橋下徹大阪市長に再度ご忠告しよう。
池田信夫は、間違いとかウソとか妄言を平気で言う。なので、こやつの言うことなど相手にするべきではない。返答すると、必ず絡んでくることになる。目的は売名行為だけ。
こやつの主張を検証してみよう。
>http://b.hatena.ne.jp/entry/agora-web.jp/archives/1453851.html
『電気事業法では、定期検査の終わった原発が技術基準を満たしていれば、保安院は運転を許可しなければならないが、政府が法的根拠なく運転を許可しないからだ。橋下徹氏も認めるように、この手続きには瑕疵があり、憲法に定める法の支配に抵触する。 つまり関西電力が運転する理由を説明する義務はなく、政府が運転を許可しない理由を説明する義務があるのだ。』
池田の主張によれば、政府が運転許可しない理由の説明義務を負う、ということだ。
(※関係ない話だが、呼び捨てというのはごく普通だ。論文や著作では、基本的に敬称をつけない。どんなに高名な学者であっても、論文著者名が呼び捨てで引用される。これは学問の世界ではごく普通の常識。法学(法曹界)関係だけは、違う慣習なのかもしれないが。なので、呼び捨てだということを非難するのは、自分の恥となるので止めたほうがいい。)
へえー、そうですか。本当なんですかね?
だったら、何故再稼動の際にいちいち知事にお伺いを立てるのでしょうか?不必要なのに、わざわざ手続を面倒にしていると?シロアリのクズどもが、何の理由もなくそんなことをするとも思えないわけだが。霞ヶ関の連中にとって、法と手続きこそが彼らの存在意義を示す最大の根拠だろう。
昨年夏に試験運転中だった泊原発の営業運転を再開させたのは、高橋はるみ知事でしたが、ああいうのも聞く必要がない、ということですかね。当時は、夏の電力需給逼迫と脅されて、なし崩し的に運転再開(というか実質運転していたわけだが)となった。
これは本題ではないから、まあいい。
とりあえず、原発の運転について、政府がゴーサインを出せない理由というのを考えてみる。池田は政府の説明責任を果たせ、というので、当方が代わりに答えることに挑戦するよ(笑)。
(1)電気事業法における問題点
関西電力に何の落ち度もないと言えるか?
もし、本当にそうであるなら、経産省がわざと許可(?認可?)を不当に遅らせているということになるので、行政手続法違反ということになるだろう。
拙ブログの意見は違う。以下の条文があるからだ。
○電気事業法 第29条
電気事業者(特定電気事業者及び特定規模電気事業者を除く。以下この条において同じ。)は、経済産業省令で定めるところにより、毎年度、当該年度以降経済産業省令で定める期間における電気の供給並びに電気工作物の設置及び運用についての計画(以下「供給計画」という。)を作成し、当該年度の開始前に、経済産業大臣に届け出なければならない。
2 電気事業者は、供給計画を変更したときは、遅滞なく、変更した事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
3 経済産業大臣は、供給計画が広域的運営による電気事業の総合的かつ合理的な発達を図るため適切でないと認めるときは、電気事業者に対し、その供給計画を変更すべきことを勧告することができる。
4 経済産業大臣は、前項の規定による勧告をした場合において特に必要があり、かつ、適切であると認めるときは、電気事業者に対し、次の事項を命ずることができる。ただし、第三号の事項は、卸電気事業者に対しては、命ずることができない。
一 一般電気事業者に電気を供給すること。
二 振替供給を行うこと。
三 電気の供給を受けること。
四 電気事業者に電気工作物を貸し渡し、若しくは電気事業者から電気工作物を借り受け、又は電気事業者と電気工作物を共用すること。
論点に必要な部分だけをかいつまんで言うと、次のようなことがある。
・電気事業者は供給計画の届出義務がある(1項)
・広域的運営による電気事業の総合的かつ合理的発達の為に不適切な場合には、計画変更を勧告できる(3項)
・3項勧告実施の場合、4項事項の”命令”が可能
経産大臣権限が使える、ということだ。しかも、計画変更の勧告後であれば、命令権限があるわけである。
では、関西電力の届出を見てみよう。
3月29日>http://www.kepco.co.jp/pressre/2012/__icsFiles/afieldfile/2012/04/10/0329_2j_01.pdf
なんじゃ、こりゃ、でしょ?
