そろそろ「熱い」時期が近づいてきていると思います。現在の「経済財政諮問会議」は、従来の役目を終えて一度終局を迎えるでしょう。今までのメンバーは、当然のことながら、その多くがテーブルを去っていくでしょう。
そこで新たな関心が持ち上がってくる訳ですね。「プレ小泉」時代(笑)には有り得なかった、「黒子」専門の指南役―カッコイイ呼び方をすれば「ブレーン」とかってヤツでしょうか―が脚光を浴びることとなったのが、言わずと知れた「竹中大臣」の登場でした。それ以前に「堺屋太一経済企画庁長官」という民間人登用例がありましたが、境屋氏は元通産官僚であり、純粋な学者とは全く違うでしょう。政府中枢に学者が居座って(笑)、与党や国会議員たちとの丁々発止を繰り広げるというのは、昔ならば到底考えられなかったことでありましょう。そういう役割を担ってきた人々は、竹中大臣を筆頭に、本間・吉川両教授であり、何と「3名もの経済学者」が存在したことは驚くべきことでしょう。
こうしたシステムは、色々な軋轢や衝突を生み出しながらも、小泉総理のリーダーシップ=大衆支持という力を背景に、「改革路線」を進めることができました。経済学者3名の政治的なパワーというのは、実際の所「皆無」に等しく、道路公団民営化や年金改革などでは明らかな失敗でありました。党との綱引きでは常に譲歩を強いられ、「改革」とは名ばかりでした。そんな「後退路線」の経済学者3名でしたが、郵政民営化に伴う「解散」によって、遂に新たな一歩を踏み出すことに成功しました。小泉政権圧勝の恩恵を受けて、「官邸」「諮問会議」主導の統治システムを獲得したのです。このことは、経済学者たちが特別に頑張った結果であるとか、何かの大きな功績があった訳ではありません。単なる、「棚ボタ」でした。「3人寄れば文殊の知恵」とは言うものの、経済学者が何人集まっても政治的手段や解決方法など、何一つ思い浮かぶことなどありませんでした。ただ、彼らが本当に協力して知恵を出し合ったりしたことなどないのかもしれず、もしも本気で協力していたならば、もっと早くに良い解決策の一つくらいは出てきたかもしれないし、それを実行できるばかりでなく何かを実現できていたかもしれない(笑)。
それでも、選挙後には諮問会議の面々が夢見ていた(笑)、「政府」としての機能・役割と「政策集団」という新たな地位を手に入れることができたのです。それは、政権末期という非常に短い期間ではありましたが、経済学者たちが最も「仕事がしやすい」と感じたひと時だったことでしょう。しかし、それは長くは続きませんでした。ひょっとすると、これは何かの摂理なのかもしれません。心穏やかに、円滑に物事が進んでいくことは滅多にあることではなく、楽ができる期間というのは大抵は短く終わるものなのです(笑)。
再び、経済学者たちには、いくつかの試練がやってきました。
竹中大臣は、「権力中枢」に限りなく接近したかに思えた時期がありましたが、それはほんの短い間だけでした。今まで彼を毛嫌いしていた人々の鼻を明かすことができたと彼は考えたのですが、自信に満ちた言動と他人をバッサリと切り捨てられるある種の冷淡さは、鋭い刃となってそのまま自らに跳ね返ってきてしまいました。人間とは恐ろしいものです。
本間先生と吉川先生の場合は、今までの苦労が報われたという思いは僅かながらでもあったと思います。特に、これまでことごとく行く手を遮ってきた自民党が、まるでウソのように自ら「後ずさり」をしてくれたことに、感動を覚えたことは間違いないでしょう。あれほど暴れ狂っていた族議員たち(笑)が、借りてきた猫のように大人しいんですから。同じことを百万遍唱えていたのに、全く前進する気配すら見えなかった「政府系金融機関」の統合にしても、自分たちが主役となって思う存分取り組むことができたのですから。あの時初めて、「我々が歩んできた道は正しかったのだ」、「我々は『勝った』んだ」と確信することができたでしょう。しかし、このような「主役」として舞台に立ち続けることは、通常困難なのです。短い期間でしたが、華やいだ気分に浸ることはできたでしょう。
