がない。

どんなに悔しかろうが、無念だろうが、最も重要なことは国民生活を守ることであって、クソの役にも立たない己の信念だとか、間違った経済政策実施の合意とかを優先することではない。野田元総理のような人間なら、自分にとって楽な道を選ぶだろう。それはもう決まったことだから、と匙を投げるに等しいのだ。このような男は、総理の価値がない。


総理が恥を忍んでもいい、泥をかぶってもいい、そう思って増税回避を決断したわけだから、(ちょっと悔しく残念なのだが)これは正しいと言わざるを得ないのである。


さて、一方で、「りふれは」の連中は、本気で経済政策について、政府に正しい方向に進んでもらいたいと考えているのだろうか?
何度も警告したにも関わらず、未だに彼らの基本姿勢は直っていないようだ。
池田信夫の意見は、ほぼ見るべき価値が感じられないが、残念ながら、彼の意見さえも当てはまる部分はあるわけである(笑)。


>http://agora-web.jp/archives/1666889.html

(一部引用)

つまり彼は、日銀法を改正して3%のインフレ目標を日銀に強制せよと主張していたのだ。強制するということは、達成できなければ首相は総裁を解任するということだろう。「時期も明確にすべきだ」というから、「2年で2%」と約束した黒田総裁は、日銀法が改正されていたら、とっくにクビだ。

同じような日銀法改正論は高橋洋一氏やみんなの党も主張していた。「デフレ脱却議連」の金子洋一氏はアゴラで日銀法を改正して「インフレターゲット」を設定せよと主張していた。

彼らは今でも日銀にインフレ目標を強制すべきだと考えているのか。それならコアCPIが3年近くたってもゼロの黒田総裁は辞任するのが当然だが、どう考えるのか。さらに2015年3月までに2%のインフレが実現できなかったら辞任すると国会で明言した岩田副総裁の進退はどうするのか。

浜田氏もいうように「学者の責任の取り方は公の場で誤りを認めることだ」。私は彼の誠実な人格は尊敬しているので、「インフレ目標にこだわる必要はない」なら日銀法改正論は撤回し、白川前総裁を罵倒したことを公の場で謝罪していただきたい。

=========


かつて、日銀法を改正しろ、とか、財務省出身者の日銀総裁はダメだ、とか、散々貶してきた人々がいたわけだが、彼らはその後に反省などしたのか?


2年で目標が達成できなかったら、首切りを宣言していた人たちは、何故「日銀総裁・副総裁」の辞任の大運動をしないのだね?

ネット上で、インタゲとはこういうもんだ、と吹きあがっていた連中がいたではないか?

>http://d.hatena.ne.jp/Baatarism/20120218/1329546036

日銀総裁を解任させろ、と言っていて、それこそが「インフレターゲット政策だ!」みたいに求めていたんじゃなかったのか?
そのお説なり、インフレターゲット政策なりは、一体全体何処に行ってしまったんだね?


安倍総理誕生後でも同じだったろう?

>http://mainichi.jp/articles/20130322/org/00m/010/999000c

2013年3月22日

 ◆日銀・体制変革(レジーム・チェンジ)

 「内閣は両院の同意を得て総裁、副総裁、審議委員を解任できる」。昨春、自民党内で「解任権」を盛り込んだ日銀法改正案がまとまった。「リフレ」を志向する議員らが作成。だが、谷垣禎一総裁下の党執行部や財務省の反対で「お蔵入り」に。議員らは「安倍(晋三)が上(総裁)じゃないと法改正は無理」とため息をついた。

 改正案策定直後の12年5月の金融政策決定会合。日銀は声明文にあった「強力な金融緩和を推進」との文言から「強力な」を削除。市場で緩和姿勢後退と受け取られ、国債が一時売られた。解任権に反対した財務省幹部も「白川方明総裁(当時)は解任したい」と、日銀のお粗末な市場との対話ぶりに机をたたいた。

   ◇

 「言うことを聞かない総裁は首を切れ」。92年の金丸信自民党副総裁(当時)に象徴されるように、日銀には政治から緩和圧力が繰り返され、経済バブルにもつながった。98年施行の新日銀法では「日銀の自主性は尊重されなければならない」と独立性が強化されたが、銀行との癒着など不祥事を起こした大蔵省(現財務省)批判が背景で、日銀が勝ち取ったものではない。

 中銀の独立性尊重は欧米では共通認識。過去に戦費調達で中銀にお札を刷らせインフレを招いた反省からだ。白川も08年の総裁就任後「独立性は苦い歴史の教訓を踏まえた人類の知恵」と強調してきた。しかし、昨夏以降、政局が緊迫すると日銀の独立性は失墜。与野党とも脱デフレや景気浮揚に緩和要求を競い、日銀は政争の具と化していく。

 「近いうち解散」発言から2カ月後の昨年10月。「市場を驚かせたい」との野田佳彦首相(当時)の意向を踏まえ、日銀は2カ月連続の追加緩和に加え、物価目標1%に向け緩和強化の方針を盛り込んだ政府との「共同文書」を作成。政府と日銀が共通目標を定め、達成のための施策をとり決める事実上の政策協定(アコード)。不況のまま解散すれば野田民主党は衆院選で逆風にさらされ、政治生命を賭した消費増税にも響く。財務省幹部は「野田さんは解散を決意したからサプライズ緩和にこだわったのでは」と話す。

 野田が11月、解散に踏み切ると、安倍自民党の「次元の違う緩和」要求が吹き荒れた。物価目標2%など日銀が拒んできた政策が公約に並び、金融政策が選挙の争点になった。日銀OBは「争点にされた時点で我々の負け。白川は国民と対話できていたのか」と頭を抱えた。安倍自民党が圧勝すると、日銀は物価目標をあっさり2%に引き上げた。日銀幹部は「民意にあらがうのは難しかった」と話す。

   ◇

 「民主主義社会における中銀のあり方として何が望ましいか。それはみなさん(社会)が判断する話だ」。白川は3月19日、約1時間に及ぶ退任会見をこう締めくくった。政治権力や大衆から独立して金融政策をかじ取りできたのかの答えは出せなかった。

 一方、黒田東彦総裁は21日の就任会見で「独立性は日銀法で担保されている」と述べるにとどめた。不況の原因を「日銀の失政」と総括し、安倍政権との蜜月を謳歌(おうか)するリフレ派だが、デフレ脱却のシナリオが頓挫すれば、日銀券であふれる金融市場は混乱を極めかねない。(敬称略)【三沢耕平】


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こういう連中が、政策議論をダメにしてゆくのだろ。ネット上でも、現実世界でも、足を引っ張る存在なのだ。


そんなインフレーション・ターゲティング政策は、現在おいては少々違うのではないかと拙ブログでは主張していたが、日銀法改正と言ってた人はどうしたんだね?

13年3月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/36cd62a872d26763faeeaf7f37bd65a2

白川総裁時代にも書いた。
12年2月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/c5a74247f8ba74b673c149563e09e330


反省なき人々には進歩の欠片もない。経済学を標榜することを恥じた方がよいのではないのかね。
昨年にも、指摘しておいたが。

15年9月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/4ce500be71ce45add18a673e655545b9


当初から警告したことが、やっぱりな、ということだったのでは?

それでもなお、「りふれは」たちには、一つの反省すら、ないのだ。彼らには、経済をみるだけの力があるとは、到底思えない。むしろ、邪魔をしてくるだけの目障りな存在。日銀にとっても大迷惑。


ああ、それから、池田信夫が言うみたいに、仮に金融機関の評価損が10兆円出たとして、それって総資産の何%くらいか、言ってみな(笑)。頭が悪いと倒産水準というのが、全く分からないらしいな。経営感覚はゼロか?大丈夫かね?
根強い財政破綻バカってのも、経済界の無知無能と一緒で、根絶が難しい凶悪菌種みたいなものなんだな。

財政破綻すると思うなら、さっさと国債を売り払ってくれや、ボケ
買いたくてうずうずしてる機関は結構いると思うけど?(笑)


ちょっと追加(3日10時頃):

経団連ね、あなた方は本当に失敗に懲りないのですね。できもしないことは、余計な口出しをするんじゃない。あなた方の言うように長年やってきて、経済は好転しましたか?

