かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 349(スイス)

2019-10-08 18:25:35 | 短歌の鑑賞
   馬場あき子の外国詠49(2012年2月実施)
      【ロイス川の辺りで】『太鼓の空間』(2008年刊)176頁 
       参加者:N・I、井上久美子、崎尾廣子、曽我亮子、藤本満須子、渡部慧子、鹿取未放
      レポーター:N・I 司会とまとめ:鹿取 未放
       
 
349 川の向かうはつねに夕ぐれの雨のいろアンティクのやうな灯をともしたり

     (当日意見)
★「アンティク」は作者の表記どおりです。辞書的な意味「古美術品のような」でよいのではない
 か。ところで、旅行者だから「つねに」といっても、せいぜい3,4日間のことだと思うが、滞
 在していた間はいつも「夕ぐれの雨のいろ」だったということだろう。(鹿取)
★「つねに」は毎日ではなく朝から晩までという意味。(崎尾)
★なるほど。対岸は霧が深いところなのでしょうか。夕暮れの雨のような色に見えて、ぼんやりと
 した灯がともっているという、旅行者にとってはロマンティックな情景ですね。(鹿取)

 

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