昨日、この記事(CNN.co.jp:米国のスパイ経費は年間6.5兆円 総額初公表)を見て、とある記事を書いた。
その後、テレビのニュースで次のような事件を知った。
>警視庁の国際テロ情報が流出か ネット上に掲載 - 47NEWS(よんななニュース)
ふーん、これもただの偶然なのかもしれない。
書いた記事は今日公開しようと思って、単に保存しておいたのだけれど、まさかね、そういうのを覗き見しているということでもありますまい(笑)。
では、昨日書いたしょうもない物語をどうぞ。
架空の国の、ある組織にいる人間の話です。
◇◇◇◇◇◇◇◇
ターゲットは、外国にいる意味不明のヤツだ。
どうせ狂信的なイカレ野郎か、独善的変態野郎か何かではないかと思われたのだが、そうでもないようだ。ヤツは妄想癖があるのかもしれない、との報告は受けているが、意外と平凡な男のようだ。
特別な情報源を持っているようには見えないのだが、こちらが「マズイ」と思っていることを、どういうわけだか嗅ぎつけてくるのだ。誰かに、詳しい情報を聞いているのだろうか?それとも、どこからか仕入れてくるのだろうか?
一時期は、ヤツが本物のサイコ野郎なのではないかと、真剣に検討されかけたくらいだ。
兎に角、油断ならないクセ者らしいのだ。
謎めいているのは確かのようだ。
一番注意していることは、彼が例えば中国やロシアの人間と繋がりがあるのではないか、という点だ。居住国か、ひょっとすると、どこか別の国のエージェントとか、何らかの支援を受けているネット工作員とか、そういう疑いが持たれたわけだ。
これまでのところ、そうしたことを示す確たる証拠のようなものは存在してこなかったようだ。しかし、本格的な工作員なんかになると、何らの証拠も残さずに連絡をやり取りしているかもしれない。そういう可能性はないわけではないのだ。
そこで、ヤツの全てを調べる、ということが実施された。
日々の行動監視の結果、平凡な生活者でしかないようだった。行き先や、会う人間などについても全て調べられた。ヤツの好きなカップ麺の種類さえも調べられたが、特に変わった行動というものは見られなかった。携帯電話の通話記録や通話先などについても一通り調べられたが、何も見つからなかった。最近はあまり人気のない固定電話についても、同じくこれといった手掛かりは見つけられなかった。
残されているのは、やはり、ネットの広大な世界、だった。
そうして、わが組織にヤツの監視が命じられた、というわけだ。
我々は日々監視を続けている。テロの危険性のある人物の割り出しも当然行っている。マークしているページにアクセスする連中についても、必ずリスト化しているのだ。そういう特定のページにやってくる人間というのは、多くの場合に「普通じゃない」から、である。喩えて言えば、異常な性的嗜好の連中しか、そういう特異なページを見にはやってこない、ということである。そのような人間たちについて、個人を特定し、しらみつぶしに調べあげてゆくのである。
ヤツが見ているページは、何らかの暗号やメッセージが存在していないかどうか、いちいち確かめねばならなかった。ヤツが何の情報源も持たずに、あのような「ピンポイント記事」を書けるはずがなかったからだ。ごく限られた一部の人間、しかもかなりの上層部しか知り得ないような特別な情報が書かれていたのだ。単なる偶然であるとは、到底考えられなかった。きっと誰かが教えているか、どこからか情報を抜いていっているに違いない、というのが、ヤツに関するレポートの結論だった。だから、ずっとヤツの監視を続けているのである。
それにしても、ヤツの見るページは、ほとんどが他愛もない、あまり役に立ちそうもないようなものだった。どうしてこんな下らない記事を読むのだろうか。監視員たちは、笑うしかなかった。本当にこんなヤツがマークするべき価値のある相手なのだろうか?