金がドブに棄てられたようなもんです。己の愚かさを知れ。貴様らのせいで、国が滅ぶんだよ!


13年10月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/f85561cf30aca58da732150d38c02358


数字が物語っているだろう?
ああ、無能経営者の寄り集まりだと、データの評価すら満足にできんか。無能だからな。

どの口が、増税しろって?



アメリカのインチキ経済はどうすんの?~5 隠蔽される米国債務

2016年04月03日 14時27分47秒 | 経済関連
かつて、日本経済が危機的状況に陥った時、90年代終わり頃の「金融危機」と喧伝された時代には、日本の当局者たちが「債務を隠してるんだ、不良債権を隠蔽してるんだ」ということで、濡れ衣だろうと何だろうと、無理矢理数字を出させられた。


あの時代、銀行の人間たちは大勢が自殺したり、リストラの嵐に巻き込まれたりした。
監督官庁の大蔵解体、日銀も被害と無関係でいられるはずもなかった。


そして、下火になった後になってでさえ、竹中平蔵が登場してきて、やっぱり同じように「不良債権問題」という虚像を作り出され、一部銀行等金融機関が生贄とされたんだ。「貸し剥がし」「貸し渋り」が横行し、監査法人をも標的とされた。


これらの時代に共通していたのは、兎に角、海外投資家勢の「情報を開示しろ、もっと不良債権があるんだろ、借金を隠しているんだろ」という強行な主張であった。買い叩きに遭ったんだ。


そして、日本は国家破綻する、と喧伝された。
格付けは、みるみる引き下げられ、為替暴落だの国債暴落だのという脅し文句に屈したわけだ。


ところが、である。
未だに、日本円は「安全資産だから通貨が買われ、円高になる」などという”デタラメ”の風説が報道でも堂々と流されているのである。そんなバカなことを言う前に、まず米英日等の主要国の格付けの一覧を出してから、「ドルより円が買われました」とか「ポンドより円が買われてしまいました」とか「ユーロより円が買われるという不可解現象が起こっています」、等々、解説すべきだろう。



トリプルAって、どこの国の話ですか?そこより、円が安全資産なんて話は、どこからどうやったらできるのですか?、って聞いてやれよ(笑)。

ま、昔話はいい。


問題は、米国の債務が本当はどうなっているのか、という話だ。

>http://thutmose.blog.jp/archives/30026570.html


少し以前の記事のようですが、ネットで偶然遭遇したので。
この記事によれば、2010年頃に連邦債務以外の、州政府や自治体の債務の推定規模について、米国での論文があったということのようです。
(『元米財務副長官のロジャー・アルトマンという人物が2010年に債務に関する論文を発表』との記述あり)


偶然と言ってはなんだが、拙ブログ記事でも当時から書いていた。

こちら
2010年1月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/0e68ef2c26b510113796569367a13ff9


当方は、日経記事を契機として、推計を書いてみたものですが、当時からGDP比で200%という推計は、そんなに大きく外れていないのではないかという感触を得ていました。アルトマン氏の論文というのがいつのものか不明ですが、直観的には似た線になっても不思議ではないかな、と思えます。


で、その後にも、米国債務とか、米国の経済統計の数字の変更や不一致というのが、過去に遡って行われているのではなかろうか、という疑いは続いていたわけです。


2013年10月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/ebe17155a61443acd2fcc2f59b826765

2015年2月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/63415ff19126e62f57161dd7609eabc2

2015年2月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/3532fc5a0ba66037db67b5c00aecbe7a

2015年7月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/8ed53e767d3f8a4df57a4b194119e166



2013年10月
>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/0bf8e08970c02a347fdd35eab731f22f

>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/f0374cef63396afc2d7530ffcac823a7




どうして、米国の巨額債務の持続可能性は、問題とされないのか?
プエルトリコのデフォルトくらいとはケタが違う。海外勢が債務を支えないと無理なのに、一体全体誰が米国債を買っているのか?

米国の家計と企業が一般政府債務を支えているって?
本当ですかね?

なら、経常赤字が継続しないでしょう?
海外からの入金が超過しているんですよ。とすると、海外勢の比率が過半数となってもよさそうなのに、何故かそうならないわけだ。おかしいですよね?
外貨準備が減ってるなら、誰もドルを買えないはずなのに、ロシアルーブルも人民元もブラジルレアルも、対ドルで歴史的通貨安が達成されているわけですわ。誰か、どうやってドルを買っているのでしょう?何の通貨で?(笑)

円ですか?
違いますよね、だって、円高になったから。対ドルでは、円が買い超過であり、ドルは相対的に売られているわけで。ならば、ユーロでドルを買っていると?

ユーロは対ドルで上がっているから、やっぱりドル売りユーロ買い、という傾向にあるというはずですわな。
ドルでドルは買えない(爆)。


これが、胴元のかっぱぎシステムってやつですか?
為替支配、通貨取引システムを制御している側の特権、と?


謎すぎる。


日本には、極端なまでに情報を開示せよ、と要求しておきながら、米国は情報隠蔽、経済統計数値の「条件変更」という名の捏造同然の書き換え等、怪しいことが多いのだ。
中国の統計に文句など言える立場にはない。


続々・お金とは何か?

2016年02月02日 09時55分53秒 | 経済関連
仮想通貨の研究というのが、話題になっているようです。三菱UFJのグループが独自に仮想通貨を開発中ということらしいです。


>http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O0GQ536JTSE901.html

>http://www.asahi.com/articles/ASJ1W4RWKJ1WULFA012.html


(一部引用)

『邦銀による仮想通貨の開発が明らかになるのは初めて。同行幹部らによると、独自の仮想通貨は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)から「MUFGコイン」と名付けた。昨秋から開発に着手し、コインをスマートフォンに取り込むアプリケーションの試作品がほぼ完成。スマホによるコインのやり取りを検証し、銀行が手がける仮想通貨にふさわしい仕組みを研究する。』


ビットコインの騒動で、日本国内での取引がその後どうなったかは、よく知りません。が、邦銀大手が手掛けるとなれば、独自通貨圏構想というのも遠い日ではないのかもしれませんね。



拙ブログでは、10年前にお金って何だ?という記事を書いていたのだった。


2006年1月

>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/2bf22f68ee7730a62bb27720bcdae51f

>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/c43d312722ee4b257f00e8f022ca69b8


まさか、今みたいな仮想通貨が本当に実現しているなどとは、到底想像もつかなかった。しかし、今は、囲碁ですら、AIが人間に追い付いてきてしまったので、何が起こっても不思議でも何でもないのかもしれない。

恐るべきスピードで、新・産業革命が起こっているのかもしれない。




原油価格とドルという通貨のこと

2016年01月16日 19時04分00秒 | 経済関連
以前から、色々とおかしな点があるのでは、ということを書いてきた。
利上げ方向へと戻してきたFRBだが、大量に買い入れたMBSの金利収入はオイシ過ぎることも指摘した。
15年7月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/8ed53e767d3f8a4df57a4b194119e166

4200億ドルとなれば、日本円でいくらになるか?
期間平均のドル円が100円として、42兆円!だ。これだけの無から生み出した収入を得てきた合衆国政府は、この金を当然ながら使ってきたわけです。中国の公共投資が何兆円だったか、それを大袈裟に言っていた人々が大勢いたわけですが、何故か合衆国政府の巨額投資については沈黙なのですね(笑)。


