時には目もくらむような崖っぷち
また時には、
深い谷底に佇むような孤独
そして果てしなく続く苦難の道。
人生における艱難辛苦を
山の地形に喩え、
「修行は難苦を持って第一とす。」
と、崖っぷちを歩き
谷底の孤独に耐え
果てしない道を歩き、
それを制することで
己を高めていくのが修験道。
その修験道の開祖
役行者(えんのぎょうじゃ)がその道を開き
金剛蔵王大権現を感得した場所が
吉野の金峯山
その金剛蔵王が、吉野の山におわします。
普段は秘仏として
そのお姿は扉の奥に座しておられ、
一般には拝見することは出来ないが
現在、平城遷都1300年を記念して
ご開帳されているという話を聞いて、
仕事、トレーニング、怪我、介護等々
修行とまではいえないけれど、
平坦とも言いがたい日々を送る己の
少しでも救済になればと
吉野の山までぶらりと独り旅をした。
秘仏とされる蔵王権現は
釈迦如来(過去)
千手観音(現在)
弥勒菩薩(未来)
がこの世に姿を変えて現れたものだという。
つまり、仏にたとえながらも
時を超えて衆生を救済するという、
修験道の独自の境地を具現化したものだ。
権現・・・仮のお姿で現れると
名づけられた三体の金剛蔵王は
邪気を払う怒りの形相に満ち、
青黒い色合いで慈悲の心を表すという。
修行の修行の修行の果ての
究極のお姿、それが権現であろう。
近鉄吉野の駅から
テクテク歩く。
途中の紅葉が
たぶん今年最後の見納めだろう。
気温はさほど低くもなく
急な斜面にクネクネとつけられた山道を
のんびり歩いて
参詣道に出てから
おみやげ物をのぞきつつ
少し汗じみた頃に山門に着く。
途中マウンテンバイクの姿も
ちらほら見かけました。
みなさんしっかり修行してますなあ。
ご開帳ということもあり
金峯山寺には
大勢の人が訪れてました。
半分が紅葉目当ての観光客でしょう。
しかし残念ながら、桜ほど
吉野の山は色づいているわけではありません。
帰り道、山菜そばと柿の葉寿司を
いただきながら店に人に聞いたら
普段の秋はこんなに人がくることはないとのこと。
まさにご開帳景気で普段は静かな
吉野も今年はにぎわっていましたが
自分的には内にこもって
なかなか良い旅が出来たと
満足して帰った一日でしたじゃ。
下山して、振り返って見上げた吉野のお山が
登り始めたときに見上げた山よりも
平坦に見えたのは
気のせいだったのだろうか。それとも・・・
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