詳しい記事を発見したので。
FrontPage - 周産期医療の崩壊をくい止める会
第2回、第3回を読んだのですが、検察側尋問が同じ質問を何度も繰り返すので、くどい印象。それと何かの出来事について、正確な時間を記憶できる人はあまりいないのではないかと思うので、時系列を振り返って順序とか細かい2~3分の違いとか、正確に思い出せる訳がない。できるなら、例えば、昨夜と一昨日の夜に食べた夕食のメニューを正確に思い出してごらんよ。更に、初めに箸を付けた食べ物と、最後から3番目に食べた物と4番目に食べたものを言えるかね?順序を間違えることなく、思い出してごらんなさい。記録にあるものは、記録にある通りとしか言いようがないでしょう。麻酔チャートに書かれていることもそうだが、看護師が別に記録を付けているのだから、それらを照合すれば、大体の流れは理解できるはずでしょう。
証言から共通することは、「出血はあった」ということ、「出血はいつもより多かった」ということ、それは量的には多かったと表現されるものであると思いますよ。胎盤剥離終了までに数千は出ていたので、羊水込みであっても、「危機的状況を生み出すくらい多かったか」と聞かれれば、それはそうだろうと思いますよ。ただ、その出血を「防ぎえたのか」と聞かれれば、それは判らないとしか言いようがないでしょう。ヴィーン1500、へスパンダー1000と入れてるのだから、それだけ出てたというのはそうだろうと思います。
弁護側も質問の方向性がオカシイ。証人の「記憶違いではないか」「チャートの間違いではないか」というようなことを印象付ける必要性はない。「産科医のミスではなかった」を言う為に、他の医師を生贄に捧げてもしょうがないのですよ。なぜいきなり輸血しないで、へスパンダーを入れたか、ってそれは普通なんだろうと思いますよ。「そんなに出血する」ということを前提にしているわけではないですから。
血圧が50/30以下とかにストンと落ちているのだから、「相当量の出血があった」というのは当たり前であろうと思われた。エフェドリンを既に入れていたのだし、ノルアドを入れても上が70くらいにしか上がらないというのは、「かなり出てた」ということはそうですよ。記入時間とか、どの時点で出てたとか、それはハッキリと判らないかもしれないが、「出血してる」というのは麻酔医には直ぐに判るはずだ。看護師がガーゼ重量とか計算する時間とかあるから、「リアルタイム」の出血量なんて正確には測れないけれども、サクションで吸ったのがボトルに溜まるから、みるみる増えていくのは「チラッ」と一瞥するだけで判るだろう。なので、「出てるな」と判っているからこそ、pumpingを既にやっていたのだと思いますよ。
それから、血圧や脈拍数は完全な記録ではないですよ。機械が自動的で測定するが、かなり血圧が落ちれば正確性は悪くなるし、心電図の表示は条件で数値変動はいくらでも変わる。だから、流れの中で判断していくしかない。表示されている数字を記録するのはそうだが、何故「たった一つの数字が下がっているか」なんてのは機械の要因かもしれないし、測定誤差かもしれないし、実際下がったのかもしれないし、色んな理由があるから何とも言えないでしょう。
血圧低下と頻脈が普通なのではという質問があったが、ノルアド入れた後で血管抵抗が増加しているので、一時的に頻脈が改善されたのかもしれないし、出血量が多ければ徐脈傾向になる可能性もないわけではないのではないか。
ヘッドダウンのことだが、脊椎麻酔なので低い方(頭部側ということ)に麻酔薬が効くと胸部まで麻酔されることになり、呼吸抑制など他の影響が大きいので難しいと思うが、どうだろうか。それを行うのはリスクを伴うと思う。全麻に移行したことを検察も取り上げていたが、当然の判断であろう。挿菅している方が呼吸管理を行いやすいのと、脊椎麻酔が切れてくると痛みが抑制できなくなるし、患者が「動いてしまう」から、当たり前だろう。検察は「呼吸困難があったのではないか?」とかバカな質問をして、必要性を全く理解できなかったのだと思うが、「体を動かさない」ようにどうやってするのか考えたことがないのか?一知半解の知識(笑、これは池田信夫氏お得意の表現で、真似して使わせてもらうことにする)で自分たちの考える理屈に誘導しようという魂胆だけはよく判るが、全然違うだろう。患者が動かない為には、「脊椎麻酔を追加する」とか「筋弛緩薬を使う」とかしないとならない。