今まで検討してきた新しい社会保障制度に影響を与える重要な事項について考えてみます。
総務省統計局の統計データを見てみましょう。
「日本の統計」第2章
この中の「人口推移と将来人口」を調べてみますと、いくつか重要なことがわかります。
1 2007年以降総人口は減少し、2025年では1億2千万人以上います(20年で約600万人減少)が、それを過ぎると減少が加速し、次の5年間(2025~2030)で350万人程度減少、次の10年間(2030~2040)では820万人減少となります。
2 いわゆる労働可能な人口(15~65歳)が今後10年間で約730万人減少、次の10年間では約500万人減少、次の15年間(2025~2040)では約1130万人減少してしまう。
3 2040年以降高齢者比率が3人に1人以上になり、この現象が持続する。
総人口の減少は、消費支出総額の減少要因となり得ますね。このため、消費税の収税額が減少する可能性がある、ということになります。国庫の収入が減少しても、支出を同程度削減できるかはわかりません。提供されるサービスが必然的に減少するもの(例えば児童福祉関係や学校補助金等でしょうか)もあると思いますが、道路や橋の補修費とか図書館や美術館といった公共施設の維持費用等は、人口の増減によらず同じくらい必要になってしまうからです。
2025年頃以降の人口減少に対して、国民生活が適応できるように今後の20年間で準備しておかなければならないでしょう。
2の労働力人口の減少についてですが、今後10年間で730万人の減少は団塊世代が退職を迎えるためでしょう。この結果、若年層の就業や完全失業などの雇用環境は改善され、雇用の実需は増加しますが、現在就業していない人達でカバーされるでしょう。もしリストラされても次がすぐ見つかるようになるということです(ラッキー!)。2025年頃までの減少数であれば、女性の就業比率の増加や、高齢者の就業、フリーターやパートの方が減少し正社員等になるなどの1人当たりの労働能率の向上によってカバーされると思います。
しかし、2025年以後約380万人/ 5年のペースで減少が続いていきます。この労働力をどのように補うのかは不明です。労働能率や時間延長では労働者個人に負担がかかるでしょう。外国人労働者を入れるか、あとは例えば製造業は工場をすべてなくして海外生産にするとかでしょうか。産業構造も大きく変わるかもしれませんね。少しだけ残った一次産業、主に管理部門や研究開発に集約された戦略的二次産業、そして大多数の三次産業ということになるかもしれません。
労働力人口の大幅な減少は、企業の新税負担額の減少につながる可能性があります。これは給与総額が減少したりすることによる課税減少によるものです。
2025年頃までの労働力人口減少は、非就業者が少なくなることや1人当たり平均賃金の上昇(パートやアルバイトが減少して正社員等の給与水準の高い割合の増加による)により相殺され、企業の税負担額に大きな変化はもたらさないのではないかと推測されます。2025年以後の労働力人口減少については、外国人労働者の流入なら実質的に給与総額は大きな減少とはならないでしょうが、製造部門の海外移転などが中心になると国内の給与総額は減少し、企業負担は減少する可能性が出てきます。
このため、2025年頃までに企業の課税方式を適正に検討する必要があるでしょう。日本国内本社のグローバル企業には、従業員数とか給与総額よりも連結総資産や経常利益に比重を置いた課税とする等が考えられます(以前の記事参照、カテゴリー:社会保障問題)。
最後に3の高齢者比率が増加して33%を超えることですが、その現象が人口推計ではその後50年以上続くと予想されています。
これは高齢者医療費が、かなり長い年月にわたって高い水準で必要になるということを示しており、社会の全人口構成の3分の1を占める人達に医療費の自己負担を減額するという特典を与えるということを、その他の人々がいつまで許容できうるかはその時が近づいてみないと何とも言えません。
個人負担の公平さを考慮すると、いずれ医療費の自己負担は全員均等に近くなり、どうしても社会的扶助が必要な人々に対しては社会福祉的資金を援助するという形になるかもしれません。
このように検討してみると、ちょっとした考えが浮かびます。
例えば高齢者ビジネスですが、色々な分野で参入が始まっているんでしょうけれども、これからの10~15年を過ぎたあたりでは結婚式よりもお葬式の方が多かったりするんじゃないだろうか?ってことは、葬儀ビジネスは実需がどんどん増加するから儲かったりするんじゃないかな?なんて。不謹慎と非難を受けそうですね。
あとは、年金保険料払わないでやり過ごそうとしてきたアリ派でなく、キリギリス派の方々。確かに今の制度では貰える保証ないし、年取ったら生活保護を受ければいいんだよーなんて思ってたりするのかな?でもそれはビンボー生活を覚悟しなけりゃならんだろうね。
その時代には元気な年寄りとかもきっと今以上に沢山いたりして、活動的な年寄りとか普通にいるんだろね。そうなると、世間は今みたいに年寄りに甘くはなくなってるかもしれないし。ナンパしてるじいさんとか増えちゃったりするのかな。
追記(12/1)
(一ヶ月ほど前に書いた古い記事ですので、TBのために書き足します。卑怯者呼ばわりされるかもしれませんが、始めて2ヶ月未満の初心者ということでどうかお許しくだされ。)
高齢者の音楽嗜好も将来変わっているかもしれませんね。演歌は非常にマイナーとなり、ラップ爺さんとか踊りまくる婆さんとかが増えるのかも?健康的な高齢者であれば嬉しいですが。でも、私自身はこの仲間入りは出来ないと思います。だって、リズム感悪いし、忘年会のかくし芸でも部下の若者に踊りを教わっても全然うまく出来ない上に覚えが悪すぎ!恥ずかしいですから!切腹!
