大阪府の吉村知事が「コロナ対策にポビドンヨードでうがい」という発言をしたようですが、残念ながらお勧めできる対策ではありません。
ポビドンヨードは強力な殺菌性を持つ消毒剤で、手術など無菌的操作の必要な処置などの際には大きな効果があるのですが、人体に有用な細菌等も根こそぎ殺菌してしまうことや、主成分のヨード(ヨウ素)が甲状腺機能に影響を与えることから、感染防止のための頻回のうがいに使用することには問題があると言われています。
実際に健康な成人を対象とした実験では、①水でうがいをするグループ、②ポビドンヨードでうがいをするグループ、③特にケアをしないグループ(対照群)で、その後60日間でどれくらい風邪をひくリスクが変わるかを調べたところ、水のみでうがいをするとうがいをしないグループよりも風邪にかかる確率が下がったものの、ポビドンヨードでうがいをするグループは効果が認められなかったという結果が示されています。
今回の大阪府知事の発言の基になったのは、大阪府のはびきの医療センターの「府内の新型コロナウイルス宿泊療養所で軽症者41人に対しポビドンヨードを含むうがい薬でうがいを1日4回したところ、唾液のPCR検査の陽性率が9%になったが、うがいをしなかった患者は陽性率が40%だった」というデータのようですが、これは消毒をした口腔内で一時的にウイルスが消失したということであって、口腔内以外のウイルスに効果があるというものではないので、決して通常の予防対策として有効であるというものではありません。
中途半端な情報に振り回されて真似をしてしまわないように、まずは三密を避ける、近距離ならマスク(とメガネ)、適宜の手洗いやアルコール消毒を心がけるようにしましょう。
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