未定、こればかり。未定なのに、計画と呼べるか?
参考までに、昨年度だと、こんな感じ。
2011年3月28日>http://www.kepco.co.jp/pressre/2011/0328-3_1j.html
ヘンですよねえ?
8月の供給計画もなし。今年度の計画もなし。
29条届出の要件は、次のようになっている。
○電気事業法施行規則 第46条
法第二十九条第一項 の規定による届出をしようとする者(以下この条において「供給計画届出者」という。)は、次の各号に掲げる事項(卸電気事業者にあっては第二号ホ及びヘまでに掲げる事項を除く。)について当該各号に定める期間における計画を記載した様式第三十二の供給計画届出書を提出しなければならない。
一 電気の供給(振替供給、接続供給及び特定供給並びに法第十七条第一項第一号 に掲げる電気の供給を除く。以下この項において同じ。)についての事項
イ 年度別の最大電力の供給に関すること 初年度以降十年間
ロ 年度別の電力量の供給に関すること 初年度以降十年間
ハ 月別の最大電力の供給に関すること 初年度
ニ 月別の電力量の供給に関すること 初年度
二 電気工作物の設置及び運用についての事項
イ 使用を開始し、又は能力を変更する発電所に関すること 初年度以降十年間
ロ 使用を開始し、又は能力を変更する主要な送電線路及び変電所に関すること 初年度以降十年間
ハ 第十一年度以降に使用を開始し、又は能力を変更する発電所であって、第十年度以内に着工するもののうち出力三十五万キロワット以上のもの(能力を変更するものにあっては、その変更する出力が三十五万キロワット以上のものに限る。)に関すること 第十一年度以降
ニ 電気の取引(振替供給、接続供給及び特定供給並びに法第十七条第一項第一号 に掲げる電気の供給を除く。以下この号において同じ。)に関すること 初年度以降十年間
ホ 初年度において実施する法第二十二条第一項第一号 の入札による電気の調達規模及び調達期間並びに当該入札の上限価格及びその算定の考え方に関すること 初年度以降十年間
ヘ 第二年度以降九年間において実施する法第二十二条第一項第一号 の入札による電気の調達規模及び調達期間に関すること第二年度以降九年間
2 前項の届出書には、次の書類(卸電気事業者にあっては、第一号イ及びロ、第四号並びに第五号の書類を除く。)を添付しなければならない。
一 前項第一号に規定する事項に関する次の書類
イ 供給計画届出者が自らの供給区域内において行う電気の供給(振替供給及び特定供給並びに法第十七条第一項第一号 に掲げる電気の供給を除く。)に対する需要について記載した様式第三十三の供給区域需要電力量想定書
ロ 供給計画届出者が行う電気の供給(振替供給、接続供給及び特定供給並びに法第十七条第一項第一号 に掲げる電気の供給を除く。)に対する需要について記載した様式第三十三の二の自社需要電力量想定書
ハ 様式第三十四の初年度における発電所別発電計画明細書
ニ 様式第三十五の初年度における火力発電所燃料計画明細書
ホ 様式第三十六の初年度における電気の取引に関する計画書
二 前項第二号イに規定する事項に関する発電原価及びその内訳を記載した書類(既に添付されたものから変更がないもの、既に着工したもの、落札した供給条件に対応する発電所に係るもの及び出力一万キロワット未満の発電所であって、ダムを伴わない水力発電所(前項第二号イに規定する使用の開始又は能力の変更により河川の流況に変化が生じないものに限る。)、火力発電所、燃料電池発電所、風力発電所、太陽光発電所、地熱発電所、バイオマス発電所、廃棄物発電所又は全国的な電力系統に連系していない離島(沖縄本島を除く。)における発電所に係るものを除く。)
三 様式第三十八の初年度、第五年度及び第十年度の各年度末における電力系統の状況を記載した書類
四 初年度及び第五年度の最大需要電力発生時における電力潮流の状況を記載した書類
五 様式第三十八の二の初年度、第五年度及び第十年度の会社間連系線ごとの送電容量並びに最大需要電力発生時における運用容量及び受給電力を記載した書類
3 法第二十九条第二項 の規定による供給計画の変更の届出をしようとする者は、様式第三十九の供給計画変更届出書に変更を必要とする理由を記載した書類及び当該変更に係る前項各号の書類の変更の内容を添えて提出しなければならない。
