寒くなってきて、鼻水や咳での受診が増えてきました。
「痰がらみの咳が多いんです」「寝起きに咳込みます」という訴えがよく聞かれるのですが、「奥にある鼻水もしっかり吸えて(かめて)いますか?」と質問すると、多くのケースでは中途半端な鼻かみや鼻吸いになっています。
また他の医療機関で「あまり鼻は吸わない方がいい」と指導されているような場合もあります。
そういう時は、自分がどういう時に、どれくらい、どんなふうに鼻をかむのかを考えてみてください。
「ひどくなったら」「垂れてきてから」「朝と晩だけ」とか、「ティッシュで拭く」「軽くフンとするだけ」なんて答えは出てきませんよね。
しっかり奥の鼻が取れて、すっきり鼻で呼吸できるようにならないと、残った鼻で鼻呼吸ができずに口をポカンと開けていたり、のどに落ちてきた鼻でゲロゲロと「まるで痰がからんだような」咳をしたりすることになってしまいます。
とは言っても、小さいお子さんの奥の粘った鼻を吸うのは簡単ではありませんよね。
まず大事なのは環境整備。
乾燥していると鼻も乾いてしまうので、しっかり湿度を保ちましょう。
「加湿器を●●%になるようにしています」はあまり信頼できません(いつもより高い数値になっていればそれなりに加湿はされているでしょうが)から、積極的に洗濯物を部屋干ししましょう。
部屋が乾燥していれば乾くまでの時間も短くなるので、そういう時は暖房を少し弱めることが大事です。(今どきの暖房は乾燥します)
特に寝室の乾燥は要注意です。
もう一つ大事なのが鼻の吸い方。
電池で動くポケットサイズの鼻吸器はほとんど役に立ちません。(取れるのは手前のサラッとした鼻水だけ)
それよりは、口で吸うタイプの鼻吸器の方が粘っこい鼻にもある程度対応可能です。
それでも奥のネバネバ鼻を取るのは難しいので、可能ならばしっかりした吸引器(医療機関でも使えるような)を使いたいところです。
昔はとても高額で(5-6万円はしました)手が出ませんでしたが、家庭での高齢者介護が当たり前になって、軽くて使いやすい比較的安価な商品が手に入るようになりました。
私がお勧めするのは、喘息の吸入器で昔からお付き合いのある東京エムアイ商会の「エレノア」です。
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ネット通販もありますが、医療機関経由での申し込みの方が幾分お安く手に入るので、興味のある方はお声がけください。