イタリアの国際学会に赴く途上、トランジットのパリ・ロワッシー
空港から搭乗したヴェローナ行きの飛行機の中でのこと、偶然、リ
ヨン大学のクリスティーヌ・プランテ氏と隣り合わせの席になり、
びっくりしてしまいました。周囲をそれとなく見回せば、美しい
ブルーの洋服を纏ったENSのB.ディディエ氏の姿が目に入ってくる
し、後ろの座席からはベルギーの新ルーヴァン大学のザノン氏の
声が聞こえてくるではありませんか。その隣の席の方もどなたか
サンド研究者でおられる様子、錚々たるメンバーが同じ便に乗っ
ていらしたのだと知り、恐れ慄いて小さな身をますます小さくす
るようにして自分の席に縮こまっていたのでした。機内ではプラ
ンテさんも私もパソコンを出して仕事をしたので、二人の会話は
多いという訳ではなかったのですが、そんな中で、フランスの博
士号取得のことが話題となりました。氏によれば、最近、ドクト
ラ取得制度が改革され、外国人はますますドクター取得が困難に
なったとのことでした。
帰国後、この話を思い出し、調べてみたところ、次のような情報
が出てきました。本ページの下欄に、また、明日と明後日のページ
にも関連事項をアップしてみました。ご参考までに!
ーーー
Vers un doctorat « vite fait mal fait » -
Leïla Frouillou et Paul Citron, Le Monde/Idées,
24 avril 2015
Le ministère de l’éducation nationale, de l’enseignement
supérieur et de la recherche travaille actuellement sur un
arrêté qui fixe une durée maximale de trois ans pour la
réalisation des thèses de doctorat. Des critiques se sont
déjà faites entendre au sein de la sphère académique, et
nous souhaitons par ce texte élargir le débat en discutant
du modèle de société et d’accès au savoir qu’implique
un tel arrêté.
http://www.sauvonsluniversite.com/spip.php?article7463
Idées
Vers un doctorat « vite fait mal fait » ?
En savoir plus sur http://www.lemonde.fr/idees/article/2015/04/24/vers-un-doctorat-vite-fait-mal-fait_4622285_3232.html#DhkcY4vdjRI3QLkx.99
ーーーー
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/d4/d59f0f67e66021a288375ee7e26ea3d9.jpg)
画像はポリーヌ・ヴィアルドに何度も求婚したのに拒否された詩人
ミュッセの描いた18才のポリーヌです。パソコンに入っていたこの
画像をプランテさんにお見せすると、これは見たことがないと暫し
見入っておられました。
ヴェローナ国際学会のメインテーマは「ジョルジュ・サンドと女性
の朋輩たち:芸術家と知識人」でした。
私の発表テーマは「ジョルジュ・サンドとポリーヌ・ヴィアルドに
おける周縁性」というもので、オペラ歌手コンスエロの物語のヒロ
インのモデルとなったポリーヌ・ヴィアルドの周縁性、彼女を周縁
化したミュッセのanimosité, サンドとポリーヌの共通の友人であっ
たマージナルマン、リストとショパン、また、当時のフランスに巨大
な富をもたらしたピアノ産業エラール社と周縁的存在であったプレイ
エル社、二大作曲家とこれら二社との関係、サンドとポリーヌが企図
した音楽と文学の融合(ヌーベル・マルセイエーズの協同企画など)
さらにはサンドとポリーヌが周縁化することになったサンドの長女
ソランジュについても言及しつつ、キーワードの「マルジナリテ」を
手掛かりにサンドの大河小説『コンスエロ』および『ルードルシュ
タッド公爵夫人』を分析、最終的にR.E.パークのマージナルマンの
理論は、作家サンドや音楽家ポリーヌの生き方にもコンスエロの物語
にも当てはまらないと結論づけたのでした。
20分の持ち時間でこの内容を語るには、とても時間が足りず、外人と
いうのに、ものすごい早口になってしまい、聴衆の皆さんには何を言
っているのかさっぱり分からなかったのではないかと反省しきりです。
時間不足を補うためにパワーポイントを駆使し、引用文はほとんど読
み上げず画面でさっとお見せするという変則的な手法を使ったのです
が、ポーリーヌの崇拝者のサンド、ミュッセ、ゴーティエ、フロベー
ル、ツルゲーネフ、ショパン、マイヤーベアー、グノー等の称賛の文言
をリストアップした画面では、次の画面にいくのが早すぎて、フロア
からの抗議の「オー!」という声がこちらにも直に伝わってきて、申
し訳ない気持ちでいっぱいでした。
こうした口頭発表では内容の簡素化も必要となってきますが、日本で
の発表のように資料を配付するなど(これまで国際学会で見たことが
なかったのですが、今回は資料配付をする発表者が結構いらしたよう
でした)、発表形式や方法を再考、事前の口頭練習を徹底するといっ
た課題が残された学会発表となりました。
空港から搭乗したヴェローナ行きの飛行機の中でのこと、偶然、リ
ヨン大学のクリスティーヌ・プランテ氏と隣り合わせの席になり、
びっくりしてしまいました。周囲をそれとなく見回せば、美しい
ブルーの洋服を纏ったENSのB.ディディエ氏の姿が目に入ってくる
し、後ろの座席からはベルギーの新ルーヴァン大学のザノン氏の
声が聞こえてくるではありませんか。その隣の席の方もどなたか
サンド研究者でおられる様子、錚々たるメンバーが同じ便に乗っ
ていらしたのだと知り、恐れ慄いて小さな身をますます小さくす
るようにして自分の席に縮こまっていたのでした。機内ではプラ
ンテさんも私もパソコンを出して仕事をしたので、二人の会話は
多いという訳ではなかったのですが、そんな中で、フランスの博
士号取得のことが話題となりました。氏によれば、最近、ドクト
ラ取得制度が改革され、外国人はますますドクター取得が困難に
なったとのことでした。
帰国後、この話を思い出し、調べてみたところ、次のような情報
が出てきました。本ページの下欄に、また、明日と明後日のページ
にも関連事項をアップしてみました。ご参考までに!
