エコノミスト誌で日本に厳しい意見が出されていたらしい。
ロイズ保険がイグノーベル賞を受賞したと私ごときに書かれたことが、相当気に障ったのだろうか(笑)。
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日本の構造を問題にする前に
それとも、英国病で長期間の低迷に苦しんだかつての大英帝国を、日本が抜き去ったと書かれたことが、自尊心を傷つけたのだろうか。
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日本復活の道を探る・1~もはや一流ではなくなった?
負けず嫌いなことはいいことだよ(笑)。
まあ私の英国に対するイメージというのは、「智を持つ老紳士」というものであって、悪い印象を持つわけではない。それに、日本には大概よくしてくれたと思うよ。極東のちっぽけな島国でしかない日本ではあるが、日本人の面倒を見てくれたり様々なことを教えてくれた。しかし、日本と英国とか英国系企業との間での話などではなく、日本に巣くう「パワー&金亡者たち」がいるからそのことを問題としているのだ。彼らとの戦いなのだから、日本にお節介を焼くとか無駄な口先介入するのは止めておいて欲しい。
少々気になることがある。
エコノミスト誌は、編集長が代わってからレベルダウンしたのだろうか。日本の政治家が脳死状態であるとしても、彼らを論うことができるだけであって、エコノミスト誌に書かれた内容の正当性が主張できるようになるわけではない。エコノミスト誌の記者には、そうした普通のことを考える能力に欠けるようだ。低金利がダメといわれても、そういう経済なのだからしょうがあるまい。英米の金利引下げに呼応して日本も下げろ、とか言うかと思えば、今度は低すぎると文句を言う(笑)。都合のよい使いわけに過ぎず、何かしら難癖をつけたいだけにしか見えない。米国と日本の投資収益率の違いについても、日本がデフレであることが元凶なのであって、名目値の比較しかできない記者氏には理解するだけの能力がないのだろう。米国の実質成長率は日本よりわずかに上回るだけであり、インフレ率が高い分だけ名目値が嵩上げされていても不思議ではないだろう。本当に倍も違うのか、という話だな。
確かに日本の政治と英国の政治は比べるべくもないが、それは英国が日本などよりもはるかに長い議会制民主主義の歴史を持つからであり、その歴史的背景を持つということそのものが日本などよりも成熟度の高さをもたらすだろう。これは英国が当時の先進国で大国であったフランスやスペインなどから、「おまえらはこうしろ、こういう方法が正しいんだ、だからやれ」と言われて獲得したものではあるまい。英国の持つ歴史や社会的背景や法制度や国民性とか経済環境とか、そういった様々の英国中の全ての事象が絡み合って生み出されてきたものだ。もしも大国の言い分通りのことを受け入れて、他の大国がやっているものを全部真似てみるだけなら、英国のやり方というものを生み出すことはできなかったであろう。
米国式が唯一の解であり正しい、と本気で思うなら、全てそっくり同じ制度にしたらいい。英国が米国と全く同一の経済社会制度になっていないことを不思議に思う(笑)。大英帝国を構成していたインドやオーストラリアが、英国と全く同じ制度となっていないことを大変疑問に思う。何故同一とはなっていなかったのか、強制的に同一にすることが行われなかった、或いは自然に同一となることが起こらなかったことの理由というものを考えてみたらいい。
相手に敬意を示すのは、それに値する相手の時だ。私は、尊敬を知らぬ相手などに敬意を払うことなどない、ということをはっきりと言っておく。
◇◇◇
それから、池田信夫がまた調子に乗って書いているので、一言書いておくか。
エコノミスト誌の主張を出せば、自分の意見を補強できると思っているのかもしれないが、これは単に「権威主義的」だということだな。しかもご丁寧に、「消費者金融業を壊滅させた」と太字で強調せんでも(笑)。GDPの下押し要因として、インパクトは住宅投資の方が大きいと思うが(記事によれば0.6%だそうな)、そちらは太字強調はせず、と(笑)。不思議ですな。
なぜ日本は失敗し続けるのか - 池田信夫 blog
壊滅させたと言いながら、クレジットカードも消費者金融業者も依然として貸出してますが?何か?
