優勝という最高の結果を出して終えることができた。これは素直に喜びたい。選手やザック監督におめでとうと言いたい。一方、色々な部分で勉強になる大会だった。
・勢いで勝てるような大会ではなかった
まず、初戦のヨルダン戦からして、暗雲立ち込める試合だった。
はっきり言って、あのまま0-1負けで終わっていても、何も言い訳できない内容だったろう。ヨルダンは厳しいと予想していたはずの日本戦で望外の引き分けを得て勢いに乗り、そのまま負けなしで決勝トーナメントに進むことになった。
日本は相手に勢いを与えた、と言ってもいいような試合だった、ということだ。実際、ヨルダンはあと数分で勝利を目前にしていたわけで、日本にとっては殆ど負け同然の試合だった。日本には勢いは元々なかった。今大会で勢いがあったというのは、決勝トーナメントに残ってきた、ウズベキスタン、カタール、ヨルダンなどだったはず。そして、日本はそれらのチームのうち2つと対戦し、苦しめられた。
逆に言うと、勢いがなかったことが、チームとしての成長をもたらす原動力となったはずだ。苦しんだ分だけ、勝負強く、粘り強くなっていった、ということだ。精神的にも逞しさが加わっていった。それを、選手たちが「自覚できるようなレベル」にまでなっていった、ということだろうと思う。
日本にとって、引き分けスタートだったことが、良くも悪くも、優勝の結果に繋がっていった。
あの試合の後、「ああ、前回優勝の時と、何となく感じが近いかも」と予感した人々は案外と多かったんじゃないだろうか。まさに、絶体絶命のピンチ、そういうのが似ていたように感じたのではないかな。ひょっとして優勝するかも、というのは、言ってしまうと逃げていってしまうかもと思い、試合内容とかについても予選を通るまでは黙って見守ることにした。だから、シリア戦もサウジ戦も見たけど、触れなかった。
>ラッキー?アンラッキー?~ヨルダン戦
・まだまだ「青いな」というチーム
ピンチを招いたのは、そもそもミスがあったからだ。守備面でのミスは、命取りとなる、ということだ。判定の不運などは確かにあるけれども、ミスから失点したりしていたことは確かだろう。韓国やオーストラリアと比べても、そういう失点があった、ということだ。
特に、韓国に同点に追いつかれた失点シーンなどは、まさしく「青さ」が出たものと思う。結果的にはPKで勝てたが、勝敗はどっちに転ぶか判らなかった。守備面では、もっと改善しなければならないことは多い。
それでも、これらのミスさえポジティブなものに変えていった。それは、チームとしての結束を生む効果をもたらしたからだ。
・「誰かのせい」ではなく「我々が招いた結果」
失点シーンでは、原因となるミスが存在する。現実はそうだ。だが、試合中の選手たちにとっては、そのことが重要なわけではない。互いにカバーし合ったり、ミスを挽回するのが、チームという意味だ。
長谷部のキャプテンとしての力量というか、人間性とか、そういう良さが表れているのかもしれない。追いかける苦しい展開となっても、やるべきことをやる、ということを実践し、流れを引き寄せた。ミスした人間にとっては、責任を一番感じるに決まっているのだ。そういう時に、悪い結果を受け入れる精神力があるかどうか、というのが、チームとしての強さだろうと思う。
試合中では、失点した、じゃあ次はどう行動するか、というのが大事なのであって、ミスを悔やんでみたって仕方がないのだ。起こってしまった結果は、既に結果なのだから。そう考えて行動できるようになる、というのは、かなり難しいことなんだろうと思うけれども、逆境を跳ね返せるくらいにチームとして逞しくなったということなのだろう。
花瓶を割ってしまって、その失敗をいくら責めてみても、花瓶は元に戻るわけじゃないのと同じ。既に割れたのだ、ということ。次に割らないようにするにはどうすべきか、ということの方が重要。特に試合中には。
決勝では、これまで出ていたミスは目に見えて少なくなり、失点をゼロに抑えることができた。豪州相手にゼロだったのだから、韓国戦での失敗は生きた、ということではないかな。
それと、故障者や退場者が出たりしても、控え選手たちでカバーし合った。これもチームとしての成果だろう。また、途中出場の選手が結果を出す、というのは大変なことだろうけれども、これを何人もがやれたのだから、本当に凄い。
例えばマーヤの劇的同点ヘッドで幕を開けた大会は、マーヤ退場かつ勝ち越し点を許すといったピンチを招いたりしながらも、最後は決勝で答えを出した、と。
どの試合でもヒーローが異なっていた、ということが、優勝をもたらした一番の原動力だったに違いない。
勢いや運で勝ち上がるというよりも、日本の代表チームとしての地力向上が感じられる大会だった。
代表チームは、なんと言うか、我慢を覚えたな、と。
大人になる、というのは、そういう辛抱強さみたいなものが備わることなのかもしれない。
辛抱して、チャンスを待つ。麻雀と一緒さ。流れを掴めるまでは、耐えて振り込まないようにする、みたいなのが出来るようになってきたんじゃないかな、と。勝負手が入るまで、じっと耐えて待てる、そういう感じになってきたな、と。
