ブログ版清見糺鑑賞 24 かりん鎌倉なぎさの会
167 しずかなる花のさかりを夕べより音もせでくる春のあわゆき
「かりん」2001年6月号
桜が今を盛りと咲いているのに、夕方から急に雪が降り始めた。それも音も立てない春の淡雪であるからすぐ消えるのだろう。やわらかく情趣たっぷりのしっとりした歌である。
「音もせでくる」は、古歌にたくさんあるバリエーションで、本庄小唄の「春の雪音もせで降る」などの一節もある。しかし掲出歌の下敷きは、民謡「さんさ時雨」がより有力のように思われる。「さんさ時雨」は仙台藩に古くから伝わる民謡で全国的にもよく知られている。作者の母方の実家が仙台で、子供時代何年か疎開もしているので「さんさ時雨」は身近な歌だったと思われる。その一番にいう。
〈さんさ時雨か萱野の雨か 音もせで来て濡れかかる ショウガイナ〉
167 しずかなる花のさかりを夕べより音もせでくる春のあわゆき
「かりん」2001年6月号
桜が今を盛りと咲いているのに、夕方から急に雪が降り始めた。それも音も立てない春の淡雪であるからすぐ消えるのだろう。やわらかく情趣たっぷりのしっとりした歌である。
「音もせでくる」は、古歌にたくさんあるバリエーションで、本庄小唄の「春の雪音もせで降る」などの一節もある。しかし掲出歌の下敷きは、民謡「さんさ時雨」がより有力のように思われる。「さんさ時雨」は仙台藩に古くから伝わる民謡で全国的にもよく知られている。作者の母方の実家が仙台で、子供時代何年か疎開もしているので「さんさ時雨」は身近な歌だったと思われる。その一番にいう。
〈さんさ時雨か萱野の雨か 音もせで来て濡れかかる ショウガイナ〉
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