『背筋が寒くなる、幽霊屋敷の調査!』
これから書かせて頂くのは、思い出したくもない恐怖の調査レポートです。
それは…
ある不動産屋から、依頼があって、ある建物を調査した時の実例です。
「不動産屋」というのも、建築に関しては「素人」ですから、「物件」につ
いて、私たちに、アドバイスを求める事が、よくあります。
その依頼のあった「物件」は、閑静な住宅街にあり、すぐ近くには大学もあ
るような、静かな落ち着いた場所でした。
その「物件」はいわゆる「旗竿地」で、前面道路に2メートル弱しか接して
いません。
自分で持って来た「巻き尺」で計測しても、198センチしかありません。
同行した「不動産屋」に、私は、「これは典型的な再建築不可物件です。」
「不動産価値は、無いに等しいです。」「隣接地の地主さんにでも安く買っ
てもらっては如何でしょうか。」
すると、「不動産屋」は、「とりあえず家の中も調査して下さい。」
「リフォームすれば売れるかもしれませんので…」
そこで、今度は、家の中を調査する事に…!
そこで、私が見たものは…
…家の鍵をあけて、家の中に入ると、ぷーんと異臭がするんです。しかも
台所には皿やなべが無造作に置かれ、さっきまで誰かが居た様な感じすら
しました。
居間に入ってみると、畳の上にはこたつがあり、辺りに衣類やら雑誌、新
聞などが散乱しておりました。
それに、なんとなく畳が湿っていて、所々どす黒いしみまでありました。
…あまりの異様さに、私は「不動産屋」に聞きました。…
「今もここにはどなたか住まわれていますか?」
すると、「不動産屋」は、「いいえ、今は誰もお住まいになっていません。」
「この前まで、おじいちゃんが一人で住んで居ましたが、もう亡くなりまし
た。」
はっきりした事は、未だにわかりませんが…
もしかすると、この家で、そのおじいちゃんが亡くなって、しばらく時間が
経過してから、ご遺体が発見されたのではないか?…
私としては、一刻も早く、その家を出たかったのですが、「建物調査」に来
ていますので、更に調査する事にしました。
二階に上がってみると、更に異変が…
柱がほとんど傾いているんです。そして、壁には大きな亀裂もあります。
二階の窓を開けて下を見ると、明らかに家が傾いています。
とても、「補修」できないし、「リフォーム」しようにも、建物の「構造」
自体に問題があり、「取り壊す以外方法がない。」との結論に達しました。
…調査は、あまりに建物の損傷がひどいので、たった1時間で終了しました。
しかし、その間中、ずっと誰かに見られている様な感じがし、何とも言えぬ
異臭にも悩まされました。
今、日本は高齢化が予測を超えるスピードで進行しています。
今回調査した家の様に、高度経済成長の頃に建てられた家が、その役目を終
え、「転売」を待っている不動産が山ほどあります。
また、最近は、あまりに「再建築不可物件」が多く、そのほとんどが
「空き家」のまま放置される様になり、それが大きな社会問題になっていま
す。
親が死んで家を「相続」しても、「再建築」する事も出来ず、土地として
「売却」する事が出来ない今回の様な「物件」が、非常に多いです。
しかも、「不動産屋」の多くに、その事を見極める知識が、あまりに少な
い事が、一番の問題なのです。
…皆さんの周りでも、家に関して良くわからない事が
あると思います。どうぞ、私たちに質問して下さい!
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