非常に長く分量が多いので、今年に関係する部分だけでも言うと、平成24年度(初年度)の最大電力供給、この月別供給量、発電所別の発電計画、そういうのを出す必要がある、ということである。火力の燃料計画だとか、他社からの受電分とか、そういうのも出す必要がある、ということだ。
3月末時点で、本来電力各社で計画が整合的になっていなければならない、ということである。
これが、全くの未知数。
というか、今年度は既に1ヶ月以上経過しているのに、行き当たりばったりで発電している、というのと変わりない、ということだ。まさしく、無計画発電。
この届出の罰則規定は存在してないこと、電気事業法29条要件が実質的に欠格であっても、そのことをもって原発やその他発電設備の稼動を強制的に停止する権限はないこと、というのはある。原子炉等規制法でも、止める権限は規定されていない。
なので、法的強制力をもって、原発を止められるわけではないが、関西電力側に不備は存在しないかといえば、そうではないだろう、という話である。
外見的には、少なくとも電気事業法施行規則46条の要件は、満たされていない。
届出に不備があるなら、大臣は勧告するか命令権限を発動すべき、ということがあり得る。このような不備を放置して、電気事業者に事業を継続させるのは、非常に問題があるというべきである。
本音のところでは、関西電力としては自分で届出を書いて出したいが、政府方針がグニャグニャでわけが判らず、経産省の方でも「関西電力が数字を勝手に決めて出すな」みたいにあれこれと注文を付けてくるだろうから、数字を出すに出せない、と。
で、こんな未定のオンパレードになってしまい、年度に入ってしまって、現時点になってでさえ決められない、と。恐らく、変更届出も出せてない、と。アホじゃな。こんないい加減なやり方でもいいのか。
なし崩し。泥縄。
もうね、何と呼べばいいのか判らんわ。ただ、何となく発電してるよ、と。
滅茶苦茶だ。これが、日本の電力行政なんだと。末期的だな。
(つづく)
池田信夫は、間違いとかウソとか妄言を平気で言う。なので、こやつの言うことなど相手にするべきではない。返答すると、必ず絡んでくることになる。目的は売名行為だけ。
こやつの主張を検証してみよう。
>http://b.hatena.ne.jp/entry/agora-web.jp/archives/1453851.html
『電気事業法では、定期検査の終わった原発が技術基準を満たしていれば、保安院は運転を許可しなければならないが、政府が法的根拠なく運転を許可しないからだ。橋下徹氏も認めるように、この手続きには瑕疵があり、憲法に定める法の支配に抵触する。 つまり関西電力が運転する理由を説明する義務はなく、政府が運転を許可しない理由を説明する義務があるのだ。』
池田の主張によれば、政府が運転許可しない理由の説明義務を負う、ということだ。
(※関係ない話だが、呼び捨てというのはごく普通だ。論文や著作では、基本的に敬称をつけない。どんなに高名な学者であっても、論文著者名が呼び捨てで引用される。これは学問の世界ではごく普通の常識。法学(法曹界)関係だけは、違う慣習なのかもしれないが。なので、呼び捨てだということを非難するのは、自分の恥となるので止めたほうがいい。)
へえー、そうですか。本当なんですかね?
だったら、何故再稼動の際にいちいち知事にお伺いを立てるのでしょうか?不必要なのに、わざわざ手続を面倒にしていると?シロアリのクズどもが、何の理由もなくそんなことをするとも思えないわけだが。霞ヶ関の連中にとって、法と手続きこそが彼らの存在意義を示す最大の根拠だろう。
昨年夏に試験運転中だった泊原発の営業運転を再開させたのは、高橋はるみ知事でしたが、ああいうのも聞く必要がない、ということですかね。当時は、夏の電力需給逼迫と脅されて、なし崩し的に運転再開(というか実質運転していたわけだが)となった。
これは本題ではないから、まあいい。
とりあえず、原発の運転について、政府がゴーサインを出せない理由というのを考えてみる。池田は政府の説明責任を果たせ、というので、当方が代わりに答えることに挑戦するよ(笑)。
(1)電気事業法における問題点
関西電力に何の落ち度もないと言えるか?
