にれっちのつれづれ日記

本州最北端の小児科医にれっちの独り言(^^)

穴の開いたバケツに水を入れ続けたら・・・ 漏れます>_< 

2017-10-17 09:43:28 | 病気のはなし
一時期鳴りを潜めていた急性胃腸炎がこのところまた増えてきています。
「何度も嘔吐しているんです」という訴えをよく聞いてみると、「本人が欲しがるから・・・」とか「脱水が心配で・・・」と、嘔気が落ち着いていないのに水分を与えて嘔吐を繰り返していることが少なくありません。
そんな時いつもお話しするのが穴が開いてしまったバケツに水を入れる例え話です。

見た目に穴が開いているようには見えないバケツなのですが、水を一杯に入れてしばらくすると辺りがベチャベチャに濡れてバケツが空になっています。
そこに水を入れたら漏れるだろうと考えるのは当たり前ですが、ではどのくらい入れたら漏れる??と聞かれたらわかりませんよね。
なるべく漏れないように水を入れろと言われたらどうしますか?
そう、漏れないか確認しながらほんの少しずつ入れて、漏れたらそこで止めるですよね。

胃腸炎(嘔吐下痢賞)の最初の症状である嘔吐は、多くが半日以内に落ち着くので、慌てて水分を摂らせようとせずに、まずは1-2時間お腹を休ませてあげましょう。
その間に嘔吐が見られないようならば、スプーン一匙程度のごく少量(氷のかけらを舐めるでもOK)から、少しずつ水分を与えてください。
ある程度の水分が問題なく摂れるようになって、本人が空腹を訴えるようならば、離乳食のような消化によさそうな食事をごく少量から始めましょう。

こうした対処法は、普段何も起きていないときにシミュレーションしておかないと、いざという時には慌ててしまって役に立ちません。
育児雑誌やネットで検索すれば詳しいことが載っていますので、是非予習しておいてくださいね。