
人種差別を熱狂的に支持している白人の中に、果たして「古き良き時代」はあったのか?黒人が輸入され、賃金は安く抑えられる。アメリカに渡った多くの白人は生活は悲惨に追いやられた。そこにあるのは、一山当てれば、大金を手にできて、裕福な生活を享受できる。いわゆるアメリカンドリームだ。しかし、その幸運に恵まれるのは、一握りの人だけで、多くは貧困のままだ。ただ、自分たちは奴隷ではないという思いだけだ。自分は奴隷ではなく、自由人だという幻想だけなのだ。この歴史は、三百年以上続いているのだ。南北戦争で、エイブラハム・リンカーンがゲチスバーグの戦いの後に行った、有名な演説から、もう百五十年も経っているというのに、貧乏白人の意識は何一つ変わっていない。
アメリカは発展し、多くの人がアメリカンドリームを夢みて、新天地を求めて移住した。一握りの成功者と多くの貧困と飢餓に苦しむ民衆という構図は変わっていないのだ。