これも、大変大袈裟な感じで、あたかも保険会社が意図的に支払いを拒否したり、払うべきはずの保険金を払わなかったかのように報じられていますが、本当にそうなんでしょうか?
確かに、払いたくないから敢えて拒否みたいなことは、ごく一部にはあったかもしれませんが、もし全部がそうであるなら保険会社の殆どは潰れるでしょう。誰も信用しなくなり、加入する人たちはいなくなりますよ。加入者たちも一斉に解約手続をするかもしれませんよね。でも、現実には殆どの場合において、貰うものは貰えているからこそ、保険会社も保険も続いているのではないかな、と思います。
Yahooニュース - 毎日新聞 - <生保不払い>大手4社で100万件400億円規模に
(一部引用)
金融庁の命令を受けて生命保険各社が進めている保険金の不払い調査で、日本、第一、住友、明治安田生命保険の大手4社の不払い件数が100万件、金額が400億円規模に達する見通しであることが27日分かった。大手4社は来月5日に金融庁に調査結果を報告するが、金融庁が調査不足と判断して再調査を命じる事態になれば、さらに不払いが大幅に増える可能性もある。
大手4社の不払い件数は、調査途中の4月中旬には合計で20万件、163億円とされた。しかし、調査が進むと、1件当たりの支払い金額が数百万円となる3大疾病特約の不払いが大幅に増え、さらに4月の時点では手つかずだった通院給付金の不払いも、各社とも10万件前後に達した。
◇◇
こう言ってはナンだが、大した額でもないんじゃないの?100万件ですから、平均で1件当たり4万円くらい、ってことですよね?これは加入者が「申請しなかったので」保険会社が気付かなかった、というものなんですよね?そんなに大袈裟に言う程のことなんでしょうかね。
例えば、生命保険に特約がついていて、入院して手術を受けた後で退院してからも通院日数があった、みたいなもので、入院期間中の分だけ申請していて、その後の分は手続をしていなかった、というようなことなんですよね?そんなの加入者が注意を怠った部分が大きいのですから、しょうがないんじゃないですか?確かに契約内容が複雑だとか、特約までは細かく憶えていないとか、色々とあるかもしれないけれども、忘れたのは加入者にも責任がありますよ。まるで保険会社が全て加入者たちを騙していたかのような印象を与えるのは良くないと思いますよ。
こういう手続をする場合、申請用紙を保険会社から取り寄せて、自分が入院していた病院に提出して記載してもらい、それを保険会社に提出するんだろうと思うけれど、「退院するまでに記入しておいてもらえませんか」みたいにお願いしてるなら(精算とか何かの都合上?なのか判りませんけど)、退院する時に用紙を受け取ってしまうので、その後の通院分を忘れる、みたいなことはあるかもしれません。それに、通院終了時にまた書類を提出し、それを受取ったりする手間暇みたいなのが面倒なので、別にいいか、みたいに思ってる人もいるかもしれないでしょ。文書料を取られたり、交通費かかったり、先生に会ってお願いしたりする時間とか、そういうモロモロが面倒だな、とか思うことは不思議じゃないし。ただ単にうっかり忘れたりしてるだけかもしれないし。
要するに、こうした手続関係を各個人が網羅するというのは中々大変だし面倒だ、ということ。ならば、それら手続きを一括でやる、みたいにしておけばいいけれど、そうなれば保険料が上がるとか代行手数料がとられてしまうのは当然なんですよ。保険会社の方では、いちいち誰が何回通院した、とか、判らないんだから、基本的情報(手術したか、しなかったか、とか、通院何回した、とか、してないとか)を保険会社に全て加入者が伝えない限り知りようがない。毎回毎回、退院した後に通院はありましたか、みたいに確認することはできるかもしれませんが、相談する分だけ高い値段設定にしておくならばいいと思うけど。
証券会社の口座管理料みたいなもので、あれこれ相談したりアドバイスして欲しい人は高い金額を取られるし(職員の時間とか手間暇を消費するのだから当然だな)、ネット証券みたい全部自分でやりたいです・できます、という人は人的コストが少ない代わりに安い値段設定になっているのだから、加入者が「自分の契約について正確に知らなかった、自分でできなかった」みたいに言う人は自分だけ高い金額を払うべきだろう。今回みたいな騒動のせいで、自分できちんとできてる人たちの保険料まで値上げされたりするなら、いい迷惑というものだ。保険会社も証券会社みたいに、手取り足取り全部お任せでやってあげるシステムと、加入者が自力でやるシステムと分けておいた方がいいんじゃないかな。
