読む日々

テーマばらばらの読書日記

抱擁、あるいはライスに塩を

2011-01-28 | 
江國香織「抱擁、あるいはライスに塩を」

 会社の方から借りました。すごく厚い! 594頁もあります。

東京にある豪邸に住む柳島家の、三代100年に亘る物語を、時代を行きつ戻りつ、あるいは昔を回想しながら
語り手が代わりながら語られていきます。

祖父は先祖から続く呉服問屋を商社に変えて成功。祖母は亡命ロシア人で2人はイギリスで知り合い結婚。
その子供世代は、父親に反発して家を出て、不義の子を産んだら実家に戻り、許婚と結婚ちゃう長女と、
長女みたいには生きられず、親の勧めた見合いに乗っかり、逆に親は心配するような相手なのに「正しい」と信じて
結婚、ボロボロになって半年で離婚、実家に戻る次女。
どこか優しくて軽い印象の長男。

そして長女の子供達。4人いますが、一番上は父親が違い、一番下は母親が違う。

なんとも変わったお家の変わった生き様ばっかりのお話なんですが、読み終わった瞬間、泣けて泣けて仕方ありませんでした
なんだろう・・繁栄していた一家が滅んじゃうみたいな感覚。

登場人物はそれなりにみんな納得して満足している生き方なんだろうけど、傍でみてると切ないなぁ。

でも おもしろかった。満足度は90

ケーチェのあかちゃん

2011-01-27 | 絵本
「ケーチェのあかちゃん」ヤンティーン・バウスマン 作・絵/よこやま かずこ 訳

はりねずみの夫婦に子供が生まれるお話。この前に、はりねずみ夫婦のお話があるみたいで、そっちを読んでいると
登場人物がよくわかるのかも。

お腹に赤ちゃんがやってきた時にはピンと来ないし、つわりで気分は悪いし、だけどお腹の中で動くようになると
一気に母性が湧きあがってくるケーチェの姿は、自分の妊婦期間を思い出せて楽しかった。

息子は興味なし。

ウェディング・キャンドル

2011-01-26 | 
谷崎光「ウェディング・キャンドル ≪私≫を生きる物語

自分らしい生き方を見つける女性の、5編の物語。

雪の手紙・・・29才の新聞記者。ハードな日々の中、ある日ポーランドにいる彼に会いに行くために「失踪」します。
失踪(本当の失踪じゃないけど)に至るまでの葛藤がわかりやすいし、ラストがじーんと来ました。

本町・エレキギター・・・26才の銀行員。この人、一番理解できた。世の中を上手く渡っていくのってストレス溜まる。
けど、乗り越えた時に強くなれる。強いオンナは幸せになれるのかな・・?

ウェディング・キャンドル・・・28才の結婚司会業。一種のアダルトチルドレンかしら?と思うような女性が夫のDVを乗り越えて一人で生きていく決意をするまでのお話。表題作だけど、いまひとつ共感できず。

中の島・緑・・・22才のデザイナー。ありがちな、ちょっと出来るオジサンとの不倫を通して成長するお話。このオジサン、本当にイヤなタイプ。最後落ちぶれててスッキリした~。

tokyo・ブルー・・・33才の作家。作者がモデルか? 内面語りばかりで よくわかんなかった。


谷崎光さんといえば「北京」ってイメージだったので、こんな普通の女子がモデルのお話を書く人だったんだ~、とビックリした。1編目と2編目は、すごくおもしろかったけど、残りはなぁ・・。お話としては面白かったです。共感できないだけ。

作者は「この中に私がいる。そう思ってもらえたら一番うれしい」とあとがきで書いているので、それでいいのか

私は「本町・エレキギター」の令子が自分だと思うな


満足度75

ベルおばさんが消えた朝

2011-01-24 | 絵本
「ベルおばさんが消えた朝」ルース・ホワイト作/光野多恵子 訳

 アメリカのヤング・アダルト小説。舞台は1953年の、アメリカ南部の炭鉱の町。
共に12才のイトコ同士の男女が主人公の物語で、ものすごくおもしろくて 一気に読んでしまいました

女の子はジプシーという名前の、とても恵まれた家庭に育つ女の子。5才の時に実父を亡くし、今は母親と義父と暮らしています(この義父がまたイイ人なのに、母親と結婚した、ってだけで大反発しちゃってます)
ある日、炭鉱夫と結婚していた母親の妹であるベルおばさんが行方をくらまし、その息子であるウッドローがジプシーの住む家の隣にある、祖父母の家に越してきます。

そこから二人の強い友情と肉親愛とライバル心が描かれつつ、ベルおばさんの失踪と、その遠因であるジプシーの母親と実父と叔母の三角関係や実父の死の真相、ジプシーのトラウマが書かれ、そして真相を暴露され傷ついたジプシーが、それでも母親を始め肉親の強い愛情を感じて見事自分でその問題を乗り越えていく姿が清々しいです。

そしてベルおばさんは見つからないままお話は終わりますがおばさん自身の心の闇や、それに気付いてあげられなかった事を悩むジプシーの母親や祖父母の苦悩もわかりやすく書かれていて、子供が読んで、表面ではさほど見えてこない肉親の愛情の深さみたいなモノを感じ取れる小説なんじゃないかな、と思いました。

息子にはまだ早いですが、2~3年したら読んで欲しいな


満足度95

教科書が教えない歴史有名人の子孫たち

2011-01-22 | 
「教科書が教えない歴史有名人の子孫たち」新人物往来社

現代に繋がる系譜が書いてあるのかと思いきや、子や孫やひ孫がどうなったか、が書いてあるだけ。な~んだ。

今年の大河ドラマ、「江」ですが、江は徳川秀忠に嫁ぎたくさん子を産んでいます。
その中の一人の姫から、今上陛下や元首相の細川さんまで系譜が繋がっていたりとか(多分ですが)
そういう事がわかるかな~って期待したのに全然。

期待はずれ。