このようにして、3名の経済学者たちは、不思議な体験を経ながら進んできたのですが、その旅も終わりに近づいていることは自覚していることでしょう。自らの役目の終焉が見えてきているはずです。ここから先は、「残された使命」を彼らがどのように考えているか、ということが私の関心事なのです。
以前に、御用学者の「御三家」と私が勝手に名付けたのですが、その系譜がどうなるか、ということですね。勿論、これは自民党総裁選と連動しています。直結と言うべきかもしれません。将軍の跡目争いというのは、これはこれで大変でしょうね。お抱えの御用学者たちも、一部は用済みとして「お暇」を出されるでしょう(笑)。その一方では、新たに政府部内に―特に中枢近くに―登用されるものたちも出てくるでしょう。少なくとも、昔のような「黒子時代は終わった」ので、システムとしては諮問会議の形態が踏襲されるでしょう。総裁に誰がなっても、これは同じだろうと思っています。となれば、どこが重用されるのか?ということですね。
御三家は、「赤門派」「一橋派」「上方派」です。「赤門派」は勿論「東大」閥ですね。「一橋派」はそのまんま「一橋」、「上方派」は阪大です(そういえば、大変不思議なのですが、何故か京大の学者さんは殆ど入ってませんね。何か理由があるんでしょうか?)。財務省寄りの一派は多分「赤門派」優位であり(伝統のなせる技でしょうか)、それへの敵対心というか対抗心として(なのかどうかは知りませんが)一橋・上方連合が対峙する、というようなイメージですね。なので、内閣府とかその他委員等での登用は後者の方がよく見られてきたように思えます。このような勢力地図が書き換えられるのか、というのが一つの焦点ですね。
以前にも妄想記事で触れましたが、平岩研以来の中谷巌氏の系譜を後継者たちに引き継ぐことで、新興勢力である「経済マフィア」たちは実力をつけてきました。政府部内の重要なポストを占有したりするようになりました。更には、諮問会議内に送り込むことに成功したのですから、これは大きな成果であったと思えます。
本間、竹中両議員はそういう流れを引き継いできたものたちの代表格なのです。大田氏や高橋氏もそうですね。特に一橋出身で阪大グループに属している学者たちは、小泉政権時代には大きく飛躍して、勢力拡大となったのではないでしょうか。竹中大臣は大臣就任直前には慶応大教授でしたけれども、一橋出で阪大に行ってたんですよね?
そういう訳で、時期総裁は「どの御用学者」を重用するのか、というのが結構重要になってきます。指南役を定めるということは、特に経済政策においてはかなりの影響度があるのではなかろうか、と思います。さて、時期政権に最も近いのは、どの学閥なのでしょうか?ひょっとして、全く新たに登用されるかもしれませんしね。慶応・早稲田とか、その他ちょっと都会っぽい、洗練されたイメージの私立とか(笑)。実は、私立については、よくわからんのだけど。ああ、でもね、今は早稲田は厳しいね。既に不祥事でイメージダウン中だし、重要ポストには就けられない、って印象が濃いね・・・。そうなると、ハイ、「一つ脱落」ですか。
大チャーンス・・・慶応、とか思ってたりして。本気で狙ってる?現職の教授の人たちも、「ひょっとして、オレんとこに依頼が来たらどうしよう?」とか、ちょっとドキドキしてたりなんかして。所詮、総裁選次第なんですからね。自分の交友関係とか人脈を思い起こせば、直ぐに判るか。なら、ドキドキなんかしないよね。
因みに、阪大・一橋連合は中々強力だよ?赤門派を退けたくらいだからね(笑)。ひょっとして後継候補者を指名してるかもしれんし、案外と色々あるかもよー。
