最近、猫が発情期を迎えているようだ。
毎日、裏の畑で「あお~ん」
「えあ~ん」と叫んでいる。
あまりに大きな鳴き声なので
どれどれと観察してみると
それは思っていたような
求愛の声ではなくて
どうやら三角関係の
もつれからきているようだ。
二匹の猫がにらみ合いをしながら
奇妙な「あお~ん」を叫びあっている。
そしてその後ろで
一匹の猫がのんきに
後ろ足で頭をかいたりしていた。
多分鳴いているのはオスなんだろう。
そして後ろにいるのがメス。
バウリンガルならぬ
ニャウリンガルがあれば
きっとこんな翻訳をするんだろう。
「あのなあ、このニャン子さんは
俺が先に目をつけたんだ。後から来て
手を出すなよ」
「何言うてんねん。恋愛は自由やないか
ニャン子さんに聞いてみろよ」
で、後ろにいてるニャン子は
「あのさあ、どっちでもいいから
早くしてくれない?」
なんてね。
オスはいつでもつらい立場だにゃあ。
そして、そんな猫の恋愛劇は
義母の住まいの庭でも
毎晩派手に繰り広げられるらしい。
昨晩は、どうやら
つかみ合いのけんかになってたみたいで
「あお~」、「えあ~」と叫んでるかと思えば
急に倉庫のトタン屋根を
バリバリバリと走り回ったり
植木鉢をひっくり返す音が
響き渡ったりと
それはそれはにぎやかだったんだとさ。
それはどこかで飼われているという
猫たちではなくて、野良猫らしく
フラッと庭にやってきて
義母さんをじろっとにらんでは
悠々と庭を横切っていくらしい。
たしかにdoironの知る限り
猫を飼っていると自認する家は
近所にはないが、
ただえさをあげているだけ
みたいな人が近所にいるのかもしれない。
行動はすべて謎のままなのである。
野良猫ホイホイでもあれば
仕掛けたいところだが
万が一、どこかで飼われているのかもしれないから
むやみに強行手段に出るわけにもいかない。
猫自身も怨念の深そうな動物だし・・・
そんなホイホイなんてなさそうだし・・・
頼むから、庭で子猫を産んだり
成仏したりすることは
勘弁してほしいと
義母さんは真剣に悩んでいる。