大都市では土地利用の高度化が進み、近年、地震時の問題として超高層ビルに代表される長周期地震動対策が急務となっているが、もうひとつの以前からの問題として大都市の地下街、縦横に張り巡らされた地下鉄網で大地震に遭遇した場合の被害状況がどうなるのか問題は解決されていない。
理論的には地下街・地下鉄は耐震構造となっており地震時は安全とされ、天井の崩壊、地下水等の流入はないとされる。しかし、地上と違い、停電となると真っ暗な中、また、火災が発生した場合の煙で避難する人々が地上出口へと殺到しパニックになる危険性がある。
平成17年に警視庁が実施した「大震災対策のための心理学的調査研究結果(平成17年」によると、「すぐ近くの階段から逃げる」が35%、「みんなについて逃げる」が21%と半数以上の人々が集団となって出口に殺到することが予想される。
まず、ひとりひとりがパニックにならないことが大事だが、地下街での迅速な情報放送提供、地下街テナントによる避難誘導などの教育・訓練が日頃から必要である。
<警視庁 安全な暮らし>
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/seian/shinri17/shinri17.htm
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/seian/shinri18/shinri18.htm
<東京都 都営地下鉄 災害対策>