脊椎麻酔は「体位」を取らないとできないので、術中になってしまうとできない(だから、執刀前の最初にやるしかない)。残されるのは、筋弛緩薬を使うくらいしかないのである。意識を奪う薬を使っても、疼痛反射が必ずあるので、痛けりゃ勝手に体が動いちゃうでしょ(念のために書いておくと、筋弛緩薬を用いれば、呼吸が止まる。そのままであれば死亡しますよ。なので挿管して呼吸を人工的に行わせないとならない。検察官はこういう基本的なことさえ理解できないので、呼吸困難だったんじゃないか?みたいな的外れな質問をするのだ。事前に細かくレクチャーを受けておくべきだ。そもそも何も知りもしないのに、何故起訴だけはできるのか判らんが。時間の浪費、質問そのものが無駄である。裁判官はこうした誤った印象付けをされて、まんまと煽動されるということなのかもしれないが)。
取り急ぎ。後で追加するかも。
ちょっと追加。
ルートを別にもう一本入れるのは何故しなかったか、とか弁護側尋問で出てたが、血圧が50とかに落ちている時「自分1人で」それにトライしている余裕などなかったのではないかと。血管収縮でどうにか循環維持をしていて、その「閉まってる」血管に太いゲージを入れるのは大変だろう。しかも全麻してないから、胸から上は「普通の状態」でしょうし。首を動かされたら?リスクが大きいと考えるのは普通なのでは。それに必死にpumping していて、それどころではないでしょう。
こう言っては申し訳ないが、検察側の姿勢というのが「裁判に勝つこと」だけに思え、何とか「穴」を見つけて印象付けようとしているかのようで、それは法廷戦術であって「正義」に基づくものとは思われない。第4回公判でも、看護師に尋問した時、「目だけしか出てないのに、何故表情がわかるのか」という質問を見れば、「相当頭が悪い」か「悪意に基づく質問」だと思うね。質問した検察官レベルの低い観察力では到底医療従事者にはなれないだろう。それか、「そんなの判るに決まってる」と心の中では思っていながら、「自分よりも弱い」と考えている「獲物」(=証人の看護師)に対して追い詰めようと画策したということだろう。発言のミスを誘う為の、ショボイ戦術ということだ。要するに、かまをかけただけ。
こんな法廷戦術だけが続いていくのもおかしな話だ。
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第2回、第3回を読んだのですが、検察側尋問が同じ質問を何度も繰り返すので、くどい印象。それと何かの出来事について、正確な時間を記憶できる人はあまりいないのではないかと思うので、時系列を振り返って順序とか細かい2~3分の違いとか、正確に思い出せる訳がない。できるなら、例えば、昨夜と一昨日の夜に食べた夕食のメニューを正確に思い出してごらんよ。更に、初めに箸を付けた食べ物と、最後から3番目に食べた物と4番目に食べたものを言えるかね?順序を間違えることなく、思い出してごらんなさい。記録にあるものは、記録にある通りとしか言いようがないでしょう。麻酔チャートに書かれていることもそうだが、看護師が別に記録を付けているのだから、それらを照合すれば、大体の流れは理解できるはずでしょう。
証言から共通することは、「出血はあった」ということ、「出血はいつもより多かった」ということ、それは量的には多かったと表現されるものであると思いますよ。胎盤剥離終了までに数千は出ていたので、羊水込みであっても、「危機的状況を生み出すくらい多かったか」と聞かれれば、それはそうだろうと思いますよ。ただ、その出血を「防ぎえたのか」と聞かれれば、それは判らないとしか言いようがないでしょう。ヴィーン1500、へスパンダー1000と入れてるのだから、それだけ出てたというのはそうだろうと思います。
弁護側も質問の方向性がオカシイ。証人の「記憶違いではないか」「チャートの間違いではないか」というようなことを印象付ける必要性はない。「産科医のミスではなかった」を言う為に、他の医師を生贄に捧げてもしょうがないのですよ。なぜいきなり輸血しないで、へスパンダーを入れたか、ってそれは普通なんだろうと思いますよ。「そんなに出血する」ということを前提にしているわけではないですから。
