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エネルギー価格支配で大損の日本

2013年10月21日 16時16分35秒 | 経済関連
ホント、原発がどうのと言って出鱈目を言う連中が多すぎるな。
貿易赤字の原因は何かって?

それは、輸出比率の高い企業が輸出しないから、だろ。


燃料費が増加したからだ、というのは一面で正しいけれども、事実をよく見てない。

まず、原粗油の輸入量は2012年と09年はほぼ同じ量である。18000kL多いだけ(2億1300万kLに対して)。原発稼働期間と同じだ、ということ。05年~08年と10年はいずれも12年より多い。

また、LNGの輸入増加があったからだ、というのは間違いではないが、2011年以前から増加率は高かった。原油に比べて価格が安かったから、だ。


石油、ガス、石炭等の輸入合計額では、08年が資源価格高騰の影響があって、年間27兆円以上になっていた。12年はそれに次ぐ輸入額(約24兆円)だった。
もしも09年と同じ原油及び天然ガス価格であったなら、原粗油は7.6兆弱に過ぎず、LNGとの合計でも11兆3880億円にしかならない。それが2倍以上の輸入額になっているわけである。その理由とは、日本が一方的に高い価格で購入するから、である。言うなれば、日本の輸出企業からの「利益供与」だ。当の日系輸出企業はその資金を日本国民から徴収している、というわけである。


原油やLNG価格が需給で決まる、なんてのは、真っ赤なウソに過ぎない。
価格支配力のある連中が、値を釣り上げているだけである。

>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/32c444de76dfd812fe54a19355034c98



そもそも09年時点と比較して、12年の世界需要がそんなにべら棒に増加したか?
供給余力が減ったからだ、といったような、ウソみたいな解説があったりしたが、減産に次ぐ減産をしていたOPECが2500万バレル(日量)以下まで制限していたのを止めただけでも、十分に世界需要の伸びをカバーできているだろう。


もっと重要なことは、世界最大需要国であったアメリカが、増産したことでロシア以上の生産国に生まれ変わっており、結果的に輸入量激減となったわけである。

>http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304676604579112240284867788.html


サウジアラビアにしても、900万バレル以下しか生産しないと言っていた価格下落時と比べて、今は1100万バレル上に増産しているのだ。


単純に、アメリカの生産量1000万バレル以上(天然ガス移行分もあるから、旧需要量は無視することにする)分だけ供給量が増加したなら、世界需要の伸び以上の供給力増強だ。すなわち、価格下落としかならない。いくらナイジェリアとかリビア、イラク、イランなんかの問題があったにせよ、そこまで需給逼迫になんかならない。世界需要が約9000万バレル/日レベルであるのだから、アメリカ需要量が消えるということが、インパクトはそれなりに大きいはずだろう。世界最大輸入国が輸入をやめるんだぞ?それでも、供給が減っていると?(笑)


アメリカがやったことというのは、邪魔な競合生産国を騒乱や経済制裁と称して市場から締め出し、その空いた部分に自国生産を入りこませた、というだけである。


価格が上がることの理由なんかない、ってことさ。
アメリカの供給力増強や日本のような大口需要国の需要減なんかで、供給超過が起こるはずであり、それは価格下落要因でしかない。


天然ガス価格の上昇というのも、アメリカの輸入量が消えたはずなのだから、価格上昇の理由は全くの不明である。


あるとすれば、ドル大量供給によるとか、米国内産業として成立させるに必要な最低価格維持、ということくらいか。アメリカでの生産価格が輸入原油に競合できない場合には、原油を国内で生産せずに輸入する方が得になるからである。


ま、本来的にはドル円はもっと円高になっていなければならないはずであり、輸出企業が毎回毎回悲鳴を上げて、ウソ八百を並べることで、結果的には海外エネルギー企業への「利益供与」を行ったということである。円安の結果、日本国民全部がマイナスの大打撃を与えられ、利益は輸出企業と石油企業やガス企業にもたらされた、というようなことだな。