何はともあれ、ドルという通貨はあまりに闇が大き過ぎるわけです。単に、決済通貨として利用されてきた、というだけであり、流動性という点で有利というだけなのだが、世界中がそのシステムに乗っかってしまってきたのでしょうがないわけです。ここから、段階的に脱却を図るべきであろう、というのが拙ブログの過去の主張でした。
参考:
13年10月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/f0374cef63396afc2d7530ffcac823a7



で、原油に話を戻そう。
エネルギー価格は妥当性を欠いているのではないか、という批判をした。
13年10月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/b350e03a2030cd856bf4dd2437f3fbe9

米国の供給力分は確実に増えているわけで、サウジの増産も止まっていなかったのですから、どこにも価格維持の要因など存在してなかったわけです。下落は当然起こるはずなのに、起こらないとなれば、これは何かがオカシイ、ということですよね?経済学の基礎的な原理というのは、概ね正しい方向になるはずですから(笑)。


過去の原油需要が逼迫している、という説も異常でしょうねという話を何度も書いたわけです。200ドルになんか到達するのは、バブルでしかないってことなんだわ。

08年10月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/32c444de76dfd812fe54a19355034c98

08年7月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/f607108ae89fbaa4c6a6b82bc0825c12


リーマンショック後に下落したのは、ご存じの通り。
需給で決まるなんてのは、ほんのごく一部の話であって、価格カルテルみたいなものなんだわ。


その後、価格は上昇したものの、ロシア制裁等の影響などから下落が止まらなくなったわけですね。
14年12月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/22a6f526c275dfaef81ff8609b3b0127


OPECも減産はしない、ということで、体力勝負の競争となったわけですかね。そうすると、供給力に応じた価格下落が発生するということになるわけだ。これこそ、市場の調節機能に感謝するべき、ということになるのでしょう(笑)。

産油国は主にドルペッグ国が結構あるので、軒並み収入の大幅減となったわけですね。すると、ストックを取り崩しての「換金売り」となるらしいので、株安が世界中で進行するということのようです。


あと、人民元の下落がどうの、ということで、大喜びしている連中もいるようですが、話はそう単純でもないような。
香港あたりには、オイルダラーがかなり入っていても不思議ではないので、人民元建て資産を売却するということは分かりますよね。でも、以前は「中国がドル買いをして人民元を意図的に引き下げ、輸出で大儲けしているんだ、だからドル買いは悪い!!」って、盛んに中国を批判してた人たちが大勢いたのではなかったのですか?
だとすると、ドル買い介入をしなくてもよくなったのだから、人民元が売られるのを喜ぶのが中国政府ということになるのでは?(笑)
米国議員の中にも中国は為替操作国だ、人民元はもっと高くなければおかしい、って言ってましたよね?そういう人たちは、人民元が売られたら売られたで文句を言うわけですかね?何か、笑える。


香港の銀行間金利が大幅上昇したのは、「人民元」の通貨が不足したから、ではないでしょうか?ドルの融通は必要がなくて、人民元の需要が増加すると銀行は他行から融通してもらう為に提示金利を高くするしかない、というわけですから。それは、ロシアのルーブルに売りが浴びせられた時とは、違うでしょうという話です。

中国通貨当局が外貨準備のドル売りをして人民元を買うのであれば、別に文句を言う筋合いなどないように思えますね。中国が大量にドルを売って(=人民元を買い戻して)るなら、誰がドルを買い支えているのだろうか?
GCC諸国とかの産油国?
投げ売りだろうと、とりあえず人民元建て資産とかに代表される新興諸国の資産を売って、ドルのキャッシュ(か米国債)に持ち替えているのかもしれない。


今後、原油価格の低下が持続すると、いずれドル建て資産も売りに出されるはずで、いつまでもドル買いが続くとも思えないわけだが、そうなるとドルの通貨としての地位はどうなるだろうか、という話だな。

参考:
08年1月>
http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/2bddfa1178f2e64f74186d03541071c1


それから、イランの話ね。
12年2月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/74f0ea3dca0551bbb546a318d956430b

(再掲)

核兵器開発は止めた方がいい。

何故なら、アメリカはイランが敵対して核開発を行えば行うほど有利な立場になってゆくからだ。内心では、「もっとやれ、もっとやれ」と喜んでいるのだよ。アメリカがユーロ圏の通貨を売りまくりで、イランとの原油取引を止めさせることに成功した。ソブリン危機を煽り、フランス国債格下げで追い込んで、ユーロはたまらず制裁を決めたのだ。

アメリカにとって、これは二重においしかった。
基軸通貨ドルの地位は安泰、イランへは原油取引制限を課せる、ユーロはいつまで経っても金融業界の傷が残る、ということだ。金融業界のライバルたちがヘタっていると、誰が得するのか、誰が一番喜ぶのか、ということなのだ。
ドルの基軸通貨の地位が失われているなら、イラン中央銀行への制裁のような金融制裁措置はとれなくなる。決済機能は別に存在できるからだ。それは、米国金融機関を介さない取引で難なく行えるようになるからだ。その特権的地位を死守しようと、アメリカは必死だったのだよ。フランス国債格下げが何より効いたのさ。

もう一つ、イランの原油供給が減ると得する人たちがいる。それは誰か?
サウジをはじめとするGCC諸国だ。ドル安でアメリカに対してちょっと不満だったのだが、原油供給が減少すると彼らにとっては利益となる。イラク原油が減っていたのが、戦争終結後に復活してくると、埋蔵量と産出量でライバルが増えるという結果になるから。

それ以上に大喜びなのが、米国自身なのだ。国内での天然ガス産出と原油生産という、かつてのエネルギー産業の復活に湧きたっているからだ。イラン原油の供給が減ると、価格上昇と共に米国産原油ないしシェールガス等で十分勝負になるからである。

なので、イランが核開発をすればするほど、アメリカを喜ばせるだけとなる。


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イランの供給力が戻ってくると、「戦争希望」の連中が中東で大戦争でも引き起こすことでもない限り、原油価格の上昇は暫くは見込めないはずだが、どうだろうか。日本の交易損失は若干改善するかもしれないが、騙され国民なのでどうだか。
長期契約だから、とかいうボッタクリのせいで、高値で買わされ続けるのかもしれない。原子力ムラの復活でそれが正当化される虞すらある。


デフレ論争とは何だったのか~無能の証明 その3

2016年01月06日 13時01分19秒 | 経済関連
日経新聞は購読していないので、全然知らなかった。

偶然見かけたので、ちょっと取り上げてみたい。


このツイート>https://twitter.com/CCG_ONISHI/status/673444978970914816


「世界の工場」中国に陰り という見出しで、日中のULCが逆転している、という話らしい。
これは、昨年末に書いた、最低賃金の話でも取り上げた(ところで、中嶋よしふみさんは、拙ブログに記事削除を要求しなくてもよいのか?(笑))
日本のデフレを強固にし、難治性にしてしまったのが、この賃金問題なのである、ということを、拙ブログでは再三再四、口を酸っぱくして言ってきたのに、どうしてそういうことをよく考えようとしないのだろうか。


無能の証明 その2
15年2月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/e4f41351585479925c2673d9c33b682b


約1年前にも書いてみたわけだが、無能揃いの政策担当者たちは何らの策も見いだせないまま、ということだな。こっちは06年からずっと言い続けてきたのに、だぞ?


