読む日々

テーマばらばらの読書日記

葵の月

2017-12-22 | 小説・江戸時代
梶よう子「葵の月」


将軍徳川家治の嫡男が急死した。毒ではないのか?
嫡男家基に仕え、主を守れなかった悔恨からなのか?消えた許嫁。
その許嫁の幼馴染との縁談が進む旗本の娘。

そこに娘を姉と慕う遠縁で家人の男の子やら、娘の亡母の兄やら、いろんな人が関わりつつ物語は進む。

許嫁が姿を消した理由は悔恨だけではなく、主君の遺言である、遺児を守るため。

許嫁と幼馴染の対決が悲しかった。

ちょっとややこしいストーリーではあった。

それにしても田沼意次って、基本悪人扱いなのね。確か田沼側から描いた小説も以前読んだ事があった気がする。

満足度80

天満明星池

2016-10-25 | 小説・江戸時代
加瀬政宏「天満明星池」

大坂の町奉行、大吾と、捜査の過程で知り合った梓巫女(イタコみたいな巫女)お駒がコンビを組み、様々な事件を解決!

どれもおもしろかったけど、最後の澪標盗人はものすごく泣けた。不自由な身分の幼馴染同士の恋の顛末。誰も不幸にならない事件。

大吾とお駒はどうなるのかな。お駒の目の治療を成功させて夫婦になるのかな。

江戸時代だし、同心と口寄せ業の女性出し、身分違いなのかもだけど、名コンビ、ずっと続けてほしいな。

満足度100

残り者

2016-09-30 | 小説・江戸時代
朝井まかて「残り者」


江戸城開城前夜。天璋院の呉服の間で働く りつ は、城を出る寸前に針が気になり呉服之間へ戻る。すると、天璋院の愛猫サト姫を捜す御膳所の中年賄い婦お蛸と出会う。
仕方なく共にサト姫を捜す途中、御三之間で居残るちかが。
そしてなぜか御中臈の ふき が、静寛院の呉服の間で働くもみぢと共に部屋にいた。

残り者となってしまった女達が、江戸城開城を見届けるお話。

それぞれの人生や考えなどと共に、天璋院篤姫や静寛院、和宮親子の徳川を大事に思っていた様子などが描かれ面白かった。

16年後の様子も最後描かれており、たった2日を空っぽの江戸城で過ごした女達がお互いを大事に思い続けていた様に胸を熱くしたりして。

かなーりおもしろくてオススメ。
満足度100


そして、「本」カテゴリーの投稿、これで700本だ!

藪医 ふらここ堂

2016-06-09 | 小説・江戸時代
朝井まかて「藪医 ふらここ堂」



江戸時代。流行らない藪と言われる小児科医、天野三哲の娘、おゆんが主人公。
近隣の人々との温かい交流や江戸庶民の恋愛や、三哲の的確な医術、それをただ一人気づいて応援する、もと侍の薬種問屋の従業員、佐吉の過去などを描きつつ、おゆんの成長や三哲の出自などがじわじわ明かされ飽きさせない展開に一気読みでした。

子供への的確な治療をしているのに、だらしない格好やる気の無さ、口の悪さでヤブ医者扱いされてるお父さん、よかったな。

産婆のお亀婆さんが物語を締めている。

佐吉の息子、勇太君、長崎へ行く前に母親と逢えて母の愛を感じられてよかったね。

ほのぼのできるおすすめの一冊。

満足度100