東日本大震災での地震災害保険・共済の支払額は約2兆円と過去最大の規模となった模様だ。
日本全国の地震災害を対象としたCATボンドを2008年に3億ドル発行したJA共済連の目的会社MUTEKIは、今回の東日本大震災で世界で初めて元本3億ドルを没収しJA共済連の共済金支払いに充てられた。CATボンドはリスクファイナンスの手法として日本企業をはじめ全世界で発行されている。ハリケーンや地震などの自然災害を対象とした債券で、伝統的な再保険を資本市場から調達する手段として開発された。
CATボンドを購入する投資家は、世界の再保険会社が主流とみられ、結局は資本市場でなく再保険市場のキャパシティでの動きのようだが、今回の3億ドルはいわゆるデフォルトとなり再保険会社が購入した債券元本が没収され損失を被った。CATボンドは再保険料が金利となって上乗せされ、一般の債券より高利回り、高リスクの債券だ。格付けもB格の取得となり、投資というより投機の分類だ。
JA共済連は2012年1月新たに1.5億ドルのCATボンドを世界第3位の独ハノーバー再保険と発行した。目的会社の名称はKIBOUだ。
<毎日新聞 リスクと向き合う>
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20120106ddm001040040000c.html
<ARTEMIS>
http://www.artemis.bm/blog/2012/01/16/details-emerge-on-zenkyorens-kibou-ltd-catastrophe-bond/