(再掲)

ただ、今までの幾つかの記事にも少し書いてきましたが、社会全体の現象で見れば、
・賃金水準は97年以前とそれ以後で異なり98年以降低下
・非正規雇用が拡大
・ULCは98年以降低下(連続でマイナスに)
・企業の借入残高は減少傾向
・設備投資の減少

ということが観察されるので、当たらずと言えども遠からずなのではないか(笑)と思います。
なので、価格上昇圧力をULCの低下などで吸収してきたのではないか、ということです。何故価格転嫁しないのか、というと、消費者達の求める「低価格達成」とか、競合他社との価格競争に勝つことが「企業の生き残り戦略」だと信じていたから、などであり、世の中全体に「もっと価格は下がるだろう」という期待予測が醸成されていったからではないか、と思うわけです。

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10年前に書いてたことが、未だにそのまんま通じてしまうんだぞ?
日本は、本物のバカ揃いであり、政治的にもどうすることもできなかったんだ、ということだ。本物の愚か。


それに、中国の人件費上昇だの停滞期を迎えるだのという話も、05年から誰でも予想できることだったろう?


05年2月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/3f1e5447e91bc8c4f841f697f74bdc7e

(再掲)

当面両国関係が良好ならば、インドへの日本からの投資が増加でき、また中国への牽制が可能であるし、経済的な依存度を中国からシフトできると考える。中国は急速な経済成長を遂げているが、日本やアジア新興諸国が経験した停滞過程を必ず辿る。株でも土地でもそうだが、上がっている時というのは、多くが下がるとは考えず投資を続け、上がり続けるのが当然との錯覚に陥りやすいのである。しかし、どのような経済活動でも右肩上がりが永続することはないと思う。従って、中国経済と言えども例外ではないだろう。単に停滞時期がいつになるかが分からないというだけである。そういうカントリーリスクも考慮した上で、対外投資・経済活動を推進する必要がある。中国の人件費上昇や、20年後くらいには急速かつ史上空前の大規模な高齢化社会が訪れること(「一人っ子政策」の効果が明確に出てくるのである)を考えると、インドの人口構成比は中国よりもはるかに魅力的であるし、現状でも成長余力をかなり残していることは投資効果はインドに軍配が上がると思える。しかし、以前から存在するパキスタンとの緊張関係が、インド投資のとても大きなリスクとして刑務所の塀なみの障壁となっていた。この塀を取り払うことが、どれ程の意義があるか理解できよう。

この流れが、首相歴訪へと繋がっているのだろう。インドは津波被害国でもあり、外交政策上の優先国なのだ。大型案件の獲得競争も今後激化していくかもしれないですね。


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少し考えてみれば、誰でも簡単に気付く程度の話でしかありません。
人件費上昇率は、90年後半時点から05年という10年間くらいで見ても、日本のそれとは全く異なる上昇傾向を見せてきたわけで、当時には人民元の通貨安政策と継続していたので影響度が小さかったものと思います。
しかし、元高へと転換されてからは、人件費高騰の影響を一層受けるようになるに決まっており、円安が更に拍車をかけることは当然の帰結でしょう。職探しをしている中国人労働者はもの凄くたくさんいますが、だからといって人件費が持続的に落ち込むということになるわけではないのですよ。マヌケ経済学者の迷信みたいな妄言を、まんま真に受けて信奉する人たちが哀れですな。経済学者気取りのカブレ者が考えるようには、現実世界が動くとは限らないということですな。


で、中国は一人っ子政策を完全に止める、という宣言をしたでしょう?(笑)
それは、特別に拙ブログの言う通りにしたというわけではないと思いますよ?

だけど、将来どうなるか、ということは、普通に思考力を有する人間ならば、分かるわけなんですわ。エネルギー供給力の目途が立ってきた(特に風力発電とか太陽光発電とかの発電量の爆発力は凄まじい)とか、食糧生産力や輸入できる体力とか、そういうこともあるでしょうね。が、弱点となりうる部分を改善しよう、とするのは、ごく普通の政治の反応ではないですか、ということです。


また、先日、インドのモディ首相が電撃訪問しましたよね?

>http://www.cnn.co.jp/world/35075582.html


いや、単なる偶然に過ぎませんよ、勿論。インドの高速鉄道の契約は、日本が獲得したのも、割と最近だったような気が。
局面ごとで見れば、ごくごく自然なことです。別に珍しいことでも何でもありませんよ。ただ、今になって言うのではなくて、前から言ってたことがその後どうであったか、ということは、一応見るべきではないですかね。


日本の政治は、愚か者の支配下にある限り、うまく行かないということです。それを支える知識人気取りだか、学者連中だか、そういうのも偽物っぽい方々が多いのではないでしょうかね、という話ですな。日本の経済紙界隈は、10年も遅れているということは分かるので、読む価値を見出せないということでしょう。そして、経済教室だかお説教チックな記事だかで登場する、カスみたいな学者連中だか経済専門家だとかも、殆どが役立たずの無能連中揃いである、ということかなと感じるわけですね。素人以下なら、看板外せ、と言いたくなるわけです。



最低賃金に関する議論~5(中嶋よしふみ氏の場合)

2015年12月31日 13時14分37秒 | 経済関連
久々に中嶋氏を見かけたら、また何か言ってるみたいですね。

>http://bylines.news.yahoo.co.jp/nakajimayoshifumi/20151222-00052686/?utm_content=bufferb83c5&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer


ま、デモの主催者に言っているだけなので、当方には無関係なのですがね。以前、訴えられそうになった身としては、関わりたくもないのですが、何も言わないというのも残念な気がするので。記事に書いておきたいと思います。

以前、中嶋氏に問いかけたものの、何ら具体的反論がなかったので、一部再掲しておきますか。当方は、指摘されたからといって、自ら発言をなかったことにするような手を使いませんので。

>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/3b828eef2a27c37c632f5020e04689e7

(一部再掲)

こちらは具体的論拠を提示していますよ。
日本が同様の事態に陥らないと考えるか、と中嶋さんに尋ねているのであるのに、反対派が証明しろ、という返答は見当違いですね。
「日本はアメリカの事例のように違法業者跋扈という事態にはならないだろう、何故なら~」と以下理由を返答すべきところでは、ということです。
その理由が明確に説明できないとすれば、規制緩和の結果「違法業者跋扈という事態」を生じうるということを支持することになり、そのような政策変更が望ましいという意見は傍から見ればおかしいでしょう、という話ですね。


 (中略)
そして、ネット販売が日本よりも進んでいたアメリカにおいては、現実に「偽薬」横行となっているわけで(具体例としてバイアグラを提示している)、それはネット販売と旧来販売方式の比較という点において、ネット販売を増加させた結果生じ得ると推測されるというものである。
そのようなデメリットがある場合には、ネット販売推進で得られる利益と生じる不利益の比較衡量が妥当なはずであろう。つまり、本当に論理的ないし合理的判断を求めるという主張をする人であるなら、得られるであろう利益と生じるであろう不利益を並べて検討するはず。

 (中略)
中嶋さんが立論すべきは、例えば
「日本では違法業者跋扈という事態は生じない、何故なら~」以下
ですね、という話を前の記事で書いたんですよ。


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今回の中嶋氏の記述は、似てる部分があると思いませんか?(笑)
例えば次の部分。
『上記の通り、自分は前回の記事を否定しかねない不利な情報も自ら紹介しました。建設的な議論を行うには、フェアな立場でメリットとデメリット、両方を並べて検討する必要があるからです。自らの意見を否定する情報や根拠については、本人よりも意見が対立している相手の方が詳しいはずですから、デモを批判する記事がたくさん読まれていると分かった時点でエキタスさんの側が本来提示すべき情報です(なので文章で反論をお願いしました)。異なる意見がぶつかればより良いアイディアが生まれると自分は考えていますので、自分の意見が否定されてもそれはそれで構いません。