いずれにせよ、筆頭御用学者の争いも、地味ながら、実質的な影響力は大きいと考えていた方がいいと思うね。
そこで新たな関心が持ち上がってくる訳ですね。「プレ小泉」時代(笑)には有り得なかった、「黒子」専門の指南役―カッコイイ呼び方をすれば「ブレーン」とかってヤツでしょうか―が脚光を浴びることとなったのが、言わずと知れた「竹中大臣」の登場でした。それ以前に「堺屋太一経済企画庁長官」という民間人登用例がありましたが、境屋氏は元通産官僚であり、純粋な学者とは全く違うでしょう。政府中枢に学者が居座って(笑)、与党や国会議員たちとの丁々発止を繰り広げるというのは、昔ならば到底考えられなかったことでありましょう。そういう役割を担ってきた人々は、竹中大臣を筆頭に、本間・吉川両教授であり、何と「3名もの経済学者」が存在したことは驚くべきことでしょう。
こうしたシステムは、色々な軋轢や衝突を生み出しながらも、小泉総理のリーダーシップ=大衆支持という力を背景に、「改革路線」を進めることができました。経済学者3名の政治的なパワーというのは、実際の所「皆無」に等しく、道路公団民営化や年金改革などでは明らかな失敗でありました。党との綱引きでは常に譲歩を強いられ、「改革」とは名ばかりでした。そんな「後退路線」の経済学者3名でしたが、郵政民営化に伴う「解散」によって、遂に新たな一歩を踏み出すことに成功しました。小泉政権圧勝の恩恵を受けて、「官邸」「諮問会議」主導の統治システムを獲得したのです。このことは、経済学者たちが特別に頑張った結果であるとか、何かの大きな功績があった訳ではありません。単なる、「棚ボタ」でした。「3人寄れば文殊の知恵」とは言うものの、経済学者が何人集まっても政治的手段や解決方法など、何一つ思い浮かぶことなどありませんでした。ただ、彼らが本当に協力して知恵を出し合ったりしたことなどないのかもしれず、もしも本気で協力していたならば、もっと早くに良い解決策の一つくらいは出てきたかもしれないし、それを実行できるばかりでなく何かを実現できていたかもしれない(笑)。
それでも、選挙後には諮問会議の面々が夢見ていた(笑)、「政府」としての機能・役割と「政策集団」という新たな地位を手に入れることができたのです。それは、政権末期という非常に短い期間ではありましたが、経済学者たちが最も「仕事がしやすい」と感じたひと時だったことでしょう。しかし、それは長くは続きませんでした。ひょっとすると、これは何かの摂理なのかもしれません。心穏やかに、円滑に物事が進んでいくことは滅多にあることではなく、楽ができる期間というのは大抵は短く終わるものなのです(笑)。
再び、経済学者たちには、いくつかの試練がやってきました。
竹中大臣は、「権力中枢」に限りなく接近したかに思えた時期がありましたが、それはほんの短い間だけでした。今まで彼を毛嫌いしていた人々の鼻を明かすことができたと彼は考えたのですが、自信に満ちた言動と他人をバッサリと切り捨てられるある種の冷淡さは、鋭い刃となってそのまま自らに跳ね返ってきてしまいました。人間とは恐ろしいものです。
本間先生と吉川先生の場合は、今までの苦労が報われたという思いは僅かながらでもあったと思います。特に、これまでことごとく行く手を遮ってきた自民党が、まるでウソのように自ら「後ずさり」をしてくれたことに、感動を覚えたことは間違いないでしょう。あれほど暴れ狂っていた族議員たち(笑)が、借りてきた猫のように大人しいんですから。同じことを百万遍唱えていたのに、全く前進する気配すら見えなかった「政府系金融機関」の統合にしても、自分たちが主役となって思う存分取り組むことができたのですから。あの時初めて、「我々が歩んできた道は正しかったのだ」、「我々は『勝った』んだ」と確信することができたでしょう。しかし、このような「主役」として舞台に立ち続けることは、通常困難なのです。短い期間でしたが、華やいだ気分に浸ることはできたでしょう。