もし、本当にそうであるなら、経産省がわざと許可(?認可?)を不当に遅らせているということになるので、行政手続法違反ということになるだろう。
拙ブログの意見は違う。以下の条文があるからだ。
○電気事業法 第29条
電気事業者(特定電気事業者及び特定規模電気事業者を除く。以下この条において同じ。)は、経済産業省令で定めるところにより、毎年度、当該年度以降経済産業省令で定める期間における電気の供給並びに電気工作物の設置及び運用についての計画(以下「供給計画」という。)を作成し、当該年度の開始前に、経済産業大臣に届け出なければならない。
2 電気事業者は、供給計画を変更したときは、遅滞なく、変更した事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
3 経済産業大臣は、供給計画が広域的運営による電気事業の総合的かつ合理的な発達を図るため適切でないと認めるときは、電気事業者に対し、その供給計画を変更すべきことを勧告することができる。
4 経済産業大臣は、前項の規定による勧告をした場合において特に必要があり、かつ、適切であると認めるときは、電気事業者に対し、次の事項を命ずることができる。ただし、第三号の事項は、卸電気事業者に対しては、命ずることができない。
一 一般電気事業者に電気を供給すること。
二 振替供給を行うこと。
三 電気の供給を受けること。
四 電気事業者に電気工作物を貸し渡し、若しくは電気事業者から電気工作物を借り受け、又は電気事業者と電気工作物を共用すること。
論点に必要な部分だけをかいつまんで言うと、次のようなことがある。
・電気事業者は供給計画の届出義務がある(1項)
・広域的運営による電気事業の総合的かつ合理的発達の為に不適切な場合には、計画変更を勧告できる(3項)
・3項勧告実施の場合、4項事項の”命令”が可能
経産大臣権限が使える、ということだ。しかも、計画変更の勧告後であれば、命令権限があるわけである。
では、関西電力の届出を見てみよう。
3月29日>http://www.kepco.co.jp/pressre/2012/__icsFiles/afieldfile/2012/04/10/0329_2j_01.pdf
なんじゃ、こりゃ、でしょ?
未定、こればかり。未定なのに、計画と呼べるか?
参考までに、昨年度だと、こんな感じ。
2011年3月28日>http://www.kepco.co.jp/pressre/2011/0328-3_1j.html
ヘンですよねえ?
8月の供給計画もなし。今年度の計画もなし。
29条届出の要件は、次のようになっている。
○電気事業法施行規則 第46条
法第二十九条第一項 の規定による届出をしようとする者(以下この条において「供給計画届出者」という。)は、次の各号に掲げる事項(卸電気事業者にあっては第二号ホ及びヘまでに掲げる事項を除く。)について当該各号に定める期間における計画を記載した様式第三十二の供給計画届出書を提出しなければならない。
一 電気の供給(振替供給、接続供給及び特定供給並びに法第十七条第一項第一号 に掲げる電気の供給を除く。以下この項において同じ。)についての事項
イ 年度別の最大電力の供給に関すること 初年度以降十年間
ロ 年度別の電力量の供給に関すること 初年度以降十年間
ハ 月別の最大電力の供給に関すること 初年度
ニ 月別の電力量の供給に関すること 初年度
二 電気工作物の設置及び運用についての事項
イ 使用を開始し、又は能力を変更する発電所に関すること 初年度以降十年間
ロ 使用を開始し、又は能力を変更する主要な送電線路及び変電所に関すること 初年度以降十年間
ハ 第十一年度以降に使用を開始し、又は能力を変更する発電所であって、第十年度以内に着工するもののうち出力三十五万キロワット以上のもの(能力を変更するものにあっては、その変更する出力が三十五万キロワット以上のものに限る。)に関すること 第十一年度以降
ニ 電気の取引(振替供給、接続供給及び特定供給並びに法第十七条第一項第一号 に掲げる電気の供給を除く。以下この号において同じ。)に関すること 初年度以降十年間
ホ 初年度において実施する法第二十二条第一項第一号 の入札による電気の調達規模及び調達期間並びに当該入札の上限価格及びその算定の考え方に関すること 初年度以降十年間