日本のエネルギー政策は、そういう対外的要因で「自国エネルギー開発」という自前主義を否定されるのだ。ヤクの売人みたいなもんだ。買う人間は、ヤクの依存症だ。使い続けるからこそ、売人の儲けができるわけだよ。だから、これまでヤクを買ってきた顧客が「ヤクから抜けるわ」と言おうものなら、全力で阻止しようとするわけ。

それに乗っかる政治家と官僚たち、業界の連中。経済界。


その結果が、日本だけバカ高い原油や天然ガスを買わされ、輸出で儲からないのに輸入価格値上げだけ押し付けられ、その上消費税増税負担を負わされる、と。一方的に損しているだけ。

需給で決まらない原油やガスの価格は、日本に適用されるわけだ。米国内だけであれば需給の原則はそれなりに通用しているだろうけどな。だから大幅にガス価格が下落しているわけで。


こうやって、デフレ推進の経済界が日本をダメにしてきたんだよ。



貿易赤字拡大は輸出企業への所得移転政策

2013年10月21日 11時48分26秒 | 経済関連
貿易赤字が拡大している、と喧伝する政府の御用機関か。


>http://www.47news.jp/CN/201310/CN2013102101001381.html


財務省が21日発表した2013年度上半期(4~9月)の貿易統計(速報、通関べース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は4兆9892億円の赤字で、比較可能な1979年度以降、半期ベースで過去最大の赤字額となった。

 原発の停止と円安の影響で、液化天然ガス(LNG)など火力発電用の燃料の輸入額が膨らんだことが響いた。

 輸出は自動車などが増え、前年同期比9・8%増の35兆3199億円で5期ぶりに増加した。輸入は、原油やLNGの高止まりが続き13・9%増の40兆3091億円で、7期連続の増加。


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これは、予想通りの結果である。

7月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/0495804169d616e3f98f2a9607a795cb


要するに、輸出企業は自分の利益優先の為に、全国民に犠牲を強いている、ということだ。農業の関税でどうの、なんていう、微々たる額なんかじゃない、って言ってるんだよ。


デフレ期間での特徴的なことは、輸入物価がどんどん高くなってきたのに、輸出物価が低いままであった、すなわちその輸出系企業が日本人全体に無理矢理「価格引き下げ」を要求したことによって、デフレは強固となった。

円安にしなければ競争力がない、などという出鱈目を言い募り、交易条件悪化の犠牲を「自分たち以外」の日本国民に強いたのである。それは、数十兆円~数百兆円規模で行われたのだよ。


貿易赤字拡大の理由は、そもそもが交易条件悪化ということだ。


その上、原発停止で燃料輸入が増加したからだ、などという出鱈目を言いふらすのが財務省とマスコミということである。それは輸出系大企業を守らんが為、である。そいつらは、こともあろうか、日本の売り渡しを率先して行っており、経団連はその旗振り役だ。貿易と円安で日本に大損害を与え、TPPで更なる日本国売り渡しを強いるのである。



上半期(1~6月)における輸入数量を見ると、原粗油は前年同月比で「-3.3%」である。これを、「減少」と呼ぶのだ。しかし、財務省とマスコミは、国民を騙す為に上記記事を流すのである。
では液化天然ガスはどうか?やはり「-2.7%」だった。


つまり、原発停止が続いていても、原粗油及び液化天然ガス(液化石油ガスもやはり減少だ)は数量として「減少」したんだよ。
では、何が増えたのか?
支払金額ということであり、その最大は為替要因であろうことは容易に想像がつく。価格要因もあるかもしれないが、為替に比べればその影響度は小さいはずだろう。


どうしてこうなるのか?
それは、輸出系企業の大企業が「困った、困った」と大騒ぎするからだ。彼らに政治力が異様に与えられているからだ。全国民から輸出企業への所得移転である、という指摘を何度もしてきたが、円安というのは日本国民への犠牲転嫁だ。


経団連は、日本の為ではなく、海外の金儲け主義者どもと結託しており、それに加担し手を貸す霞が関官僚どもと政治家たちが、一体化してTPP推進やドル買いで日本国民に打撃を与えているのである。アベノミクスのせいで、赤字が拡大した、日本人のエネルギー費用が増大したのは原発停止要因よりも、円安を人為的に引き起こしている経済政策によるのである、と説明するべきだ。