日々雑感

読んだ本やネット記事の感想、頭に浮かんでは消える物事をつらつら綴りました(本棚7)。

寂聴文学塾第1回「樋口一葉」

2017-10-08 20:40:08 | 小説
 「寂聴文学塾」とはある小説家について瀬戸内寂聴が聴衆を前に1時間程度話したものを録音したCD集です。
 1枚目は樋口一葉。私のお気に入りの小説家です。
 寂聴さんは一葉の自伝を書いたことがあるので、彼女について調べ尽くしてます。

 明治時代に文語調の小説「たけくらべ」で華々しくデビューし、森鷗外(1862-1922)らに認められ、24歳で肺結核で亡くなるまでの短い間に後世に残る作品を残しました。特に最後は「奇跡の14ヶ月」と呼ばれる濃厚な時間。

 80歳代後半の寂静さんは弁舌なめらかにしゃべり続けます。興味深いお話が盛りだくさんでした。
 以下はネタバレです(^^;);
 
・日本の歴史の中で女性が小説を書いたのは、紫式部以降は樋口一葉までいなかった。

・小説の師匠である半井桃水との関係は「純愛」とされているが、そんなことはあり得ない。半井から月々お金をもらっていたし、実はもう一人の男からも妾扱いでお金をもらっていたという二股をかけるしたたかな女だった。

・小説も逸品であるが、彼女の日記もすばらしい。ただし、半井とのやり取りは部分部分切り取られてなくなっている。おそらく、妹が姉の名誉のために処分したと思われる。

・遺作で未完の小説『裏紫』を、寂聴さんが続きを書いて完成させた。


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。