主義主張はどんなに偏っても自由ですが今回のデモに欠けているのはそういった謙虚で客観的な姿勢です。自分の意見が中立公正であるとは全く思っていません。偏っている事は重々承知していますが、必ず客観的なデータで意見の裏付けをするように記事を書いています。』

まあ当方の勘違いでしょう(笑)。



12/29>http://twilog.org/valuefp/date-151229

自分が見た限り、確かに社会保障の強化は重要だけど最低賃金の引き上げも実施すべきである、なぜなら、、、というまともな反論は1つもなかった。1つもですよ。
さっきシェアした感情の劣化というのはこう言うことなのかね( ノД`)… 皆日常生活送れてるのか心配なレベルですよ。


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以前、反論できなかったのは、ご自身も、ではないのでしょうか。ま、過去は過去なので、しょうがないか。
自分より弱そうな相手を見つけては、あれこれ赤ペン入れることに長けてる人物にとっては、反論をする対象を選ぶというのは常套手段なのかもしれませんな。



まず、最も根本的な点について、指摘しておきたいと思います。

教科書的記述、マンキュー先生のお説、といったことは、勿論尊重されるべきことです。基礎的な考え方が書かれているから、です。実証研究では、米国において最低賃金が必ずしも教科書に書かれていたような結果をもたらす、というものではないかもしれない、という見解は経済学の世界においては、突飛な話ではなくなっています。
が、これを除いたとしても、重要な視点が欠けているのです。

それは、経済学の教科書的な記述の多くは、正常な反応、というものです。こうすればこうなる、の関係性というのは、結果を予測する上で意味があるでしょうが、正常かどうかは大きな問題なのです。
例えば医学的な基礎知識であっても、生理学のようなものはまず「正常な状態」を基準として結果を知るわけです。健康体なり動物実験なりの反応はこうなる、ということをまず知る、ということです。経済学の教科書はそういうものであり、マンキュー先生の本でも、同じようなものでしょう。
「賃金が上がれば、失業が増える」というのは、そのほんの僅かな断面をまるで絶対的な「公理」が如くに、採用しているものでしょう。

成り手(供給)が少なければ人が集まらないから、賃金を上げざるを得ないということは現実でもよく観察されることです。土建業界が敬遠(新規参入障壁が高い、と考えられているのかもしれないし)されてしまい、募集しても人が来ないとなると賃金は上がります。だからといって、失業率が上昇する、という単純なものではありません。他産業の状況はまた別でしょう。

労働市場は国によって異なる条件なので、現実の結果はどう出てくるのかというのは、一意では決定できないものであろう、というのが拙ブログでの見解です。規制当局が完璧であると、いわゆる脱法的雇用主の企業は存続できないので、労働条件は守られ、人件費は正当なものとできるかもしれない。が、労働規制が守られないと、潜脱を繰り返す企業が現れる。違法薬物のネット販売をする企業と原理は同じなのだ。違法企業には応分のコストを支払わせるか、規制当局の強化という別のコストが発生することになる。失業給付や生活保護を強化する場合には、税や雇用保険負担が増大するという政策コストについて、国民の賛成が必要となる。単純に政策コストだけ考えれば、最低賃金引き上げは目に見える政府のコストは発生しないが雇用主が負担することとなり、税とかが圧迫されないので実現のハードルは高いわけではない。

上限金利規制の場合にも似ているのだ。
学者さんは、「個人のカウンセリングを充実すべき」とかいう意見があったが、借入申込者全員に借入適正試験を実施して免許制にしたりすれば、確かに上限金利を設けなくともいいのかもしれない。これの政策コストがどれほど必要になるのか、というのが問題なのである。多重借入者に面談方式のカウンセリングや指導を実施するというのは、かなりのコストが発生することになるわけだから。


労働者の交渉力が強い国柄と、そうでもない日本では、比較が難しい。人件費上昇率の高い国、通常は高インフレの国とか組合の力の強い国とか中国人みたいにケチで抜け目ない国(あくまで印象です)とか、そういう国と日本は同一の理論を適用するのが難しいように思う。経済学の教科書にはそんなことは書かれていない(笑)。


そして何よりも大問題なのが、デフレ、である。
マンキュー先生をもってしても、日本のデフレを解決できる治療方法は確立できていない。デフレというのは、まるで糖尿病に似ていて、幅広い疾患や症状の原因となってしまうものなのだ。代謝異常、末梢循環異常といったことで多様な症状を呈する。これに近いのがデフレ経済なのである。デフレ下で最低賃金を操作した場合の反応というものについて、世界中の経済学者で明確な答えを持っている人など、恐らく皆無に等しいのではないかと思う。

先にも書いたが、正常な健康体の人の反応と病気の人の生体反応は異なる。いかに生理学の教科書にこう書いてある、といっても、それは病態生理学ではないからだ。日本は、そういう意味において、極めて特殊な環境下にあるということであり、これの理論的帰結を知っている学者さんは恐らく存在しないだろう。


次はちょっと細かい話に。

輸出製造業が円安で得をすることになったが、輸出物価の調節性は鈍く劣っていることが多いと思われる(顧客との契約関係もあって、急には納入価格を変えられないということもあるのかもしれないが、デフレ圧力として作用することとなった)。

>http://www.itochu.co.jp/ja/business/economic_monitor/files/20130514_2013-088_J_ULC.pdf

国内賃金が上昇するなら、製品価格(ドル建て)に転嫁するべきところが、これを据え置くことによりコスト削減の向かう先が、人件費ということになりがちである、ということだ。
経済学の基本的考え方において、価格転嫁されないことは想定されていない。仮想の世界では、きっちり数学的に結果が生じるものだからだ。
仮に、円高により輸出物価が上昇するのであれば販売価格が値上がりする。それは需要を減退させ、価格下落要因として作用することになる。さらに需要量減少により供給が過剰になるから、労働者減少をもたらすことになろう。賃金低下が必然かどうかは別であり、余剰人員は他産業へと移転してゆくこととなる。円高により需要増大となる産業分野が必ず生じるから、である。

ただ現実世界では、これら調節過程が理論値通りに生じるわけではなく、うまくいかない部分は決して少なくない。


デフレ期間であった2000年代では、ULCは低下し続けてきた。賃金低下要因は、物価下落を助長する作用を有していたものと考えられる。

>http://www5.cao.go.jp/keizai3/2012/1222nk/pdf/12-2-3.pdf



拙ブログにおける最低賃金についての考え方は、例えば以下のような記事を書いてきた。最低賃金のシリーズである。

09年12月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/99e9c190457dba2c705e38e02ca1da5a


経済学の権威的存在のマンキュー教授に対する意見も書いたことがある。
13年11月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/4a179a2882353c1a11bef530d1f50816


最低賃金の持続的引き上げについても、何度も提言してきた。
09年11月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/24e2e6eca3a4aced413260d90dec6e79


日本における雇用や賃金の調整速度が以前より早くなったということについても、先に示した内閣府の2012年の労働経済白書でも述べられていた。想像していたのと近いイメージだった。

2010年11月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/d24920135c2830d7f0ec3c167a848b35


日本においては、現在のような輸出企業が大儲けし、内需型企業が苦戦を強いられるのだとすると、為替レートと価格(物価や、労働の価格すなわち賃金)がズレており、適正な(理論通りの)価格改定が行われていない、ということを意味するだろう。


日本においては、特に、非製造業での賃金上昇がデフレ脱却と賃金上昇率の抑制の影響が大きいという印象なので、最低賃金引き上げ自体は意味があると考える。


輸出企業が経済成長を牽引という幻想

2015年12月09日 11時12分07秒 | 経済関連
GDP速報の上方修正でいかにも上向いているかのような報道が並んでいるが、戦時中の大本営発表に似たものであり、同じような精神性が感じられる。都合の悪い情報は、国民には知らせない、という姿勢ということである。