総務省統計局の統計データを見てみましょう。
「日本の統計」第2章
この中の「人口推移と将来人口」を調べてみますと、いくつか重要なことがわかります。
1 2007年以降総人口は減少し、2025年では1億2千万人以上います(20年で約600万人減少)が、それを過ぎると減少が加速し、次の5年間(2025~2030)で350万人程度減少、次の10年間(2030~2040)では820万人減少となります。
2 いわゆる労働可能な人口(15~65歳)が今後10年間で約730万人減少、次の10年間では約500万人減少、次の15年間(2025~2040)では約1130万人減少してしまう。
3 2040年以降高齢者比率が3人に1人以上になり、この現象が持続する。
総人口の減少は、消費支出総額の減少要因となり得ますね。このため、消費税の収税額が減少する可能性がある、ということになります。国庫の収入が減少しても、支出を同程度削減できるかはわかりません。提供されるサービスが必然的に減少するもの(例えば児童福祉関係や学校補助金等でしょうか)もあると思いますが、道路や橋の補修費とか図書館や美術館といった公共施設の維持費用等は、人口の増減によらず同じくらい必要になってしまうからです。
2025年頃以降の人口減少に対して、国民生活が適応できるように今後の20年間で準備しておかなければならないでしょう。
2の労働力人口の減少についてですが、今後10年間で730万人の減少は団塊世代が退職を迎えるためでしょう。この結果、若年層の就業や完全失業などの雇用環境は改善され、雇用の実需は増加しますが、現在就業していない人達でカバーされるでしょう。もしリストラされても次がすぐ見つかるようになるということです(ラッキー!)。2025年頃までの減少数であれば、女性の就業比率の増加や、高齢者の就業、フリーターやパートの方が減少し正社員等になるなどの1人当たりの労働能率の向上によってカバーされると思います。
しかし、2025年以後約380万人/ 5年のペースで減少が続いていきます。この労働力をどのように補うのかは不明です。労働能率や時間延長では労働者個人に負担がかかるでしょう。外国人労働者を入れるか、あとは例えば製造業は工場をすべてなくして海外生産にするとかでしょうか。産業構造も大きく変わるかもしれませんね。少しだけ残った一次産業、主に管理部門や研究開発に集約された戦略的二次産業、そして大多数の三次産業ということになるかもしれません。
労働力人口の大幅な減少は、企業の新税負担額の減少につながる可能性があります。これは給与総額が減少したりすることによる課税減少によるものです。
2025年頃までの労働力人口減少は、非就業者が少なくなることや1人当たり平均賃金の上昇(パートやアルバイトが減少して正社員等の給与水準の高い割合の増加による)により相殺され、企業の税負担額に大きな変化はもたらさないのではないかと推測されます。2025年以後の労働力人口減少については、外国人労働者の流入なら実質的に給与総額は大きな減少とはならないでしょうが、製造部門の海外移転などが中心になると国内の給与総額は減少し、企業負担は減少する可能性が出てきます。
このため、2025年頃までに企業の課税方式を適正に検討する必要があるでしょう。日本国内本社のグローバル企業には、従業員数とか給与総額よりも連結総資産や経常利益に比重を置いた課税とする等が考えられます(以前の記事参照、カテゴリー:社会保障問題)。
最後に3の高齢者比率が増加して33%を超えることですが、その現象が人口推計ではその後50年以上続くと予想されています。
これは高齢者医療費が、かなり長い年月にわたって高い水準で必要になるということを示しており、社会の全人口構成の3分の1を占める人達に医療費の自己負担を減額するという特典を与えるということを、その他の人々がいつまで許容できうるかはその時が近づいてみないと何とも言えません。
個人負担の公平さを考慮すると、いずれ医療費の自己負担は全員均等に近くなり、どうしても社会的扶助が必要な人々に対しては社会福祉的資金を援助するという形になるかもしれません。
このように検討してみると、ちょっとした考えが浮かびます。
例えば高齢者ビジネスですが、色々な分野で参入が始まっているんでしょうけれども、これからの10~15年を過ぎたあたりでは結婚式よりもお葬式の方が多かったりするんじゃないだろうか?ってことは、葬儀ビジネスは実需がどんどん増加するから儲かったりするんじゃないかな?なんて。不謹慎と非難を受けそうですね。
あとは、年金保険料払わないでやり過ごそうとしてきたアリ派でなく、キリギリス派の方々。確かに今の制度では貰える保証ないし、年取ったら生活保護を受ければいいんだよーなんて思ってたりするのかな?でもそれはビンボー生活を覚悟しなけりゃならんだろうね。
その時代には元気な年寄りとかもきっと今以上に沢山いたりして、活動的な年寄りとか普通にいるんだろね。そうなると、世間は今みたいに年寄りに甘くはなくなってるかもしれないし。ナンパしてるじいさんとか増えちゃったりするのかな。
追記(12/1)
(一ヶ月ほど前に書いた古い記事ですので、TBのために書き足します。卑怯者呼ばわりされるかもしれませんが、始めて2ヶ月未満の初心者ということでどうかお許しくだされ。)
高齢者の音楽嗜好も将来変わっているかもしれませんね。演歌は非常にマイナーとなり、ラップ爺さんとか踊りまくる婆さんとかが増えるのかも?健康的な高齢者であれば嬉しいですが。でも、私自身はこの仲間入りは出来ないと思います。だって、リズム感悪いし、忘年会のかくし芸でも部下の若者に踊りを教わっても全然うまく出来ない上に覚えが悪すぎ!恥ずかしいですから!切腹!