かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞  141

2021-08-05 19:53:11 | 短歌の鑑賞
  ブログ版清見糺短歌鑑賞21 99年   鎌倉なぎさの会 鹿取 未放


141 夕さればなくかなかなにつくつくとわが晩年はくらみゆくなり
                 「かりん」99年11月号

 「夕されば」は夕方になると、の意。かなかな、つくつくという蝉の名前でもあり鳴き声でもある語をつらね、後者は「つくづくと」の掛詞としても用いている。季節的にカナカナよりツクツクホウシの方が遅く鳴き始めるようである。また、晩夏の薄明時に鳴くカナカナには日暮らしという別名もあり、ものがなしい鳴き声で知られている。ともあれ夕暮れを告げるように盛んに鳴く蝉の声に人生の季節の秋や終末を思っているのである。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 清見糺の一首鑑賞  140 | トップ | 渡辺松男の一首鑑賞  275 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

短歌の鑑賞」カテゴリの最新記事