あと、韓豪以外のアジア勢の追い上げとかも、脅威と言えば脅威。レベルの底上げが進んでいるという感じ。
・勢いで勝てるような大会ではなかった
まず、初戦のヨルダン戦からして、暗雲立ち込める試合だった。
はっきり言って、あのまま0-1負けで終わっていても、何も言い訳できない内容だったろう。ヨルダンは厳しいと予想していたはずの日本戦で望外の引き分けを得て勢いに乗り、そのまま負けなしで決勝トーナメントに進むことになった。
日本は相手に勢いを与えた、と言ってもいいような試合だった、ということだ。実際、ヨルダンはあと数分で勝利を目前にしていたわけで、日本にとっては殆ど負け同然の試合だった。日本には勢いは元々なかった。今大会で勢いがあったというのは、決勝トーナメントに残ってきた、ウズベキスタン、カタール、ヨルダンなどだったはず。そして、日本はそれらのチームのうち2つと対戦し、苦しめられた。
逆に言うと、勢いがなかったことが、チームとしての成長をもたらす原動力となったはずだ。苦しんだ分だけ、勝負強く、粘り強くなっていった、ということだ。精神的にも逞しさが加わっていった。それを、選手たちが「自覚できるようなレベル」にまでなっていった、ということだろうと思う。
日本にとって、引き分けスタートだったことが、良くも悪くも、優勝の結果に繋がっていった。
あの試合の後、「ああ、前回優勝の時と、何となく感じが近いかも」と予感した人々は案外と多かったんじゃないだろうか。まさに、絶体絶命のピンチ、そういうのが似ていたように感じたのではないかな。ひょっとして優勝するかも、というのは、言ってしまうと逃げていってしまうかもと思い、試合内容とかについても予選を通るまでは黙って見守ることにした。だから、シリア戦もサウジ戦も見たけど、触れなかった。
>ラッキー?アンラッキー?~ヨルダン戦
・まだまだ「青いな」というチーム
ピンチを招いたのは、そもそもミスがあったからだ。守備面でのミスは、命取りとなる、ということだ。判定の不運などは確かにあるけれども、ミスから失点したりしていたことは確かだろう。韓国やオーストラリアと比べても、そういう失点があった、ということだ。
特に、韓国に同点に追いつかれた失点シーンなどは、まさしく「青さ」が出たものと思う。結果的にはPKで勝てたが、勝敗はどっちに転ぶか判らなかった。守備面では、もっと改善しなければならないことは多い。
それでも、これらのミスさえポジティブなものに変えていった。それは、チームとしての結束を生む効果をもたらしたからだ。
・「誰かのせい」ではなく「我々が招いた結果」
失点シーンでは、原因となるミスが存在する。現実はそうだ。だが、試合中の選手たちにとっては、そのことが重要なわけではない。互いにカバーし合ったり、ミスを挽回するのが、チームという意味だ。
長谷部のキャプテンとしての力量というか、人間性とか、そういう良さが表れているのかもしれない。追いかける苦しい展開となっても、やるべきことをやる、ということを実践し、流れを引き寄せた。ミスした人間にとっては、責任を一番感じるに決まっているのだ。そういう時に、悪い結果を受け入れる精神力があるかどうか、というのが、チームとしての強さだろうと思う。
試合中では、失点した、じゃあ次はどう行動するか、というのが大事なのであって、ミスを悔やんでみたって仕方がないのだ。起こってしまった結果は、既に結果なのだから。そう考えて行動できるようになる、というのは、かなり難しいことなんだろうと思うけれども、逆境を跳ね返せるくらいにチームとして逞しくなったということなのだろう。
花瓶を割ってしまって、その失敗をいくら責めてみても、花瓶は元に戻るわけじゃないのと同じ。既に割れたのだ、ということ。次に割らないようにするにはどうすべきか、ということの方が重要。特に試合中には。
決勝では、これまで出ていたミスは目に見えて少なくなり、失点をゼロに抑えることができた。豪州相手にゼロだったのだから、韓国戦での失敗は生きた、ということではないかな。
それと、故障者や退場者が出たりしても、控え選手たちでカバーし合った。これもチームとしての成果だろう。また、途中出場の選手が結果を出す、というのは大変なことだろうけれども、これを何人もがやれたのだから、本当に凄い。
例えばマーヤの劇的同点ヘッドで幕を開けた大会は、マーヤ退場かつ勝ち越し点を許すといったピンチを招いたりしながらも、最後は決勝で答えを出した、と。
どの試合でもヒーローが異なっていた、ということが、優勝をもたらした一番の原動力だったに違いない。
勢いや運で勝ち上がるというよりも、日本の代表チームとしての地力向上が感じられる大会だった。
代表チームは、なんと言うか、我慢を覚えたな、と。
大人になる、というのは、そういう辛抱強さみたいなものが備わることなのかもしれない。
辛抱して、チャンスを待つ。麻雀と一緒さ。流れを掴めるまでは、耐えて振り込まないようにする、みたいなのが出来るようになってきたんじゃないかな、と。勝負手が入るまで、じっと耐えて待てる、そういう感じになってきたな、と。
あと、韓豪以外のアジア勢の追い上げとかも、脅威と言えば脅威。レベルの底上げが進んでいるという感じ。