本当に悔しいんだね、ド素人の私に指摘されたことが(笑)。
そんなに悔しいのなら、自分の説の正しさを証明してみなさい。
池田信夫は貸付残高は半減した、というのが事実だと主張した。更に、貸金市場からは900万人が退出させられるとも主張した。
が、実際にはどうだ?何度も指摘しているが、彼には答えられまい。
消費者行政を勘違いしている人々 - 池田信夫 blog
この記事でも、相変わらず自分の主張の正しさを喧伝しているわけだが、ここにも姑息な罠が仕込まれているのだ。
概ね一般論として正しい言説の中に、自分の主張を入れ込んでいるのだ。卑怯な方法なのである。
池田信夫が自分の主張の正しさを説明するのは割と簡単だ。
「貸付残高が半減した」とか、「借入している人数が約900万人減少した」とか、そういう数字を出せばいいだけなのだ。しかし、出さない。私が大手残高は半減などしていない、と指摘したら、こう書いてきた。
『消費者金融の大手4社だけでも、1月末の融資残高は前年比7800億円も減少し、貸し渋りが拡大している。日銀が懸命に金融緩和しているとき、もっとも有望な市場だった消費者金融が収縮しているのだ。』
この記述によって、半減してない、という事実が証明されているにも関わらず、自分に都合の良い書き方をすることによって、読み手に誤った印象を与えようとしているのだ。減少額は4社で7800億円ということを出しただけなのだ。
しかも答えをわざわざ教えてあげているのに、決して自らの非を認めず、悔しさを後藤田議員や宇都宮弁護士にあてこすっているだけなのである。
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ヤミ金は何故ビジネスが成り立つのか
この中で、貸出残高(全情連データで)は「1兆4770億円減少した」とはっきり書いてあげてるのに。4社の減少額よりはるかに多い数字を出してあげてるでしょ。これでも半分になんて到底行かない、って。どこが半減なの?簡単な算数すらできんの?これでは経済学も何もあったものではない(笑)。
借入の人数データでも、900万人も減ってないって。どこに借入者半減なんて事実があるんですかね?
経済学とかを謳っていても、この有様なんだよ。自らの誤りを決して認めないというのは、まさしく官僚主義的でもあるな(爆)。
更に言っておくが、サブプライム問題で世界中の金融機関で大幅な損失が出たことの意味が判ってないな。貸金業界が有望な貸出市場であるとして、金融機関が貸金業者に貸し、貸金業者が借り手に緩い審査で貸し続けたり、キリギリスタイプに貸し込み続けると、貸倒率の上昇が予想される。何度か指摘したが、そういう状態が続くと、市場そのものが壊れる危機に直面するのだよ。それが現実に起こったのがサブプライム問題だというのに、それさえも認識できないらしい。
それから最高裁判決に無謀な挑戦をしたみたいだが、やめておけって。
法学の素養はどうなのか知らないが、素人の池田信夫に判る理屈なら、業者の顧問弁護士軍団とかGEのリーガル部隊(笑)とか大勢いるんだから、簡単に打ち破れているって(笑)。判決文を読んでもいないくせに、デカイ口を叩くんじゃないよ。
『債務者も同意したのだから「強制」ではありえない』って書いてるが、どこかの悪徳業者とかリフォーム詐欺業者だのの言い分みたいなもんだな(笑)。
全くの例であるが、書いてみる。
延滞した人が貸金業者から払え、と求められた。一括返済特約により、貸付元金と経過利息分及び遅延損害金などを一括して払ってくれ、と。
借入元金1万円、これまでの支払うべき利息分が5000円だとしよう(遅延損害金はこれに含むとします)。
するとこの債務者は15000円を払え、と業者から求められ、その債務を負うということになる。これまでにも業者はそうやって取り立ててきたりしたわけだ。しかし、業者の求めた利息分5000円というのが、利息制限法を超えているとどうなのか、という話だな。例えば、利息制限法の上限通り20%なら3000円で済み、貸出金利が28%であれば5000円払う、みたいなこと。
そうすると、超過利息はあくまで「任意」で払うべきものであるから、貸金業者には13000円しか請求する権利はなく、15000円払えというのはそもそもの誤りである。これが実質的には支払の強制にあたるものだ、ということだわな。利息制限法で規定するところの「任意」には該当しない、という法的判断であろう。
契約前に特約に同意していたとしても、利息制限法を超える利息(例えば25%とか)を払わない場合に、残債の一括返還条項を入れるのは違法な契約条項だということ。「20~25%」の利息部分は「任意」であるにも関わらず、20%部分までを払っていても「25%部分まで払ってないので、延滞につき一括返還せよ」と業者側が求めること自体が、利息制限法の任意性を満たしていない、すなわち事実上の支払強制だ、ということだろ。もしも任意で受取るなら、20%部分まで払っていれば一括で返還請求しません、ということになり、すると、契約の特約条項自体が無効な条項だからだ。違法である契約条項を入れておいて、「お前は事前に同意しただろ、だから契約条項は法的に有効なんだよ!」ってことになったら、世の中は大変なことになってしまうぞ(笑)。
いずれにせよ、「事前に同意したので強制じゃない、任意だ」みたいな、単純な話ではないだろう。そんな理屈が通用するなら、悪徳商法は殆どOKだろ(笑)。
まあ私も法学無知なので人のことは言えないが、判決文の内容もよく読まず「勘違いする人々」というのは存在するであろう。誰かさんみたいに。タイトルを付け替えてみては如何か。「最高裁判決を勘違いする人々」とでもしてみては。
◇◇◇
ご都合主義なのかどうかは知らんが、調子よく意見を並べていても、単なる印象操作っぽく書いている人間はいる。自分の意見の間違いを認めないばかりか、あたかも「自分の意見は正しかった」と読み手に思わせるように書いているという、卑劣極まりない人間がいるのである。