別に珍しくもない、誰もが見ている、普通の文字列でしかなかった。何らかの暗号が埋め込まれてないか、必死で探索したが、何も隠されてはいなかった。どこかへ向けて、特別なメッセージも発信してはいなかった。ヤツのPC上で作成されたメールについても、全て覗き見をしてみたが、これといった収穫はなかった。送られてくるメールも全部チェックしたが、殆どがスパムで、内容のまともなものについても、これといって接触先を窺わせるようなものは含まれてはいなかった。他の隠しメールボックスなどが存在しているのではないか、ということで、それも調べてみたものの、何らの収穫もなかった。ここまで凡人過ぎると、かえって疑わしく思えてくる。
これまでの監視の結果、いくつか判明したことがあった。
ヤツは、PCの知識は全然ない。平均以下の、ただの素人だ。ま、言ってみれば、カモってやつだ。読んでいる記事のジャンルから、どの分野への関心度が高いのか分析できた。最も低い傾向の分野が、実はIT関連だった。初期の監視員たちは、きっとこれはカモフラージュなのではないか、と疑いを向けた。無知なふりをしているだけなのではないか、そして罠を張っているのではないか、と。けれども、そういう兆候は確認できなかった。
これまでヤツが取った策というのは、PCとOSを変更し、セキュリティについて若干の向上を図ったことくらいで、子供騙し同然だった。これでIT関連の知識が詳しいはずがない。
更に、監視を続けていると、ある面白い現象が見られた。
我々の組織が監視しているとは思いもよらず、別な国のハッカーたちの誰かが、ヤツのパソコンに侵入したようだった。我々は簡単に気付いたが、ヤツは何も変化なくこれまで同様の作業を続けているようだった。侵入されたのに、敢えて放置とは?特に慌てた様子もなかった。何かを急いで隠そう、という感じでもなかった。何一つ消去すらしなかった。
我々の出した結論は、明快だった。ヤツは気付いていなかった、というものだ。そう、ヤツはやはりただのド素人に過ぎないのだ。サイバー軍団を擁する「あの国」のハッカーが、ヤツのパソコンにウイルスプログラムを仕掛けたというのに、ヤツは全くの無反応だったのだから。知識のある人間ならば、すぐさま対抗措置をとるであろう。それをしないということは、ヤツは知らない、ということに他らならない。しかも、「あの国」の機関と思しき連中さえもがアクセスを試みたということは、やはりヤツには何か裏があるのかもしれない、と思わせるのだ。
さて、我々にも、よい案が浮かんだ。ヤツの監視をリアルタイムで続けるのは大変なので(特に時差がキツい、時々トンデモない時間にヘンな文章を作りやがる)、どのページにアクセスしたかを全て記録して残す、というものだった。ヤツのPCに、ある特別なプログラムを埋め込み、毎日一度、その記録を送信させる、ということにした。当然のことながら、ヤツはそのプログラムの存在には勘付いている様子はなかった。素人のパソコンに、謎のプログラムを送り込むことなんぞ、朝飯前だ。何故、こんな平凡な人間のアクセス先に重大な関心を寄せるのか、ということの方が、我々にとっては不思議だった。
今後も、ヤツのモニタリングは継続されるだろう。
ヤツの見るページ、ヤツの探す語句、検索される文字列、そういったものは、全てマーキングされて、追跡されるのだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇
ところで、その情報漏れとなったらしい「公安外事3課の文書」とやらですが、ネット上で検索してみたんですが、見つけられないんですよね。どこに掲載されているのか、全く不明。
何が書かれたものか不明。
どこに掲示されているのか、とても気になる。
普通であると、2ちゃんとかに晒されて、直ぐにネット上のそういう系の方々の大騒ぎとなるんじゃないかと思いますが、どうなんでしょうか。
その後、テレビのニュースで次のような事件を知った。
>警視庁の国際テロ情報が流出か ネット上に掲載 - 47NEWS(よんななニュース)
ふーん、これもただの偶然なのかもしれない。
書いた記事は今日公開しようと思って、単に保存しておいたのだけれど、まさかね、そういうのを覗き見しているということでもありますまい(笑)。
では、昨日書いたしょうもない物語をどうぞ。
架空の国の、ある組織にいる人間の話です。
◇◇◇◇◇◇◇◇
ターゲットは、外国にいる意味不明のヤツだ。
どうせ狂信的なイカレ野郎か、独善的変態野郎か何かではないかと思われたのだが、そうでもないようだ。ヤツは妄想癖があるのかもしれない、との報告は受けているが、意外と平凡な男のようだ。
特別な情報源を持っているようには見えないのだが、こちらが「マズイ」と思っていることを、どういうわけだか嗅ぎつけてくるのだ。誰かに、詳しい情報を聞いているのだろうか?それとも、どこからか仕入れてくるのだろうか?
一時期は、ヤツが本物のサイコ野郎なのではないかと、真剣に検討されかけたくらいだ。
兎に角、油断ならないクセ者らしいのだ。
謎めいているのは確かのようだ。
一番注意していることは、彼が例えば中国やロシアの人間と繋がりがあるのではないか、という点だ。居住国か、ひょっとすると、どこか別の国のエージェントとか、何らかの支援を受けているネット工作員とか、そういう疑いが持たれたわけだ。
これまでのところ、そうしたことを示す確たる証拠のようなものは存在してこなかったようだ。しかし、本格的な工作員なんかになると、何らの証拠も残さずに連絡をやり取りしているかもしれない。そういう可能性はないわけではないのだ。
そこで、ヤツの全てを調べる、ということが実施された。
日々の行動監視の結果、平凡な生活者でしかないようだった。行き先や、会う人間などについても全て調べられた。ヤツの好きなカップ麺の種類さえも調べられたが、特に変わった行動というものは見られなかった。携帯電話の通話記録や通話先などについても一通り調べられたが、何も見つからなかった。最近はあまり人気のない固定電話についても、同じくこれといった手掛かりは見つけられなかった。
残されているのは、やはり、ネットの広大な世界、だった。
そうして、わが組織にヤツの監視が命じられた、というわけだ。
我々は日々監視を続けている。テロの危険性のある人物の割り出しも当然行っている。マークしているページにアクセスする連中についても、必ずリスト化しているのだ。そういう特定のページにやってくる人間というのは、多くの場合に「普通じゃない」から、である。喩えて言えば、異常な性的嗜好の連中しか、そういう特異なページを見にはやってこない、ということである。そのような人間たちについて、個人を特定し、しらみつぶしに調べあげてゆくのである。
ヤツが見ているページは、何らかの暗号やメッセージが存在していないかどうか、いちいち確かめねばならなかった。ヤツが何の情報源も持たずに、あのような「ピンポイント記事」を書けるはずがなかったからだ。ごく限られた一部の人間、しかもかなりの上層部しか知り得ないような特別な情報が書かれていたのだ。単なる偶然であるとは、到底考えられなかった。きっと誰かが教えているか、どこからか情報を抜いていっているに違いない、というのが、ヤツに関するレポートの結論だった。だから、ずっとヤツの監視を続けているのである。
それにしても、ヤツの見るページは、ほとんどが他愛もない、あまり役に立ちそうもないようなものだった。どうしてこんな下らない記事を読むのだろうか。監視員たちは、笑うしかなかった。本当にこんなヤツがマークするべき価値のある相手なのだろうか?