ヘ 第二年度以降九年間において実施する法第二十二条第一項第一号 の入札による電気の調達規模及び調達期間に関すること第二年度以降九年間
2 前項の届出書には、次の書類(卸電気事業者にあっては、第一号イ及びロ、第四号並びに第五号の書類を除く。)を添付しなければならない。
一 前項第一号に規定する事項に関する次の書類
イ 供給計画届出者が自らの供給区域内において行う電気の供給(振替供給及び特定供給並びに法第十七条第一項第一号 に掲げる電気の供給を除く。)に対する需要について記載した様式第三十三の供給区域需要電力量想定書
ロ 供給計画届出者が行う電気の供給(振替供給、接続供給及び特定供給並びに法第十七条第一項第一号 に掲げる電気の供給を除く。)に対する需要について記載した様式第三十三の二の自社需要電力量想定書
ハ 様式第三十四の初年度における発電所別発電計画明細書
ニ 様式第三十五の初年度における火力発電所燃料計画明細書
ホ 様式第三十六の初年度における電気の取引に関する計画書
二 前項第二号イに規定する事項に関する発電原価及びその内訳を記載した書類(既に添付されたものから変更がないもの、既に着工したもの、落札した供給条件に対応する発電所に係るもの及び出力一万キロワット未満の発電所であって、ダムを伴わない水力発電所(前項第二号イに規定する使用の開始又は能力の変更により河川の流況に変化が生じないものに限る。)、火力発電所、燃料電池発電所、風力発電所、太陽光発電所、地熱発電所、バイオマス発電所、廃棄物発電所又は全国的な電力系統に連系していない離島(沖縄本島を除く。)における発電所に係るものを除く。)
三 様式第三十八の初年度、第五年度及び第十年度の各年度末における電力系統の状況を記載した書類
四 初年度及び第五年度の最大需要電力発生時における電力潮流の状況を記載した書類
五 様式第三十八の二の初年度、第五年度及び第十年度の会社間連系線ごとの送電容量並びに最大需要電力発生時における運用容量及び受給電力を記載した書類
3 法第二十九条第二項 の規定による供給計画の変更の届出をしようとする者は、様式第三十九の供給計画変更届出書に変更を必要とする理由を記載した書類及び当該変更に係る前項各号の書類の変更の内容を添えて提出しなければならない。
非常に長く分量が多いので、今年に関係する部分だけでも言うと、平成24年度(初年度)の最大電力供給、この月別供給量、発電所別の発電計画、そういうのを出す必要がある、ということである。火力の燃料計画だとか、他社からの受電分とか、そういうのも出す必要がある、ということだ。
3月末時点で、本来電力各社で計画が整合的になっていなければならない、ということである。
これが、全くの未知数。
というか、今年度は既に1ヶ月以上経過しているのに、行き当たりばったりで発電している、というのと変わりない、ということだ。まさしく、無計画発電。
この届出の罰則規定は存在してないこと、電気事業法29条要件が実質的に欠格であっても、そのことをもって原発やその他発電設備の稼動を強制的に停止する権限はないこと、というのはある。原子炉等規制法でも、止める権限は規定されていない。
なので、法的強制力をもって、原発を止められるわけではないが、関西電力側に不備は存在しないかといえば、そうではないだろう、という話である。
外見的には、少なくとも電気事業法施行規則46条の要件は、満たされていない。
届出に不備があるなら、大臣は勧告するか命令権限を発動すべき、ということがあり得る。このような不備を放置して、電気事業者に事業を継続させるのは、非常に問題があるというべきである。
本音のところでは、関西電力としては自分で届出を書いて出したいが、政府方針がグニャグニャでわけが判らず、経産省の方でも「関西電力が数字を勝手に決めて出すな」みたいにあれこれと注文を付けてくるだろうから、数字を出すに出せない、と。
で、こんな未定のオンパレードになってしまい、年度に入ってしまって、現時点になってでさえ決められない、と。恐らく、変更届出も出せてない、と。アホじゃな。こんないい加減なやり方でもいいのか。
なし崩し。泥縄。
もうね、何と呼べばいいのか判らんわ。ただ、何となく発電してるよ、と。
滅茶苦茶だ。これが、日本の電力行政なんだと。末期的だな。
(つづく)