経済統計すら、大本営発表式に陥っては、日本はこの状況を脱出できる道さえ閉ざされているものと言えよう。まともな運営はできないばかりか、個人の下らない手柄だのミスの取り繕いだのに囚われて、大事な目的を忘れ事態の悪化を招くだけとなろう。


一番重要なことは、現状を正しく認識し、それに対する適確な政策を選択し実行すること、それだけである。悪い状況を誤魔化すことではない。


>http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/kakuhou/gaiyou/pdf/point20151208.pdf


四半期の速報値ばかりに目を奪われている人たちが多いと思うが、確報値についてもよく見るべきである。喩えて言えば、契約獲得が9月だとしても、9月に支払が即実行されているわけでもなく、生産等が9月に行われるとは限らないから、仕事が暇だということはあるわけである。10月以降にならないと、実際の仕事にも売上にも反映されないというものも多々ある、ということだ。


だから、速報値で少々の数字を工夫して、算入時期を前倒しで数値をかさ上げしても、次の期では算入できないから年間では数字は同じである。1つの契約、受注は、1回しか金額に反映されない、ということは同じなのである。


2014年度の確報値は、公的需要が-0.3と大幅にダウン。しかも、その内訳で公的固定資本形成は-2.6と+2.0からの大幅下方修正となっている。これは、公共事業の予算額について、支出をしてないか仕事をしてない段階で統計値にカウントしたりすると、プラスの数字を生み出すことができ、次の期にはそれが消えることになるから大幅にマイナスに戻るということになるわけである。


例えば、金額が1期目+5、2期目+3というのは、実際の執行状況が+1、次期が+7というのが実際であることもある、ということだ。+4の分だけ前の期で多くカウントしてしまえば、次の期はそれが剥落するということになる。合計が+8なのは同じということ。速報値の時、+5の数字を見せられて、実態は+1かもしれない、ということだ。


日本経済がマイナス成長に喘いでいるということは、正しく認識するべきであろう。
輸出が日本経済の牽引役になる、などというのは、時代遅れの幻想である。海外生産に移行しているから、輸出企業が日本経済に貢献できる部分は、かなり少ないと考えるべき。下請け仕事なんかも、特別に増えるわけでもない。


>http://www.customs.go.jp/toukei/shinbun/trade-st/gaiyo2015_4-9.pdf


上半期の比較をすれば、それがよくわかるはずである。
ドルベースの輸出額推移は、日本経済の苦戦の一因が見えるだろう。

(日銀の各年12月の報告省令レートで計算)

年度   上半期輸出額(億ドル)

2011   4260

2012   4071

2013   3603

2014   3323

2015   3147


あの東日本大震災のあった年よりも大幅に少ない。あの悲惨だった09年上半期の3030億ドルと大差ない水準でしかないのである。
円の金額ベースで見ても、あまり意味はない。数量指数は、89.3(世界)と大幅に減少しているのだ。つまり、数が売れてない、ということだ。10%ダウンって、それは大幅に減ったということでしかないわけだ。

勿論、海外生産割合が高いことが影響するだろう。
国内で作って輸出するのではなく、海外で作って海外で売る、そういう方向なのだから、円安効果は大企業の決算報告の円ベースの数値が為替要因で大きくなる、というだけに過ぎない。


そして、その大金を手に入れた大企業が何をしているかと言えば、株主配当を増やすというくらいで、日本経済への貢献度は小さい。特に大問題なのが、子会社の株式配当金なんかが益金不算入みたいな、大企業の持ち株会社優遇の不当な税制だ。法人税の計算に入らない、「利益」として丸儲けになる。それが株式配当金の形で出てゆく。受取手の多くは、従業員なんかではなく、主に海外投資家などだ。


だから、大企業に金を持たせる経済運営そのものが、大失敗につながっているのだということ。
輸出企業がみんな苦戦したからといって、これを毎回毎回優遇してきたんだ。彼らの存在が、日本経済をここまで苦しめることに繋がった、と言っても過言ではない。


為替の調節速度は早いが、賃金や物価の調整速度はそれよりもずっと遅い。
インフレ基調が継続するまで続ける必要があるとしても、今の輸出物価の調整速度では全然追い付かないだろう。国内の賃金が為替レートと同等程度に変動(ドルベースで同じ水準くらい)しない限り、国内物価は中々上昇しない。中国の人件費上昇率を見てないのか?

日本人は、あまりに大人しすぎるのかもしれないな。


それで、大本営発表を「そうですか」と受け入れるのもどうかと思うんだが。



そろそろ「りふれは」の人々は反省すべきでは?

2015年11月16日 16時44分35秒 | 経済関連
これまでの繰り返しになるわけだが。

最近、クルーグマン先生の論説がNYTに出ていたそうですが。非常に興味深い見解だったように思います。


さて、直近のGDP統計では、悲惨な結果が並んでいるわけだが、勇ましく「インフレ目標を達成できなければ、辞任だ!!」と豪語していた人たちは、どこに行ったのでしょう?


副総裁をして、日銀を辞めるという決意でやると言わしめたわけで、そのような強硬な「インフレターゲット」政策を掲げていた連中がいたのではありませんか?


賃金要因についても、これまで繰り返し述べてきたが、反対派はどこに行ったんだ?


山形浩生氏も何か意見があるのではないかと思うが、どうなんだろうか。


13年4月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/dca1c41877ee493600a1ccb477e15206



13年9月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/1d9cf32bef8fc2e6a233bd2615681ae4

2年以上前に警告していたことが、今まさに現実になっているでしょう?
所詮は、そういうもんなんでしょうな。

つまり、ド素人以下の連中しかいなかった、ということですわ。
日本の経済ナントカの中身を知るにつれ、幻滅というか残念というか、もうね、これではダメなわけだな、と思いましたわ。


1つ、マシなことをやっても、他でダメダメなことを3倍とか5倍とかやってしまう。
だから、良くならない。

で、別な1手をまたやる。
その数倍の失敗を積み重ねる。

そうして、また逆戻りの失敗。


もうね、本当に愚か者たちのやり方を見てると、これではまあ、いかんですわ、と思うにきまってる。
だって、素人よりもバカなんだもの。


13年5月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/72ddfdab9c1296d95ef576487defe9bf


繰り返し言っても、多くは失敗に至るまでは「分からない」んだわ。
間違っているということが、理解できないんだわ。


13年10月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/b3eb998d5d58a417e703e758b7a50cf3


規模の大きい法人に流れ込んでいる資金を吐き出させない限り、資金循環は変わらない。実効税率は大企業ほど儲かるシステムだから。


バラマキとか言われるのを避けたいなら、子会社の株式配当金とかに課税を多くする等、大企業に圧倒的に有利な税制を改めさせない限りは、日本経済は再生しない。巨大企業にこそ金が溜まり、そこで滞っているからダメなんだ。その資金の一部を個人へ振り向けるような政策変更が必要。バラマキ先は、学費支援を拡大するとか、子育てに重点配分するとか、いくらでもやれる。社会保障費が伸びるのがダメなんだ、って言うけど、高齢者が3人に一人なら、その分野の需要が増大することになるのは必定であり、これを無理に抑制することによりかえってマイナス要因となっていることに気付くべきである。年金保険料を抑制したいなら、年金制度の見直しが必要であって、これは産業ではないだろ。医療や介護は、それ自体が成長産業であることに変わりないわけだよ。
だって、潜在消費者としての対象が、かつて1000万人以下だったものが、3倍とか4倍に膨れ上がっているんだぞ?

自動車免許だって、そうだったろ?
免許を持ってた人は10%の時代と、ほぼ90%以上という時代では、自動車の潜在購買層というのは数が違うだろ?だから、一定程度の需要が毎年発生するんだろうに。


ここで、何故医療や介護が社会の需要に応えることを認めないわけ?
大企業でなく、病院や医療従事者とかに金が行くからか?


