「ひげ市長」防災訴え1000回 国内外で講演16年 「島原の体験、体力の限り」(西日本新聞) - goo ニュース
雲仙普賢岳噴火による災害は我々国民に大きな衝撃となった。当時のひげの市長の陣頭指揮はその後の被災自治体の長の模範となった。
これから発生する地震、噴火、豪雨等の自然災害に備えて被害が拡大しないようにするためにも企業の防災設備、住宅の耐震化等の防災投資は個人・企業ともに必要だ。
しかし、大きな障害となっているのが税制上の問題。これまでは災害が発生した後の被災地への税優遇はあったが、近年やっと災害前の防災に係る税優遇が関係機関の後押しで付け足しで行われるようになった。それでも問題点が多い。
国民の公平な税負担を考えるのが行政当局であるが、その考え方は、防災の税優遇に関しては公平な制度とは思えない。
ひとつは税優遇者を限定していること。地震防災対策用資産の取得に関する特例措置をみると東海地震の強化地域、東南海、日本海溝等の防災対策推進地域を対象とした一定の個人事業者、法人に限定している。日本全国で大小の地震が起きるとしているのにその他の地域は防災投資は必要ないと税務当局が言っているようなもの。税の欠陥としかいいようがない。
もうひとつは住宅の耐震改修の税優遇だが、昭和56年以前の住宅を対象と限定しており、あたかも昭和56年以降の住宅は耐震性が十分にあるとの誤解を生じさせている。現行の耐震基準は最低限の基準であり、震度7では現行の基準でも30%程度が倒壊すると聞いたことがある。まして昭和56年以降の住宅でも増改築や老朽化が進み耐震性に不安を生じている現状だ。住宅の耐震化は全戸共通の課題であり税優遇は必要だ。
これから未曾有の地震災害が予想される日本で、地震防災・減災の面から公平な税負担のあり方を真剣に考えないと、国民負担は実質増すばかりではないだろうか。
<参考資料 内閣府平成21年度災害地震対策関係税制改正要望結果概要>