欠陥建築バスターズ

土地・建物の調査研究が専門。日本の地震や災害に備えた建築や、不動産市場や世界経済の未来鳥瞰について述べています。

新築一戸建てが売れないので、工事を中断して、いつまでも建築中にする施工業者

2019年11月17日 10時22分28秒 | いい加減な施工業者

神戸市内で、築年数が40年以上もある家が、解体されて更地になりました。

 

しばらく更地のままでした。

 

それから3カ月ほど経ったら、土地整備の工事を始めました。

 

でも、毎日工事をしないんです。

 

1週間のうち、1日か、2日だけ来て、ユンボでならしていました。

 

工事しない日は、ユンボは土地内の置いたままでした。

 

 

そのうち、家が建つための、基礎工事などに入っていきました。

 

 

しかしこの基礎工事後、次の工事になかなか進まず、随分、放置されていました。

 

3ケ月間もの間、基礎だけの状態でした。

 

 

施工業者が倒産したのか?

工事が放り出されているので、そう思ったのですが、違いました。

 

 

しばらくしたら、また工事が進んでいきました。

 

しかし、ちゃっちゃと工事するのではなく、国会の牛歩戦術のように、わざと時間を稼ぎ、ちんたらと少しずつ工事を進めていくのです。

 

 

着工から、1年近くが過ぎましたが、まだ完成していません。

 

 

外壁にある防水シートが貼られた状態で、4ケ月が経過しました。

 

その間、雨風もあり、台風も来て、防水シートは何か所も破れています。

 

破れてビラビラしていた防水シートは、後日、ガムテープで貼って補修してありました…

 

 

これでは、”防水”の意味はありません。

 

 

これはひどい工事の状況だな…と思って見ていました。

 

さらに、この工事をする職人(大工)たちは、片付けをしないので、夕方仕事が終われば、電動工具など道具類を放り投げたような状態で、帰っていくのです。

 

毎日工事に来るわけではないので、電動道具類はしばらく放置された状態です。

だらしない現場なのです。

 

放置された電動道具を使い、いたずらする者、放火する者がいるかもしれません。

 

しかし、施工業者は、おかまいなしです。

 

 

幸い、誰も、いたずらしないので、良かったですが。

 

当初、この物件は、『2019年7月完成予定』として広告に出されていました。

 

しかし7月末の時点で、柱しかまだ建っていませんでした。

 

 

ここにも、『売れない不動産』の影響が出ています。

 

新築一戸建てを売る際に、『新築』と表示できるのは、完成してから1年です。

 

1年以上経ったら、『中古』として売ることになります。

 

『中古扱い』になってしまうと、ますます売れない、必ず値下げしないと売れなくなります。

 

値下げなんてとんでもない、少しでも高く売りたいという業者側は、何が何でも、『新築』で売りたいのです。

 

 

とにかく不動産が売れない時代です。

そこで、たとえ完成させても、売れないのであれば、『完成をずらす』作戦を採ったようです。

 

『買い手が現れてから、一気に工事を進めよう』という魂胆でしょう。

 

着工してから1年近く、防水シートを貼ってから4ケ月以上放置。

 

現在も、工事は中断していて、破けた防水シートが、ビラビラと風でなびいています。

 

通りすがりの近所の人たちが「誰が一体、こんなひどい家を買うのだろう?」と思っています。

 

 

施工業者は、『完成しないこと』を目指して、わざと工事を遅くしているのです。

 

 

木造家屋です。

 

梅雨や台風の季節を経て、材木がもう傷んできています。

 

でも、外壁を貼ってしまえば、材木の傷みは、隠れて見えなくなってしまいます。

 

 

業者は、『良い家を造ろう』とは全く思っていないのです。

 

一方で、若い世代の家族が、このような家を、35年ローンとかで購入するのでしょう。

 

 

このように、ひどい工事の状態の新築があります。

 

後で、不良物件に苦しめられるよりも、無理してマイホームなんか購入しない方が、幸せかもしれません。

 

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