ーーー
Vers un doctorat « vite fait mal fait » -
Leïla Frouillou et Paul Citron, Le Monde/Idées,
24 avril 2015
Le ministère de l’éducation nationale, de l’enseignement
supérieur et de la recherche travaille actuellement sur un
arrêté qui fixe une durée maximale de trois ans pour la
réalisation des thèses de doctorat. Des critiques se sont
déjà faites entendre au sein de la sphère académique, et
nous souhaitons par ce texte élargir le débat en discutant
du modèle de société et d’accès au savoir qu’implique
un tel arrêté.
http://www.sauvonsluniversite.com/spip.php?article7463
Idées
Vers un doctorat « vite fait mal fait » ?
En savoir plus sur http://www.lemonde.fr/idees/article/2015/04/24/vers-un-doctorat-vite-fait-mal-fait_4622285_3232.html#DhkcY4vdjRI3QLkx.99
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/d4/d59f0f67e66021a288375ee7e26ea3d9.jpg)
画像はポリーヌ・ヴィアルドに何度も求婚したのに拒否された詩人
ミュッセの描いた18才のポリーヌです。パソコンに入っていたこの
画像をプランテさんにお見せすると、これは見たことがないと暫し
見入っておられました。
ヴェローナ国際学会のメインテーマは「ジョルジュ・サンドと女性
の朋輩たち:芸術家と知識人」でした。
私の発表テーマは「ジョルジュ・サンドとポリーヌ・ヴィアルドに
おける周縁性」というもので、オペラ歌手コンスエロの物語のヒロ
インのモデルとなったポリーヌ・ヴィアルドの周縁性、彼女を周縁
化したミュッセのanimosité, サンドとポリーヌの共通の友人であっ
たマージナルマン、リストとショパン、また、当時のフランスに巨大
な富をもたらしたピアノ産業エラール社と周縁的存在であったプレイ
エル社、二大作曲家とこれら二社との関係、サンドとポリーヌが企図
した音楽と文学の融合(ヌーベル・マルセイエーズの協同企画など)
さらにはサンドとポリーヌが周縁化することになったサンドの長女
ソランジュについても言及しつつ、キーワードの「マルジナリテ」を
手掛かりにサンドの大河小説『コンスエロ』および『ルードルシュ
タッド公爵夫人』を分析、最終的にR.E.パークのマージナルマンの
理論は、作家サンドや音楽家ポリーヌの生き方にもコンスエロの物語
にも当てはまらないと結論づけたのでした。
20分の持ち時間でこの内容を語るには、とても時間が足りず、外人と
いうのに、ものすごい早口になってしまい、聴衆の皆さんには何を言
っているのかさっぱり分からなかったのではないかと反省しきりです。
時間不足を補うためにパワーポイントを駆使し、引用文はほとんど読
み上げず画面でさっとお見せするという変則的な手法を使ったのです
が、ポーリーヌの崇拝者のサンド、ミュッセ、ゴーティエ、フロベー
ル、ツルゲーネフ、ショパン、マイヤーベアー、グノー等の称賛の文言
をリストアップした画面では、次の画面にいくのが早すぎて、フロア
からの抗議の「オー!」という声がこちらにも直に伝わってきて、申
し訳ない気持ちでいっぱいでした。
こうした口頭発表では内容の簡素化も必要となってきますが、日本で
の発表のように資料を配付するなど(これまで国際学会で見たことが
なかったのですが、今回は資料配付をする発表者が結構いらしたよう
でした)、発表形式や方法を再考、事前の口頭練習を徹底するといっ
た課題が残された学会発表となりました。