「海辺の1年
もう一度、愛しあうために」ジョーン・アンダーソン著 小沢瑞穂 訳
結婚25年がたった著者が、結婚生活に嫌気がさして、夫の単身赴任を期に家を売り払い、海辺
の別荘に移り住む。その海辺で1年を過ごす間に様々な事を見つめなおし、そして夫婦として
再生
していく物語。
ノンフィクション小説?エッセイ?
とにかく色々と考えさせられました。
私自身も結婚生活に様々な疑問を持ちつつ、何かを変える気力もなく日々色々なことから目を背けたり自分をごまかしたりしながら生活しているので。なので「なるほど
」とか「うーん
」とか唸ったりショックを受けたり(いい意味でも悪い意味でも)しながら、珍しく時間をかけて読みました。
著者は、妻として母として、自分が家庭をコントロールしてきた事に対しては
「私が支配力にしがみついた理由は、もしそうならなかったら家族がバラバラになるという恐れから」で、でも
「ある日、支配することの重荷に気付かされた。支配者がほとんどの仕事をすることに!」と感じる。
私もとっくに気付いてます
でも自分が動かなきゃ、我が家も夫の一族も崩壊してしまう(と、思う)。
この著者の体験とは全く違うけど、本質は似てる・・・?
義母の生活を支える役割はもう今すぐにでも放棄したい。私の親じゃないのに・・・という気持ちがどうしてもぬぐえない。
夫も義兄もその嫁達も、なぜ何もしない?
義母も、電話してきて自分の息子(うちの夫)が出ると電話を切るのはやめてほしい。
義姉も「あなたが電話でないから、うちに電話かかってきた。いったいどうしたの
」というのもやめてちょうだい。あなた達にも親の面倒をみる義務はあるでしょうが。
・・・あ、愚痴だわ。
この著者は、私とたぶんタイプが似ている。「人に雇われると仕事の出来具合をほめてもらいたがる子供っぽい感情が湧きあがることにびっくりする」・・・わかります。そして精一杯頑張ってしまって人にアテにされるんだけど、そうなると今度重荷に感じてしまうんです。
本当に関わりたい
人、やりたい
事だけを選んで頑張るならいくらでも前向きになれるし、かえって元気になると思うけど、選択肢なしにこちらの感情もおかまいなしに覆いかぶされると重たいです。
他にもいろいろ我が身を振り返れるような記述がたくさんありました。でもこの著者は、自然に囲まれた土地で
誰にも頼らず、でも人には心を開く事を覚え、生まれ変わっていきます。
完璧な孤独と自由が、人間を成長させていく様子は圧巻です。
そして夫もまた単身赴任の扡でセラピーを受けたりしながら変化していくし、息子や息子の嫁達との関係も
眼にはみえないけど劇的
に変化していきます。
うちはまだ息子が小さいから、息子を育てる事に責任と喜びを感じているので我慢できます。
でも息子が巣立ったら、どうなるんだろう。
息子に依存は絶対にしたくない。彼には、好きなことを好きなように実践していける人生を歩んでもらいたい。
将来は、自然に囲まれた土地で、晴耕雨読の生活をするのが私の夢。その時、一人なのか、夫といるのか、それはわかりませんが
自然や宇宙の摂理にのっとった生き方がしたい。
・・・と、いつになく真面目に将来を考えさせられた数日でした。体調も悪かったから、ちょっとネガティブな思考回路にも陥っていたのかも
満足度75