大晦日

宝物は年賀状を一枚だけ書いた。
担任の先生にだ。
五年生にして、はじめて受け持ってもらった男の先生が
彼は大のお気に入りだ。

年賀状を書きながら、宝物が私に問う。

「お母さん、年末年始ってなんのためにあるん？」

「・・・・・主婦をいじめるためにや。」

「・・・あ・・（うんうん）」と納得する宝物。

そんな所に、私の携帯が着信。


♪Money,money makes me crazy♪
旦那専用着メロが鳴り響く。


出たくないので、宝物に出てもらう。

「あぁ・・もしもし？　うん、オレ。
・・・おらんよ。うん、おらん。
・・・知らん。知らんって。
・・・・・・・あぁはいはい。そう言うとく。
じゃ！」

「『お母さんは？』ってきかれたから、おらんゆうといた♪」



かわいい。
真的可愛。



そして元旦は、やはりお出かけ。
砂丘をみたことがなかったので、そこにした。

うまれてはじめてみる砂丘は、びっくりものだが
思っていたより規模が小さかった。

結構にぎわっていた。
砂の上にたくさんの人がいるのをみると
どうしても砂漠の処刑場のラスボス戦を思い出す。

あぁこんな所にいるよりも
あったかいお部屋で、Wiiをしていたかった（涙）

日帰りの約束で行ったのに、結局旅館に宿泊。



ま、いいや。マッサージ、頼もう♪



だがしかし、マッサージ協会のなんたらかんたらで
盆と正月はマッサージ師さんは休業なのだそうな。



うっううう


その分たっぷり温泉につかり
いつもより早く眠りについた深夜、ごそごそがさがさと
何かを探している大きな物音で起こされる。

目を開けると、電灯がついていた。

「馬鹿野郎！！こいつは裸やないか！
シャツをどこにやったんや～！！！」


宝物がパンツいっちょで寝ていたのが
お気に召さないらしい。
それが私や姉ふたりのせいだと、旦那は怒っているのら。


熟睡中を起こされたので、私の気管はびっくりしてしまい
それから咳がとまらない。


ホンマにねぇ・・・旦那のお守りが一番疲れる。


来年こそはサヤさんに会いにカウントダウンに行こう！！
絶対行こう！！

行ってやるんだ！

モテない女のクリスマス

話は去年だ。

クリスマスイブ、午後9時半、電話がなる。
誰かとるだろうと思っていたら、着信音がとまった。

どうやら二階の子機でとったらしい。


数日後、河童姫が私に言いつけにくる。

「お母さん、この間、クリスマスイブな、あいつに電話がかかってきたんで、彼氏から。」

あいつとは闘魂ちゃんをさす。

「ホンマ、らぶらぶやなぁ・・」といまいましげに。


年明けて、河童姫がまたくる。

「お母さん、やっぱりな、プレゼントもろうてるわ。」

「そうか。」

「だってな、机の上にハートの小箱に入ったペンダントが置いてあったし。」


置いてあったし・・って、なんで中身まで知ってんねん。
開けんなよ、河童姫。


「ホンマ、今頃の子ぉは・・・」とモテない18歳がいう。


あの中坊カップルは、交際2年目だと思うが
今だにらぶらぶやねんなぁ。

どこがエエんやろ、闘魂ちゃんの。
外見は可愛いが、きっつい女やのに。


ふと、河童姫にきたたった一枚の年賀状が目にとまる。
話はそれるが、最近の高校生は携帯メールで新年の挨拶をすますそうな。

で、その貴重なたった一枚の年賀状に
河童姫の名前ともうひとつ、男と思われる名前がかかれ
それがハートマークでつながっている。


彼氏？　


「な、闘魂ちゃん。お姉ちゃんの年賀状に男の子の名前が書いてあるけど
これって彼氏やろか？」


「あ～それ、ちゃうちゃう。漫画の主人公の名前や。」



ガ～～～ン。



どうにかならんのかい、うちの18歳。

年末年始にかけて、多くの知り合いにあった。
その時、たまたま河童姫を連れていたが、彼女に

「大きくなったなぁ」と言う人はいたが

「綺麗になったねぇ」と言う人はいなかった。

何故だ？　親の欲目か？
結構綺麗な24、5歳に見えるが（爆）

原因はそこだが、彼女がふけてみられると
私が若いお母さんだと思われるので、結構な話だ。