普通の公的健康保険制度にしても、例えば「高額医療費」の払い戻し制度なんて、原則自分で手続に行かないと「あなたは払い戻しが受けられますので取りに来てください」なんてご案内は来ないわけですが。海外での疾病とか傷害なんかの給付にしても、手続は自分でやらないと誰も教えてくれないと思いますけどね。死亡後の給付にしてもそうじゃなかったかな。何で公的健康保険制度でやってないことを、民間に強制するのかちょっと疑問なんですよね。税金の還付申告にしても、全て「自力で手続」しない限り、税務署に取りに来てください、なんていうご案内はしてくれないんですけどね。知らなかった、というのは理由にはならんでしょう?普通。何で教えてくれなかったんだ、みたいに税務署に誰も怒鳴り込んでは行かないでしょう?住宅関連の減税にしても、忘れてるとか知らないとか、難しくてよく判ってないので自分で出来ないとか、事情が色々あるとしても、役所で不動産登記したら自動的に教えてくれる、とかもありません。誰も手続をしてくれたりしないんですよ。自分でできないのであれば、税理士みたいな誰かに還付申告を代行してもらうしかなく、その分は「料金を取られる」ことになるのですよ。サービスの向上を求めるのであれば、その分は高くなってしまっても止むを得ないということなんですけどね。
でもこれが民間保険会社となると、何故これほどまでに完璧を求めるのか不思議ではある。忘れたのは加入者であって、保険会社側には大きな落ち度というものはあまりなさそうに思えるけど。いや、勿論、加入者全部に「漏れはありませんか、○○は大丈夫ですか」みたいにチェックしろ、ってことは有り得ると思うけど、そういう「上等なサービス」を義務化するならば、その分は上乗せコストが掛かるのを覚悟しているならいいんですけどね。
こうした「契約してるんだからお前らの責任だろ、こっちは客なんだよ、客にサービスするのは当たり前だろ」的な発想は、あまりに行き過ぎると「モンスターpatient」なんかと同じ感じだなと思うわけですよ。保険会社がみんな悪意を持っていたり、重大な落ち度で不払いだったのではなくて、加入者側からの情報提供とか聞く・尋ねるみたいな基本的コミュニケーション不足ではなかろうか、と思うのですよ。もしも、全件で「意図的な不払いだった、加入者を騙した」みたいに言われるのであれば、公的年金も健康保険制度も税関係も、ほぼ全部が「不払いが常態化」「国民を欺いてきた」ということになってしまうでしょう(笑、事実そういう部分が明るみに出ているわけで)。
知らない、ということは、基本的には個々人においても責任を負わねばならない部分がある、ということです。それを回避する為には、代理人のような誰かに依頼するとか、できる人にそれをお願いすることになり、その分のコストは「知らない人」が支払わねばならない、ということです。
確かに、払いたくないから敢えて拒否みたいなことは、ごく一部にはあったかもしれませんが、もし全部がそうであるなら保険会社の殆どは潰れるでしょう。誰も信用しなくなり、加入する人たちはいなくなりますよ。加入者たちも一斉に解約手続をするかもしれませんよね。でも、現実には殆どの場合において、貰うものは貰えているからこそ、保険会社も保険も続いているのではないかな、と思います。
Yahooニュース - 毎日新聞 - <生保不払い>大手4社で100万件400億円規模に
(一部引用)
金融庁の命令を受けて生命保険各社が進めている保険金の不払い調査で、日本、第一、住友、明治安田生命保険の大手4社の不払い件数が100万件、金額が400億円規模に達する見通しであることが27日分かった。大手4社は来月5日に金融庁に調査結果を報告するが、金融庁が調査不足と判断して再調査を命じる事態になれば、さらに不払いが大幅に増える可能性もある。
大手4社の不払い件数は、調査途中の4月中旬には合計で20万件、163億円とされた。しかし、調査が進むと、1件当たりの支払い金額が数百万円となる3大疾病特約の不払いが大幅に増え、さらに4月の時点では手つかずだった通院給付金の不払いも、各社とも10万件前後に達した。
◇◇
こう言ってはナンだが、大した額でもないんじゃないの?100万件ですから、平均で1件当たり4万円くらい、ってことですよね?これは加入者が「申請しなかったので」保険会社が気付かなかった、というものなんですよね?そんなに大袈裟に言う程のことなんでしょうかね。
例えば、生命保険に特約がついていて、入院して手術を受けた後で退院してからも通院日数があった、みたいなもので、入院期間中の分だけ申請していて、その後の分は手続をしていなかった、というようなことなんですよね?そんなの加入者が注意を怠った部分が大きいのですから、しょうがないんじゃないですか?確かに契約内容が複雑だとか、特約までは細かく憶えていないとか、色々とあるかもしれないけれども、忘れたのは加入者にも責任がありますよ。まるで保険会社が全て加入者たちを騙していたかのような印象を与えるのは良くないと思いますよ。