真のフリーライダーは、労働者の労働力を搾取し、賃金を上げないばかりか、下請けの経費を叩き切り、不正規雇用で社会保険料を払わずに済ませる、極少数しか存在しない、1%にも満たない法人を優遇しているせいで、日本経済は沈んでいるんだよ。

商売の理屈すら分かってない無能な経団連のアホどもなんかが、色々と口出しした結果が、この20年の失敗の結果だったんだ、ってことを、もう一度直視するべきである。




続々・安倍政権の経済政策失敗は想定通り~連続マイナス成長達成

2015年11月16日 11時53分50秒 | 経済関連
財務省が「統計数字が違うんじゃないか?」と、自らの無能と失敗を認めなくない気持ちは分からないではない。
だが、実力テストみたいな試験結果の点数というのは、自分が信じたくないと思っても、数字は数字なんだわ。その結果を受け止めるよりないんだよ。過去と同様に、成績は最低であり、落第ですね、ということだ。江戸時代の幕府の武士たちより、頭が悪いかも。


で、前四半期に引き続き、7-9月期も連続マイナス成長を達成してくれました。アベノミクスを喧伝しておった連中は、早速の沈黙ですかな。
「りふれは」どもの言い訳はまだですか?(苦笑)←某下衆連中の得意な表記をパクってみました。


>http://jp.reuters.com/article/2015/11/16/gdp-idJPKCN0T500120151116

[東京 16日 ロイター] - 内閣府が16日発表した7─9月期国民所得統計1次速報によると、実質国内総生産(GDP)は前期比マイナス0.2%、年率換算でマイナス0.8%だった。4─6月期の前期比マイナス0.2%に続き2四半期連続のマイナス成長となった。設備投資と在庫投資が足を引っ張った。中国など新興国減速の影響で企業部門の慎重姿勢が強まったとみられる。消費や輸出は持ち直したが力不足だった。

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日本というのは、本当にバカと無能しか上の方にいないということなのでしょうね。政界だけじゃなく、官僚たちも経済界でも同様、これほどまでに愚かであることが、信じ難いわ。
何度も「気を付けろ」って言っても、無駄に終わるんだわ。頭がおかしいんじゃないか。

庶民のせいではない、エリート面した社会も世間の事も物事についても、無知無能な連中が集まっているからこそ、総体としての「大失敗」しか達成できないのだよ。


特に被害拡大をもたらしたのは、経済界のアホどものせいだな。
寄生虫みたいな官僚主義的大企業幹部がヘタに政治力を持ってしまっているが故に、経営面での失敗と同様に日本経済をもダメにすることに加担し被害を拡大させたということ。


多重債務者は減少したか~再論

2015年10月13日 20時31分03秒 | 経済関連
久々だが、丁度記事が目に留まったので。


>http://cards.hateblo.jp/entry/major-cf-kozasu2014/

(一部引用)

こちらでの数字では、無担保無保証で借入を現在行っている人の人数は1141万人だそうです。内訳は下記の通り。

1件借入がある方:748万人
2件借入がある方:252万人
3件借入がある方:95万人
4件借入がある方:32万人
5件以上借入がある方:14万人


======


借入人数の数字を見てはいなかったので、どういう経過だったかは分からなかった。

ただ、傾向はつかめているね。
端的に言えば、多重債務者は減少し、2件以下の借入者は増加した、ということだな。


08年2月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/0e825b7cf95256f379d12c79eb28d4f2

当時は全情連のデータで、現在のJICCとかっていうのとちょっと違うんだけど。

(再掲)

1社借入は約500万人で約16万人増加、2社は約240万人で7万人増加、3社は約155万人で0.7万人減少でほぼ横ばい。つまり、金利引下げで貸付残高の少ない層への貸出は増加する、ということだろうかね。よく判らんけど。
傾向が出ているのは、借入件数の多い層だ。
4社借入は約108万人で8万人減少、5社以上借入は約125万人で51.4万人減少だった。


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この文から数字を拾って、前記14年の数字と比較すると次の通り。

          現在は
1件借入:500万人  +248万人
2件借入:240万人  -12万人
3件借入:155万人  -60万人
4件借入:108万人  -76万人
5件以上:125万人  -111万人


要するに、1件借入者が大幅に増加して、複数社借入の人は軒並み減少し、特に多重債務と呼ばれる人たちの減少効果が大きかった、ということだな。
結果的には、自己破産件数が減少し、闇金被害も大きく減った。

全体の人数は、約30万人減少にとどまる。
池田信夫は800万人だか900万人減少する、って断言してなかったか?(爆)


参考:

08年6月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/e4e2696b999eedf33c1b52124e2c00ef


石井孝明のような者もいたな。

12年8月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/8a30dbf0fe59d2a7034e51f93f30360a


日本という国においては、まず、こういう池田信夫や石井孝明のような、屁理屈にもなっていないデタラメ言説をばら撒く連中がいて、そういう連中の影響力の方が大きいのだな。


その上、経済学の知識とかいう、ヘンな理屈を掲げる連中にしても、まともな判断をできない上に、検討の邪魔を平気でやってくる無能学者気取りが大勢いるんだ。


現実を見てみろよ、現実を。
嘘つきって、やっぱり治らないんだね。嘘を言っている、という自覚すらないのだから。



今が、結果なんじゃないのか。
恥ずかしくはないのか?
間違いはどこにあったか、検証した人間はいたか?(笑)


まあ、所詮は素人以下の無能な連中ばかりだから、誰一人として反省も検証もできんのだろうけどな。


日本という国に、「経済学」なんか存在してるのか?
その知識だか、論理だか、役立つものとか、政策決定に活かされているとか、本当にあるもんなのか?


オレには、到底そうは思えんね。

圧倒的大多数が、無能、正しく理屈を理解できてなくて、使いこなすことなど夢のまた夢。
逆に間違いを言い続ける分だけマイナスなんだよ。仕事量ゼロより悪い。
正真正銘の役立たず。

マイナスの仕事をする人間って、足を引っ張るから、いない方がマシなの。

レンガ積む仕事があるとするだろ?
するとだな、こっちが必死で正確に積んで行こうとやっているのに、クソ無駄な無能なバカが、全く間違ったデタラメの方法で積んでいくわけだ。
脳みそがぶち切れそうになるけど、その間違って積み上げた部分を、また、崩して、レンガを綺麗にして積み直すわけ。
な?分かるだろう?

無能のバカがいなけりゃ、自分だけで積むからまだマシなの。けど、バカのやったマイナスの仕事のせいで、崩して、綺麗にして、積み直すから、ゼロから積むより仕事が増えており、いない方がマシなんだわ。


日本の経済関連の人間たちの多くが、この「マイナスの仕事しかできない、バカ」なのだよ。
まともに使える人間って、あんまり知らない。
というか、そんなにまともな学者が揃っていたなら、日本がこういう経済運営で来るなんてことはあり得ないわけで。


それでも、日本の経済ナンチャラとかいう連中の多くは、目が覚めないんだそうだ。
ちょっと考えてみれば、ある程度は分かりそうなことが、何故か無能のトンチキ連中には分からないんだそうだ。世間の人々も、そういうトンチキの権威に騙され続ける、と。そうして、失敗の拡大再生産。


終わってるな。



続々・安倍政権の経済政策失敗は想定通り

2015年10月01日 18時40分11秒 | 経済関連
続きです。

9/4>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/4ce500be71ce45add18a673e655545b9
9/7>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/42c0ee78ccb210bbf47b0ddb443061e3


