歩いている旅行者に
過去の人々の祈りの形を
考えさせる施設は色々とある。
例えば、お寺や神社などがそうだろう。
祈りの込められたものというのは、
やはり何かを語ってくる。
そういう意味では地蔵や石垣、
道標などもそういうものだろう。
またそういうものとして
巨大なものも各地にある。
それが、古墳だ。
なぜここに作られているのか、
誰が埋葬されているのか、
何を一緒に埋葬しているのか、
なぜこんな形をしているのか、
いつ作られたのか。
この地域にまつわる様々な思いも、
実は古墳にも埋葬されているわけだ。
これまで古墳がたくさんあるところは
色々と歩いてきた。
ひとつは堺市の百舌鳥地方、
世界最大の古墳もある。
また奈良の明日香地方では、
神話の世界と人々の暮らしを
むすぶ古墳も各地に作られている。
そうそう大阪の豊中にも、
昔の人々の暮らしを
連想させるような
古墳群もありました。
そして今回、ふーんここにも
古墳があるんやあと思って
出かけたのが、奈良県の
五條市でした。
少し前に五條の新町通りを歩いたり、
五新線の痕跡を見たりしに
行ったところです。
訪ねてみて面白い施設もあったり、
これは行かなかったけど
五新線の山手の方には
専用の線路道も残っている
というので、いつかその道も
見に行ってみようという
気にもなりましたねえ。
もしかしたらここも
旧街道や昔並木など、
街角に陰謀が潜んでいそうな
ところもいっぱい
あるかもしれないという
気にさせてくれましたね。
ジダンもきっとそんな
雰囲気を感じたんでしょう。
鉄道博物館なども興味があったので、
これはドジ旅の舞台になればなあ
と思ったようです。
じゃ今回もうすこし、
この五條を探ってみようと
少し眺めていたら、
ん?なんか山手の方に
古墳がいろいろあるではないですか。
これはドジ旅で歩くコースに
入れてもいいかもしれないし、
ちょっと調査しておく必要があるぞ、
と思って天気のいい日に
さっそく出かけていくことにしたのです。
五條といえば電車で行くのは
かなり大変です。
下手すると2時間近くかかりそうです。
ここではまだドジ旅候補
というだけですから、
今回は電車の難儀さはとりあえず無視して、
車で出かけることにしました。
駐車場は、五條市役所です。
五條のことを歩いて紹介して
回るのですから、車一台くらいは
駐めていただけるでしょう。
まずは五條市役所で
地図とかないか見ていきましたが、
市役所にはあまりそういう資料は
ありませなんだな。
見つけられなかったのかもしれません。
では、今日の歩きの
スタート地点である北宇智駅に行くために
五條駅を目指していきましょう。
市役所を出て線路沿いに
歩いていきますと、
途中で大きなお墓の横を通ります。
「極楽寺霊苑」と書かれてありました。
昔からの墓地なんでしょう。
ここには過去の有名人たちの
墓が置かれています。
そこに貼られてある案内を
見てみますと、一番に
やはり天誅組に襲撃された
五條代官所で殺害された
人々の墓が書かれています。
その人々は全部で6人。
四人の墓石と二人が合祀された
1基の墓石があるそうです。
ほかにも、絵師や俳人、医者などの
墓石もここにあり、
五條の過去の歴史が
ギュギュっと詰まったような霊苑でした。
さらに五條の駅の方に
向かって行くと、
なんかにぎやかなお堂がありますよ。
そこには、まことちゃんが
立っていますよ。
このまことちゃんを拝むと
おねしょがなおるのだ~
と書かれています。
なんかユニークですねえ。
そうかあ、まことちゃんの
作者の好きな色合いに
合わせたお堂で、
赤白に塗り分けられているんですね。
お堂の作者はどんな人なんでしょうね。
興味がわきますが、
先を急ぎましょう。
続く