こういう手続をする場合、申請用紙を保険会社から取り寄せて、自分が入院していた病院に提出して記載してもらい、それを保険会社に提出するんだろうと思うけれど、「退院するまでに記入しておいてもらえませんか」みたいにお願いしてるなら(精算とか何かの都合上?なのか判りませんけど)、退院する時に用紙を受け取ってしまうので、その後の通院分を忘れる、みたいなことはあるかもしれません。それに、通院終了時にまた書類を提出し、それを受取ったりする手間暇みたいなのが面倒なので、別にいいか、みたいに思ってる人もいるかもしれないでしょ。文書料を取られたり、交通費かかったり、先生に会ってお願いしたりする時間とか、そういうモロモロが面倒だな、とか思うことは不思議じゃないし。ただ単にうっかり忘れたりしてるだけかもしれないし。
要するに、こうした手続関係を各個人が網羅するというのは中々大変だし面倒だ、ということ。ならば、それら手続きを一括でやる、みたいにしておけばいいけれど、そうなれば保険料が上がるとか代行手数料がとられてしまうのは当然なんですよ。保険会社の方では、いちいち誰が何回通院した、とか、判らないんだから、基本的情報(手術したか、しなかったか、とか、通院何回した、とか、してないとか)を保険会社に全て加入者が伝えない限り知りようがない。毎回毎回、退院した後に通院はありましたか、みたいに確認することはできるかもしれませんが、相談する分だけ高い値段設定にしておくならばいいと思うけど。
証券会社の口座管理料みたいなもので、あれこれ相談したりアドバイスして欲しい人は高い金額を取られるし(職員の時間とか手間暇を消費するのだから当然だな)、ネット証券みたい全部自分でやりたいです・できます、という人は人的コストが少ない代わりに安い値段設定になっているのだから、加入者が「自分の契約について正確に知らなかった、自分でできなかった」みたいに言う人は自分だけ高い金額を払うべきだろう。今回みたいな騒動のせいで、自分できちんとできてる人たちの保険料まで値上げされたりするなら、いい迷惑というものだ。保険会社も証券会社みたいに、手取り足取り全部お任せでやってあげるシステムと、加入者が自力でやるシステムと分けておいた方がいいんじゃないかな。
普通の公的健康保険制度にしても、例えば「高額医療費」の払い戻し制度なんて、原則自分で手続に行かないと「あなたは払い戻しが受けられますので取りに来てください」なんてご案内は来ないわけですが。海外での疾病とか傷害なんかの給付にしても、手続は自分でやらないと誰も教えてくれないと思いますけどね。死亡後の給付にしてもそうじゃなかったかな。何で公的健康保険制度でやってないことを、民間に強制するのかちょっと疑問なんですよね。税金の還付申告にしても、全て「自力で手続」しない限り、税務署に取りに来てください、なんていうご案内はしてくれないんですけどね。知らなかった、というのは理由にはならんでしょう?普通。何で教えてくれなかったんだ、みたいに税務署に誰も怒鳴り込んでは行かないでしょう?住宅関連の減税にしても、忘れてるとか知らないとか、難しくてよく判ってないので自分で出来ないとか、事情が色々あるとしても、役所で不動産登記したら自動的に教えてくれる、とかもありません。誰も手続をしてくれたりしないんですよ。自分でできないのであれば、税理士みたいな誰かに還付申告を代行してもらうしかなく、その分は「料金を取られる」ことになるのですよ。サービスの向上を求めるのであれば、その分は高くなってしまっても止むを得ないということなんですけどね。
でもこれが民間保険会社となると、何故これほどまでに完璧を求めるのか不思議ではある。忘れたのは加入者であって、保険会社側には大きな落ち度というものはあまりなさそうに思えるけど。いや、勿論、加入者全部に「漏れはありませんか、○○は大丈夫ですか」みたいにチェックしろ、ってことは有り得ると思うけど、そういう「上等なサービス」を義務化するならば、その分は上乗せコストが掛かるのを覚悟しているならいいんですけどね。
こうした「契約してるんだからお前らの責任だろ、こっちは客なんだよ、客にサービスするのは当たり前だろ」的な発想は、あまりに行き過ぎると「モンスターpatient」なんかと同じ感じだなと思うわけですよ。保険会社がみんな悪意を持っていたり、重大な落ち度で不払いだったのではなくて、加入者側からの情報提供とか聞く・尋ねるみたいな基本的コミュニケーション不足ではなかろうか、と思うのですよ。もしも、全件で「意図的な不払いだった、加入者を騙した」みたいに言われるのであれば、公的年金も健康保険制度も税関係も、ほぼ全部が「不払いが常態化」「国民を欺いてきた」ということになってしまうでしょう(笑、事実そういう部分が明るみに出ているわけで)。
知らない、ということは、基本的には個々人においても責任を負わねばならない部分がある、ということです。それを回避する為には、代理人のような誰かに依頼するとか、できる人にそれをお願いすることになり、その分のコストは「知らない人」が支払わねばならない、ということです。