マイナスだぞって言っているのに、それでもなお「いやいや、これからだ、調子が出てくるのはこれからだ」みたいな、寝言を言う連中の脳みそがどうなっているのか、本当に見てみたいわ。

月例経済報告8月
>http://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2015/0826getsurei/main.pdf


速報値でマイナス成長だった後ですら、こういう危機感のないおバカ脳が政策判断をやっている、ということだわな。
>http://www.asahi.com/articles/ASH8V4J2CH8VULFA00Q.html


世の中に対しては、『個人消費は底堅い動き』だの、『緩やかな回復基調が続く』だのという、官庁のバカ作文をマスコミを通じて拡散する、と。8月26日だったので、中国経済が、とか世界中の株式市場が暴落か、とか、既に情報は分かっていた時期であるにも関わらず、である。

で、1カ月経過して、どうなった?
>http://jp.reuters.com/article/2015/09/30/gdp-idJPKCN0RU0EY20150930?sp=true


連続のマイナスか、と危惧されとるではないか。
そんなもん、難しい経済学とか知らなくても、ごくごく普通の常識があれば、誰でも分かる程度の「景気悪いよね」だろ。


もうね、本当に、バカって、永遠にバカのままで、いくら警告しても治らないから、どうしようもないね。


前から言ってるが、この国には、普通に、普通のことが考えられる人材というものが、経済界隈とか政策界隈にも、全く存在してないということだな。


14年11月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/0eddb4d096a471ac1a7e3510d1aa3e13


しかも、何から何まで判断が遅い、動きが鈍い、バカばっかり揃っているから、事態悪化をただ手をこまぬいて傍観しているのみ。

こんなんだから、世界のビジネスから置いていかれるんだろ。
どうして、政府にはこういういかれポンチしかいないんだ。経済を知らないアホな連中が、何故政策を司り、失敗ばかり積み重ねられるんだ。この国は、普通じゃないわ。

果てしなく、愚か。
とことん無能。頼んでも、ここまで無為無策の失敗を重ねることはできんわ。
大阪のおばちゃん団体に任せた方がはるかにマシ、というレベル。


看板はずせ。
無能集団に存在価値など、ないわ。



続・リフレ?一派の暗黒史

2015年09月21日 23時39分18秒 | 経済関連
最近来日されたらしく、ちょっと話題になっていたようなので。


via >https://twitter.com/shavetail/status/645712598051090432


>http://d.hatena.ne.jp/himaginary/20150921/japans_economy_crippled_by_caution

(一部引用)


これまでの疑わしい達成結果について驚くべきは、実際にはデフレと闘う絶対確実な方法が存在する、ということにある。即ち、紙幣を印刷する際、それを資産を買うのに使うのではなく、モノを買うのに使う、ということである。つまり、輪転機で支払われる財政赤字を計上せよ、ということだ。
お好みとあらば、中央銀行が古い債務を買い上げる一方で新しい債務を発行することにより、赤字財政を洗い替えすることもできる。経済学的にはそれは何ら違いをもたらさない。
しかし誰もこの明白なことをしようとはしない。むしろ世界中の先進国の政府は、財政緊縮策に取り組んでいて、中央銀行が経済の梃入れを図っている中、却って自らの経済を押し下げている。安倍氏は世界の大部分の政権よりは非伝統的であったが、彼でさえ、無分別な増税によって自分の政策プランを後退させてしまった。



=======


クルーグマンの論説で、紙幣印刷でモノを買う、の例示があったようである。
これは、拙ブログでも、既に書いたことがあるのをご記憶の方もおられるかもしれない。


13年3月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/6890b766733008cae666b26deca52197


安倍政権誕生直後、アベノミクスで吹き上がっていた連中が大挙して観察された時期である。黒田日銀も発足したばかりで、「りふれは」達は勝利を誇り、期待感を膨らませていた時だ。


当時、拙ブログには次のように書いた。

(再掲)


③財政政策批判はどこまで妥当なのか?

金融政策の重要性を説くことは別にいい。だが、リフレ原理主義的な連中というのは、まるで「やること自体が間違い」みたいに決めつけるわけだが、本当に検討した結果なのだろうか?

また例で考えてみよう。
有名な「ヘリマネ」という話があるだろう。お金をヘリコプターから播けばいい、という思考実験的な喩え話だ。バーナンキ背理法なんかにも通じる話である。

これには必ず言外の前提というものがあるはずだ。
それはどういうことか?
「もらったお金を人々が使うであろう」
というものである。


木の葉が降ってきたら、どうするか?
箒で掃いて、ゴミ袋なんかに入れてしまうだろう。そう、そのまんま、だ。燃やしてしまう人もいるかもしれないが、木の葉を店に持って行って支払う人はいないだろう。
では、お金が降ってきたら?(笑)
まあ、普通は使ってしまう。だけど「お金の量を増やせば、物価が上がる」という直結状態ではない、という場合が存在する、ということを考慮しておく必要があるはずだろう、ということを言っているのである。


お金を貰った人がきっと使ってしまう、そういう暗黙の了解が存在していないと、ヘリマネの議論は成り立たないし、バーナンキ背理法も同じく通用しないだろう。お金を受け取った人が、ポリ袋に入れて木の葉の如く退蔵しているとか、お財布か貯金箱に入れたまんまでどこにも使わなかった場合、物価は上昇しない。だから、単純にベースマネーを増やして、日銀金庫に大量の眠らせてあっても、世の中の資金量(循環)には殆ど影響を与えない、ということがあり得るだろう、ということに注意する必要があるのではないか、と言っているのである。


「貰ったお金は必ず何かに使う」という前提が必要なのである。
お金を貰って使う立場が誰か、ということで場合分けができる。
政府が使えば、公共事業なんかの様々な政府支出となる。一般の個人が使う場合には、減税、給付金、医療費補助や生活保護費等々になるだろう。企業が使う場合というのは、法人税減税、研究開発費等補助金、中小企業対策費などである。日銀が使う(というのが妥当な表現かどうかは不明だが)場合には、各種資産買入ということになる。


ヘリマネは大袈裟な表現ではあるものの、具体的政策として考えるなら定額給付金に近いもの、ということになるだろう。そして、通常は「使わずにはいられない」ということであり、何か食べるとか買うということで、使えば需要増大が起こる。そのことがデフレ圧力を改善するはずだ。しかし、誰一人全く使うことなく保管されてしまうと「貨幣供給は増大したのに物価は不変」ということになる。


従って、お金を使う経路、というのがどういうものになるか、というのは考える必要があるはずなのだ。財政政策なしでいいという場合には、政府、個人、企業が使う立場になることを否定するわけであり、その場合には日銀が資産購入に充てるよりない、ということになってしまう


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盲信してた人たちは、経済学の御旗を掲げて、財政政策を徹底的に否定していたのではなかったか。
マンデルフレミングモデルなんかを知らんのか、と罵倒し、クラウディングアウトや円高を招くから外需減で効果がないんじゃボケが、みたいな意見を言ってなかったか?

彼らは、以前よりはるかに円安になったのに、輸出苦戦をどう説明してくれるか、財政政策の意味をどう解釈するのか、聞いてみたいものだね。


クルーグマン先生のご意見は、当方の発想とはそう遠くないようにも思えますが、うぬぼれでした、すみません。


「りふれは」は過去の反省会をやったのかな?
何が妥当性が高く、何が悪かったか、どうして言わないのだね?


自分たちの言説を振り返ることがなく、反省の弁もなく、主張の変更宣言もないとなれば、ただの狂信集団であったということになりかねないのでは?


まあ、彼らの言い分というのは、学問ではない、ということなのかもしれないね。
無能な経済学部とか、ホント無駄ではないかと小言を言いたくはないが、かなり危ないわな。まさしく存立危機事態w


参考:http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/fc25e12cbdfd9f782b223b9d4213527c