このようにして、3名の経済学者たちは、不思議な体験を経ながら進んできたのですが、その旅も終わりに近づいていることは自覚していることでしょう。自らの役目の終焉が見えてきているはずです。ここから先は、「残された使命」を彼らがどのように考えているか、ということが私の関心事なのです。
以前に、御用学者の「御三家」と私が勝手に名付けたのですが、その系譜がどうなるか、ということですね。勿論、これは自民党総裁選と連動しています。直結と言うべきかもしれません。将軍の跡目争いというのは、これはこれで大変でしょうね。お抱えの御用学者たちも、一部は用済みとして「お暇」を出されるでしょう(笑)。その一方では、新たに政府部内に―特に中枢近くに―登用されるものたちも出てくるでしょう。少なくとも、昔のような「黒子時代は終わった」ので、システムとしては諮問会議の形態が踏襲されるでしょう。総裁に誰がなっても、これは同じだろうと思っています。となれば、どこが重用されるのか?ということですね。
御三家は、「赤門派」「一橋派」「上方派」です。「赤門派」は勿論「東大」閥ですね。「一橋派」はそのまんま「一橋」、「上方派」は阪大です(そういえば、大変不思議なのですが、何故か京大の学者さんは殆ど入ってませんね。何か理由があるんでしょうか?)。財務省寄りの一派は多分「赤門派」優位であり(伝統のなせる技でしょうか)、それへの敵対心というか対抗心として(なのかどうかは知りませんが)一橋・上方連合が対峙する、というようなイメージですね。なので、内閣府とかその他委員等での登用は後者の方がよく見られてきたように思えます。このような勢力地図が書き換えられるのか、というのが一つの焦点ですね。
以前にも妄想記事で触れましたが、平岩研以来の中谷巌氏の系譜を後継者たちに引き継ぐことで、新興勢力である「経済マフィア」たちは実力をつけてきました。政府部内の重要なポストを占有したりするようになりました。更には、諮問会議内に送り込むことに成功したのですから、これは大きな成果であったと思えます。
本間、竹中両議員はそういう流れを引き継いできたものたちの代表格なのです。大田氏や高橋氏もそうですね。特に一橋出身で阪大グループに属している学者たちは、小泉政権時代には大きく飛躍して、勢力拡大となったのではないでしょうか。竹中大臣は大臣就任直前には慶応大教授でしたけれども、一橋出で阪大に行ってたんですよね?
そういう訳で、時期総裁は「どの御用学者」を重用するのか、というのが結構重要になってきます。指南役を定めるということは、特に経済政策においてはかなりの影響度があるのではなかろうか、と思います。さて、時期政権に最も近いのは、どの学閥なのでしょうか?ひょっとして、全く新たに登用されるかもしれませんしね。慶応・早稲田とか、その他ちょっと都会っぽい、洗練されたイメージの私立とか(笑)。実は、私立については、よくわからんのだけど。ああ、でもね、今は早稲田は厳しいね。既に不祥事でイメージダウン中だし、重要ポストには就けられない、って印象が濃いね・・・。そうなると、ハイ、「一つ脱落」ですか。
大チャーンス・・・慶応、とか思ってたりして。本気で狙ってる?現職の教授の人たちも、「ひょっとして、オレんとこに依頼が来たらどうしよう?」とか、ちょっとドキドキしてたりなんかして。所詮、総裁選次第なんですからね。自分の交友関係とか人脈を思い起こせば、直ぐに判るか。なら、ドキドキなんかしないよね。
因みに、阪大・一橋連合は中々強力だよ?赤門派を退けたくらいだからね(笑)。ひょっとして後継候補者を指名してるかもしれんし、案外と色々あるかもよー。
いずれにせよ、筆頭御用学者の争いも、地味ながら、実質的な影響力は大きいと考えていた方がいいと思うね。