かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 236 中国⑩

2023-05-11 10:24:22 | 短歌の鑑賞
2023年度版馬場あき子の旅の歌31(2010年8月実施)
     【砂の大地】『飛天の道』(2000年刊)185頁~
     参加者:H・A、T・S、藤本満須子、T・H、鹿取未放
     司会とまとめ:鹿取 未放

             
236 火焔山みれば奇怪なり真つ赤なり畏れつつ西遊記の山裾に入る

    (まとめ)
 火焔山に圧倒されている作者の姿が見えるようだ。西遊記で有名な火焔山の山容のあまりのすさまじさに人間が平伏しているような感じがする。とはいえ、怖い物見たさというか、西遊記の山に自分たちが飛び込んでゆく興味津々の思いも見え隠れするようで面白い。
 四輪駆動の頑丈な車で旅しているのであろうが、「畏れつつ」「山裾に入る」と人間や文明が小さくなって、ゴメンナサイ、トオラセテネと謝りつつ入っていく感じがする。それだけ原初のままの自然は人間などが侵せない力強さをもっているのであろう。ちなみに火焔山は標高500メートル、中腹にベゼクリフ千仏洞がある。(鹿取) 


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