血圧が50/30以下とかにストンと落ちているのだから、「相当量の出血があった」というのは当たり前であろうと思われた。エフェドリンを既に入れていたのだし、ノルアドを入れても上が70くらいにしか上がらないというのは、「かなり出てた」ということはそうですよ。記入時間とか、どの時点で出てたとか、それはハッキリと判らないかもしれないが、「出血してる」というのは麻酔医には直ぐに判るはずだ。看護師がガーゼ重量とか計算する時間とかあるから、「リアルタイム」の出血量なんて正確には測れないけれども、サクションで吸ったのがボトルに溜まるから、みるみる増えていくのは「チラッ」と一瞥するだけで判るだろう。なので、「出てるな」と判っているからこそ、pumpingを既にやっていたのだと思いますよ。
それから、血圧や脈拍数は完全な記録ではないですよ。機械が自動的で測定するが、かなり血圧が落ちれば正確性は悪くなるし、心電図の表示は条件で数値変動はいくらでも変わる。だから、流れの中で判断していくしかない。表示されている数字を記録するのはそうだが、何故「たった一つの数字が下がっているか」なんてのは機械の要因かもしれないし、測定誤差かもしれないし、実際下がったのかもしれないし、色んな理由があるから何とも言えないでしょう。
血圧低下と頻脈が普通なのではという質問があったが、ノルアド入れた後で血管抵抗が増加しているので、一時的に頻脈が改善されたのかもしれないし、出血量が多ければ徐脈傾向になる可能性もないわけではないのではないか。
ヘッドダウンのことだが、脊椎麻酔なので低い方(頭部側ということ)に麻酔薬が効くと胸部まで麻酔されることになり、呼吸抑制など他の影響が大きいので難しいと思うが、どうだろうか。それを行うのはリスクを伴うと思う。全麻に移行したことを検察も取り上げていたが、当然の判断であろう。挿菅している方が呼吸管理を行いやすいのと、脊椎麻酔が切れてくると痛みが抑制できなくなるし、患者が「動いてしまう」から、当たり前だろう。検察は「呼吸困難があったのではないか?」とかバカな質問をして、必要性を全く理解できなかったのだと思うが、「体を動かさない」ようにどうやってするのか考えたことがないのか?一知半解の知識(笑、これは池田信夫氏お得意の表現で、真似して使わせてもらうことにする)で自分たちの考える理屈に誘導しようという魂胆だけはよく判るが、全然違うだろう。患者が動かない為には、「脊椎麻酔を追加する」とか「筋弛緩薬を使う」とかしないとならない。脊椎麻酔は「体位」を取らないとできないので、術中になってしまうとできない(だから、執刀前の最初にやるしかない)。残されるのは、筋弛緩薬を使うくらいしかないのである。意識を奪う薬を使っても、疼痛反射が必ずあるので、痛けりゃ勝手に体が動いちゃうでしょ(念のために書いておくと、筋弛緩薬を用いれば、呼吸が止まる。そのままであれば死亡しますよ。なので挿管して呼吸を人工的に行わせないとならない。検察官はこういう基本的なことさえ理解できないので、呼吸困難だったんじゃないか?みたいな的外れな質問をするのだ。事前に細かくレクチャーを受けておくべきだ。そもそも何も知りもしないのに、何故起訴だけはできるのか判らんが。時間の浪費、質問そのものが無駄である。裁判官はこうした誤った印象付けをされて、まんまと煽動されるということなのかもしれないが)。
取り急ぎ。後で追加するかも。
ちょっと追加。
ルートを別にもう一本入れるのは何故しなかったか、とか弁護側尋問で出てたが、血圧が50とかに落ちている時「自分1人で」それにトライしている余裕などなかったのではないかと。血管収縮でどうにか循環維持をしていて、その「閉まってる」血管に太いゲージを入れるのは大変だろう。しかも全麻してないから、胸から上は「普通の状態」でしょうし。首を動かされたら?リスクが大きいと考えるのは普通なのでは。それに必死にpumping していて、それどころではないでしょう。
こう言っては申し訳ないが、検察側の姿勢というのが「裁判に勝つこと」だけに思え、何とか「穴」を見つけて印象付けようとしているかのようで、それは法廷戦術であって「正義」に基づくものとは思われない。第4回公判でも、看護師に尋問した時、「目だけしか出てないのに、何故表情がわかるのか」という質問を見れば、「相当頭が悪い」か「悪意に基づく質問」だと思うね。質問した検察官レベルの低い観察力では到底医療従事者にはなれないだろう。それか、「そんなの判るに決まってる」と心の中では思っていながら、「自分よりも弱い」と考えている「獲物」(=証人の看護師)に対して追い詰めようと画策したということだろう。発言のミスを誘う為の、ショボイ戦術ということだ。要するに、かまをかけただけ。
こんな法廷戦術だけが続いていくのもおかしな話だ。