被害が拡大しているトルコとシリア。トルコは日本と同じく地震大国であり、過去から大きな地震災害に見舞われてきた。1999年のイズミット地震(M7.6)では死者が1万7千人を超えた。
この地震を契機に住宅被害を全額補償する政府のこれまでの政策を転換し、世界銀行とともに国民自ら加入する地震保険制度を組成して国民に加入を義務付けたとされる。
日本では地震保険は火災保険に付帯して原則加入する事になっており、強制ではなく加入しない選択があるが、トルコでは強制的に加入義務化となっており加入しない場合の罰則が規定されている。創設以来20年間で7億8,320万トルコリラの保険金を支払った模様。今回の地震により更に多額の保険金が国民に支払われることになるが、地震保険制度の財務的には最終的に政府が支払保証する仕組みとの事である。日本より安心安全な金融保険制度のようだ。
しかし、トルコは地震大国でありながらマンションをはじめ住宅の耐震性は低く今回の地震で大きな被害が出た模様である。今後の課題は建物の耐震基準の強化であり、耐震性向上に寄って多くの人命が救われることに向かってほしい。