日々雑感

読んだ本やネット記事の感想、頭に浮かんでは消える物事をつらつら綴りました(本棚7)。

「王様の仕立て屋」

2009-05-13 21:59:26 | ファッション
作:大河原遁、原案協力・監修:片瀬平太

スーツの蘊蓄を散りばめた男性ファッション系のマンガです。

ナポリの場末で仕立て屋を営む日本人とそれを取り巻く人々の物語。現在の最終刊は22。
仕立て屋の名前は「織部 悠」。
「ミケランジェロ」と呼ばれた伝説の職人の唯一の弟子として親方の借金返済のためナポリで仕事を続けている。
しかし、その実力をファッション界が放っておけず、いろんなトラブルに巻き込まれるストーリー。
デザイナーブランドというよりトラッド系のお話です。
オーダースーツを誂えるレベルの話ですので、興味がない方には退屈・窮屈な漫画かもしれません。

まあ、「美味しんぼ」みたいで日本人好みの設定ですね。
内容は男性ファッションの蘊蓄がちりばめられおり、飽きさせません。
私にとっては文字だけのファッション解説本を読むより、マンガを楽しみながら知識もつくという一石二鳥。
それもそのはず、監修している片瀬さんはスーツの啓蒙本も書いている専門家です。

同じイタリアでもナポリとミラノではスーツに対するスタンスも違うことを初めて知りました。
イギリスのスーツとの違いもよくわかりました。

スーツの究極は、体に合い動きやすく、かつ美しいシルエットを結ぶもの。
体の線にひたすら合わせると不格好になりますが、そこに美しさを添える技術。

これは靴の世界にも共通することですね。
オーダーの靴を誂えるとき、自分の足のラインを出し過ぎると格好悪くなってしまう。

奥深い世界です。

いかんせん、ばっちりと決まったときのスーツの画がイマイチなのが玉にキズ。
うっとりするようなスーツ姿を描ければ完璧なんですが・・・残念。


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