別に珍しくもない、誰もが見ている、普通の文字列でしかなかった。何らかの暗号が埋め込まれてないか、必死で探索したが、何も隠されてはいなかった。どこかへ向けて、特別なメッセージも発信してはいなかった。ヤツのPC上で作成されたメールについても、全て覗き見をしてみたが、これといった収穫はなかった。送られてくるメールも全部チェックしたが、殆どがスパムで、内容のまともなものについても、これといって接触先を窺わせるようなものは含まれてはいなかった。他の隠しメールボックスなどが存在しているのではないか、ということで、それも調べてみたものの、何らの収穫もなかった。ここまで凡人過ぎると、かえって疑わしく思えてくる。
これまでの監視の結果、いくつか判明したことがあった。
ヤツは、PCの知識は全然ない。平均以下の、ただの素人だ。ま、言ってみれば、カモってやつだ。読んでいる記事のジャンルから、どの分野への関心度が高いのか分析できた。最も低い傾向の分野が、実はIT関連だった。初期の監視員たちは、きっとこれはカモフラージュなのではないか、と疑いを向けた。無知なふりをしているだけなのではないか、そして罠を張っているのではないか、と。けれども、そういう兆候は確認できなかった。
これまでヤツが取った策というのは、PCとOSを変更し、セキュリティについて若干の向上を図ったことくらいで、子供騙し同然だった。これでIT関連の知識が詳しいはずがない。
更に、監視を続けていると、ある面白い現象が見られた。
我々の組織が監視しているとは思いもよらず、別な国のハッカーたちの誰かが、ヤツのパソコンに侵入したようだった。我々は簡単に気付いたが、ヤツは何も変化なくこれまで同様の作業を続けているようだった。侵入されたのに、敢えて放置とは?特に慌てた様子もなかった。何かを急いで隠そう、という感じでもなかった。何一つ消去すらしなかった。
我々の出した結論は、明快だった。ヤツは気付いていなかった、というものだ。そう、ヤツはやはりただのド素人に過ぎないのだ。サイバー軍団を擁する「あの国」のハッカーが、ヤツのパソコンにウイルスプログラムを仕掛けたというのに、ヤツは全くの無反応だったのだから。知識のある人間ならば、すぐさま対抗措置をとるであろう。それをしないということは、ヤツは知らない、ということに他らならない。しかも、「あの国」の機関と思しき連中さえもがアクセスを試みたということは、やはりヤツには何か裏があるのかもしれない、と思わせるのだ。
さて、我々にも、よい案が浮かんだ。ヤツの監視をリアルタイムで続けるのは大変なので(特に時差がキツい、時々トンデモない時間にヘンな文章を作りやがる)、どのページにアクセスしたかを全て記録して残す、というものだった。ヤツのPCに、ある特別なプログラムを埋め込み、毎日一度、その記録を送信させる、ということにした。当然のことながら、ヤツはそのプログラムの存在には勘付いている様子はなかった。素人のパソコンに、謎のプログラムを送り込むことなんぞ、朝飯前だ。何故、こんな平凡な人間のアクセス先に重大な関心を寄せるのか、ということの方が、我々にとっては不思議だった。
今後も、ヤツのモニタリングは継続されるだろう。
ヤツの見るページ、ヤツの探す語句、検索される文字列、そういったものは、全てマーキングされて、追跡されるのだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇
ところで、その情報漏れとなったらしい「公安外事3課の文書」とやらですが、ネット上で検索してみたんですが、見つけられないんですよね。どこに掲載されているのか、全く不明。
何が書かれたものか不明。
どこに掲示されているのか、とても気になる。
普通であると、2ちゃんとかに晒されて、直ぐにネット上のそういう系の方々の大騒ぎとなるんじゃないかと思いますが、どうなんでしょうか。